世界幻想文学大系 第14巻 万霊節の夜

  • 国書刊行会
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336025142

感想・レビュー・書評

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  • 決して読みやすい小説ではないし、キャラクター造形や
    ストーリーの細部など中途半端ではっきりしない点も多いの
    だが、それを補って余りある「雰囲気」と「神秘学」に
    溢れた名作。ネタバレになるので詳しくは書かないが、導入
    とそれに伴う最初の「視点」にひきこまれ、気が付いたら
    あっという間に読破していた。「都」の主題が印象的。

  • 死者が物語を進行させるびっくりな設定の小説。決して読みやすい話ではない。
    まず、魔術師サイモンの野望がよくわからない。また、2組の男女がサイモンに対して戦いを挑んでいる構図なのだが、それぞれの人物描写、特に女性の魅力がよく書かれていないので、戦いの動機に共感しづらい。
    しかし泥人形の矮人に霊を入れたり、十章における儀式の混沌とした有様は、他ではなかなかお目にかかれない迫力を持ったものであるのも事実。
    ベルナノスの「悪魔の陽の下に」も、物語よりも幻視を書く事を優先させ、小説を面白く書く事を犠牲にしていたが、「万霊節の夜」も同系統のものを感じた。

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著者プロフィール

評論家・作家。書誌学、メディア論を専門とし、評論活動を行うほか、創作も手がける。
主な著書に『紀田順一郎著作集』全八巻(三一書房)、『日記の虚実』(筑摩書房)、『古本屋探偵の事件簿』(創元推理文庫)、『蔵書一代』(松籟社)など。荒俣宏と雑誌「幻想と怪奇」(三崎書房/歳月社)を創刊、のち叢書「世界幻想文学大系」(国書刊行会)を共同編纂した。

「2021年 『平井呈一 生涯とその作品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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