ある知財法学者の軌跡

著者 :
  • 弘文堂
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784335359088

作品紹介・あらすじ

なぜ研究者に、なぜ知的財産法を

 第二次大戦末期に生を享け、大学紛争の時代を経て、さまざまな先生に巡り会い導かれながら研究者の道を選び、「知的財産法」という新しい学問を築き上げた学者の回顧録です。
 何を研究すべきか迷い苦悩し、また病と闘いながら、新しい学問を確立させてゆく軌跡を読むことで、「知的財産法」に関わっている人はもとより、そうでない人も、人生や仕事のヒントを見つけ元気づけられる一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 一気に読んだとの評がありましたが、なるほど納得です。我が国の知的財産法学の金字塔であられる中山信弘先生のライフヒストリーと、お弟子さんほかによるインタビュー、オーラルヒストリーで構成される一冊。
    中山先生は司法試験も合格されていて、また、知財にせよ、自分の専門分野だけでなく、その他の法分野を知っていることの重要性が説かれたり、マージナルな領域を通じて物事がよく見えることとか、すごく納得し、勉強になりました。気をつけようと思います。

    私も、実は弁護士一年目から侵害訴訟を担当し、以来、ずっと知財を取り扱っているのですが、当初は吉藤先生のご著書や実務家の書籍を参考にしていました。中山先生の「工業所有権法(上)」は私が修習のころに出た記憶。実務についてから拝読しましたが、今までの体系書とは違うなあとの印象を思い出します。
    それから、四半世紀の間に、知財の世界はほんと変わりましたね。

    それにしても、東大の藤木先生のこと(みなが早逝を惜しみますね)や、平野先生や三ケ月先生のお話を読むと、すごく懐かしく感じます。といっても、私は東大じゃないし、その時代に生きていたわけでもないのですが、こうした大学者の話を体系書に挟まれたしおりで読んだり、回想録で読むのが好きだったのです、若い頃。勉強そのものより、そっちの方ばっかり読んでたりして。

    いろんなことを想い、考えることのできる一冊でした。広く読まれるべきと思います。


  • 理系出身の弁理士な上、法学部に在籍したことはないため、実際の法学者の方の研究を完全には理解できないが、中山先生の学者としての生き方というものが、ひしひしと伝わってきた。

    理論と実務のバランスや、教育について等、企業での実務でも応用できそうなことが書かれており、非常に参考になった。

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著者プロフィール

東京大学名誉教授

「2023年 『著作権法〔第4版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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