アクションを起こそう──女性、宗教、暴力、権力

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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336060075

作品紹介・あらすじ

1977年から1981年まで第39代アメリカ大統領を務めたジミー・カーターが、退任後の活動を振り返り、人権擁護の観点から、女性の権利の推進に向けて、「いま、アクションを起こそう」と世界に呼びかける。すべての人の権利が守られる社会の構築を目指すカーターの信念は揺るぎない。カーターにとって、キリスト教はあらゆる判断の規準である。信仰はカーターの力である。同時に、あらゆる信仰、価値観、習慣にも敬意をもって接し、寛容な理解を示す。カーターが鋭い批判を向けるのは、伝統という名目のもとに行われる理不尽な差別、暴力である。暴力にさらされるのは、圧倒的に女性や幼い女の子であるという現実を前に、カーターは、言われなき虐待の犠牲になる女性たちの代弁者になる。女性であるということによって、教育も受けられず、情報からも疎外され、あらゆる決定権を奪われて生きなければならない女性たちのために、カーターは地球規模の社会変革を訴える。
カーターは人権の推進のために、自分の知名度と世界に広がるネットワークを活用してきた。それが力を有する者の責任であると強く信じている。おりしもアメリカ大統領選挙のニュースが、世界の注目を集めている。アメリカ大統領が選ばれるまでの長い時間と、そこに注がれる莫大なエネルギーが、アメリカ大統領の責任の重みでもある。カーターは大統領の任務を果たしたあとも、さらに固い信念と開かれたリベラリズムで、女性の権利を擁護する活動に取り組んでいる。
カーターは希望を語る。一朝一夕に世界が変わるわけではなく、女性が踏みにじられ犠牲になる環境が、発展途上国にも、アメリカにもあることに対するカーターの嘆きは深いが、女性たちのリーダーシップが発揮され、女性どうしの連携がその地域全体の生活の向上につながった数多くの成功例が、カーターの信念を支える。意見の分かれる問題も含まれるにもかかわらず、本書が共感を呼ぶのは、あらゆる人に対する敬意をカーターが忘れないからだろう。良心とは何か、という問いに対する一つの答えが、本書にある。

著者プロフィール

第39代(1977-81)米国大統領。
1924年ジョージア州プレインズ生まれ、その近郊の農場で少年時代を過ごす。
1962年、民主党からジョージア州上院議員に当選。1971年ジョージア州知事に就く。1976年、大統領選挙に当選。
その後は妻のロザリンと共にアトランタに設立した財団カーター・センターを中心に、平和や人権問題などに関して世界的な活動を行っている。2002年ノーベル平和賞受賞。
著書に『カーター回顧録』(上・下、日本放送出版協会)、『ジミー・カーターのアウトドア日記』(東急エージェンシー出版部)、『平和を語る』(近代文芸社)、『老年時代』(日経BP社)、『海のかいじゅうスヌーグル』(絵本、石風社)など多数。

「2003年 『少年時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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