- Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336054104
作品紹介・あらすじ
1923年、当時人気画家だったロバート・ヘンライ(1865〜1929)による実用的かつアジテーションに満ちあふれた美術講義録は、刊行後すぐさま若き芸術家たちにとってのバイブルとなる。以後80年ものあいだ、画家の名声は消え去っても書物は残り続け、芸術書としてだけでなく人生哲学の書として読み継がれてきた…幻の名著を本邦初訳でおくる。
感想・レビュー・書評
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ヘンライ先生白熱教室。
著者はアメリカ19~20世紀の画家、教師。
多くの有名アーチストに影響を与え、アメリカでは今だに読み続けられているバイブルのような本らしい。
内容は具象絵画に関してではあるが、とても具体的、かつ本質的。今でも通用することが多い。
伝えたいことを持っているかどうか、それを表現するための画面構成が重要であることを繰り返し述べているのが印象的。
また、自分自身の表現を徹底して追求せよとも。
アートを学ぼうと思う人にはおススメ。
先生が叱咤激励してくれる。
ただ、このようにな勉強をすれば、アートで食べていけるようになるという話ではなく、先生自身が副業を勧めているのにちょっと笑えた。
彼が今生きていたら、現在のアートの流れをどう思うだろう?案外面白がるかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
すごく読み応えのある良著でした。何度も読み返していきたい本です。
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およそ100年前の人が書いたものだが、現代でも通じる問題提起。
教育のこと、アートへの向き合い方。
ところどころ詩のように感じる文体もあり、読んでいて心地よい。 -
美術の先生からの手紙
原著は90年前です。
「社会的に評価される成功は、人が十分に生き、たっぷりと遊び、自らの能力を十分に発揮したことから必然的に導かれるものである」
いかにアイデアが降りてくる状態を作るか、芸術家としてどのように生きるべきかが語られています。
専門的な絵画の話もありますが、美術以外の分野の人にも、とても有意義な本です。 -
なぜ一世紀近くも翻訳されなかったのか。ヘンライ氏の文章はまるで読む絵画である。「自分らしさにおいては誰もが巨匠」と説き、表現への情熱が芸術を生む。塊(マッス)という構図において形体や線、色すべては表現欲求を満たすために疎かにされるものではないと力強く語りかける。
プレゼンの参考のために読んだが、技術を身に付けると表現が巧くなるのではなく、表現したいものがあるからこそ技術を習得するのだ、という言葉はなるほどと思わされた。当たり前だが忘れがちなのはソフトを使いこなしても本当に伝えたいものでなければ何の意味もないということ。
なお本書はヘンライ氏の手紙や講義を集めたもので、全体を通して多少散漫な感を受けてしまうのが惜しい。 -
美術家を志す人の為の自己啓発本。
すごい、すごいです。私が美術大学浪人時代1年悩み続けた絵画と私のありかたの問題とその答えが、本書では最初の方のほんの数行でまとめられてたりしました。
もっと早く出会いたかったですが当時の私が本書の言いたいことをどれだけ理解できたかは難しいと思ったり。
あとがきの話の中にデヴィット・リンチのことが少しだけ入っててそれだけでも一人で大喜びしてしまいました。
少しでも巨匠と同じものに触れたい気持ちでしょうね。 -
パンチラインのツルベ打ち。
美術の本だけど、もっと普遍的な見方をすれば
今でも十分通用する。下手な自己啓発よりも濃厚。 -
絵画を描くにあたっての、方法や技術を導入として、
絵画という表現を、
いかにしてモデルやモチーフを目で見てとり、
いかにして表現すべき線や球体や色彩を駆使して、
いかにして自分という媒体を通じて表現するのか、
技術はもとより、自分の魂や本性さえも
表現の手段や前提であると気付かされた。
自分の起こす表現や、そもそもの生き方や
常日頃の考え方に、何かしらのきっかけが必ず見つかると思う。
美術や芸術を志す人だけでなく、あらゆる人に読んでほしい。 -
たくさんのアーティストを育てたというロバート・ヘンライの言葉を集めた本。本を読むとき心に響いた箇所に付箋を貼り、あとで書きとめたりしているのだが、今回は早々に断念した。付箋を貼る箇所が多すぎる。
力強い数々の言葉は揺れ動いている若い魂の栄養となり、そのあとの人生をずっと支え続けた事だろう。
この人から直接教えを受けられた人々は幸運だと思う。けれどこの世には本というものがあり、見ぬ世の人を師とすることも出来るのだ。まことにありがたい。 -
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