AI時代の働き方と法―2035年の労働法を考える

著者 :
  • 弘文堂
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784335356872

作品紹介・あらすじ

AIによる労働革命の行き着く先は絶望か希望か

IT、人工知能、ロボティクスによる第4次産業革命は、人類が経験したことのないスピードと規模で、消費や生産など生活のあらゆる面で、制度・習慣・慣行を一変させはじめています。
それにともない働き方も変化し、現行の労働法では対処できない問題が起こりつつあります。雇用環境が激変する社会で、私たちの働き方はどのように変わっていくのか。それに対応するために労働法はどう変わっていくべきか、また政府はどのような政策をとるべきか。未来を見据えて大胆に論じます。

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:366.14A/O91a//K

  • 366.14||Ou

  • 現在進行中の「人工知能の発達」であるが、労働法学の世界においても、今後、きちんと向き合わなければならないという筆者の基本的認識に基づき、まず、労働法誕生の歴史から始まり、経済・産業構造の進展にともなう、労働法の変遷を概観しながら、日本独自の雇用システムにも触れ、そして、今後ますます進むであろう知的創造的な働き方とどう向き合えばいいのか、その考え方が述べられている。
    そして、今後の展開として避けられない「自営的就労と労働法のフロンティア」について言及。
    最後は、労働法に未来はあるのかということで、労働法の真の再生、そして、フェードアウト?
    また、脱労働時代も見据え、生活保障を国家・社会がどう確保していくのか、今後の人間社会が向き合わなければならない未知の世界を「人工知能」は投げかけているということである。

  • 大内先生にしか書けない本。

    本書は、終盤で「労働法はその使命を終えつつある」と締めくくられる。
    AI時代に生産性が上がり、ベーシックインカムにより食い扶持が確保された状態も実現されれば、いずれの労働者も、もはや使用者への従属性を持たないとすると、労働法が不要になるのは必然だろう。人間が追加収入を得るために行う仕事は、AIに出来ない単純労働か、AIに出来ない高度な労働に二分される。
    危機感をもって、現実を直視しつつ、キャリアを考える必要がある。
    単純労働は買い叩かれるので、皆、AIにも他の人にも出来ない仕事が出来なければ、自分の意思では自分の所得をコントロールできない状態になる。余暇が多くともそれは自由とはいえないと思う。
    時間をかけてでも、将来においても通用する知識やノウハウの習得に時間を使うべきだ。今、単純労働に時間を割くことは将来の自分を堕とす行為だと心得ることが必要だ。

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著者プロフィール

1963年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了(博士[法学])。神戸大学法学部助教授を経て,現在,神戸大学大学院法学研究科教授。主な著書に,『君は雇用社会を生き延びられるか』(明石書店),『人事労働法』『AI時代の働き方と法』『雇用社会の25の疑問』(以上,弘文堂),『デジタル変革後の「労働」と「法」』(日本法令),『労働時間制度改革』『非正社員改革』(以上,中央経済社),『労働法で人事に新風を』(商事法務),『経営者のための労働組合法教室』(経団連出版会),『会社員が消える』(文藝春秋),『君の働き方に未来はあるか』(光文社)等。

「2021年 『誰のためのテレワーク?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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