須永朝彦小説全集

著者 :
  • 国書刊行会
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本棚登録 : 46
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (540ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336039095

作品紹介・あらすじ

永遠に死を生きる美貌の吸血鬼、幻影の中世に住まう呑折者、悪魔とアンドロギュヌスの面影を湛える天使と闘牛士-典雅な文章によって創出される美の小宇宙をはじめて集大成。異彩燦然たる著者の文業の中から、44篇の小説作品を全一巻に収める。

感想・レビュー・書評

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  • ご冥福をお祈りします

  • hontoで新品が買えた。ありがたい。函は古びていたけど充分美しい。孔雀緑の地とユニコーンに心が躍る。
    「就眠儀式 吸血鬼小説集」「天使」「ババリア童話集」「いすぱにあ・ぽるつがる綺譚」「滅紫篇」「胡蝶丸変化」「聖家族」「滴瀝篇」の構成。

    国書刊行会『天使』所収の作品は再読。面白かったのだけど、中には再読でいささか褪せる作品もあった。吸血鬼、美しい男性、ゴシックロマンス、異郷幻想……を続けて見るうち、それらの要素が書き割りじみてくるからだと思う。美への拝跪は大歓迎だし、それらの要素も好ましいのだけど、背景含めたその描出に工夫が欲しいと感じることがしばしば。そんなどこか物足りない気持ちでいたら、対談中に著者が述べている「ボロが出るでしょ」で腑に落ちた。そういうとこか……。カルパチア山脈と樅の森すら書き割りじゃないだろうか。
    初めて読むものの中では「聖家族」がとても良かった。堀辰雄をあざむくこのタイトルで、著者の趣味嗜好をめいっぱい詰め込んだと思しき絢爛たる世界を語りの工夫で描いていて、忘れ難い味わいがある。特に「聖家族 Ⅲ」の色々なイメージを織り込んだ繭のような悪意が好き。
    著者の作品としては珍しく女性が(最終的に)勝利を収める「百合道成寺」の憐れ深さもいい。しかし安珍にはもやもやする。お人形かな?

  • 耽美小説集。お気に入りの「エル.レリカリオ」はそっちか!となりました。文系腐女子にはぜひ読んで欲しい…

  • これ系の高い本ってほとんど国書刊行会から出てるなあ。
    山尾悠子とか世界幻想文学シリーズとか…。
    装丁は「就眠儀式」のほうが好き。

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著者プロフィール

1946-21年、足利市生まれ。歌人・作家・評論家。71年に評伝『鉄幹と晶子』を、72年に歌集『東方花傳』を上梓。74年発表の『就眠儀式』以来、幻想的で独自な作風の小説を発表、また幻想文学作品集の編集にも多く携わる。著書に『定本須永朝彦歌集』、『悪霊の館』、『天使』、『須永朝彦小説選』(山尾悠子編)など。

「2022年 『王朝奇談集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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