セリーヌの作品〈第10巻〉評論―虫けらどもをひねりつぶせ

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  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336030719

作品紹介・あらすじ

現代文学とはどんなものか。それは、災禍にあふれた崩れかけの棺桶飾り、あまりにも紋切り型で、小手先芸で、ゴテゴテと悪趣味で、あまりにも干からびて武骨なので、もはや蛆虫すらたかってこないやつ、生まれたとたん当日かぎりで命を終えた死体、嫌悪すらも生まれない錯乱、醍醐味どころか恥しらずで、えげつない、悪夢のような汁ポタポタの屍肉より、もっと忌わしい、もっと暗澹たる幻滅、つまるところ、死体よりも徹底して、はるかにもっと限りなく死に切ってしまった文学である。地上にはびこり害毒を垂れ流す、おぞましき悪の正体をあばき弾劾する、戦慄の攻撃文書。

感想・レビュー・書評

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  • 全方位射撃。きっとこの人は右翼でも左翼でもなく、体制派でも貧困層の味方でもないんだろうな。この精神性が夜の果てへの旅を書かせたのか〜という感じ。とはいえペンネームであるセリーヌは祖母の名前というところで、おばあちゃん子だったのかな、とか温かい想像も膨らむ。「世の全てを呪った作家」と言われつつ、根底には人間への信頼があったのかもしれない。
    追記。このシリーズは装丁がかなり良い。

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L.F.セリーヌの作品

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