江戸のジャーナリスト 葛飾北斎

著者 :
  • 国土社
3.06
  • (5)
  • (7)
  • (27)
  • (8)
  • (3)
本棚登録 : 233
感想 : 29
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784337187641

作品紹介・あらすじ

世界に誇る超有名人、浮世絵師・葛飾北斎とはどんな人物か。『富獄三十六景』がパスポートに、ビッグ・ウエーブこと『神奈川沖浪裏』が千円札に登場など、今も人気の北斎。情報の限られた江戸時代に、広く日本の外へも関心を向け情報収集し、90歳まで絵筆を執った超人北斎の、真の姿をあぶりだしたノンフィクション。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 葛飾北斎の辞世~人魂で 行く気散じや 夏野原 | WEB歴史街道
    https://shuchi.php.co.jp/rekishikaido/detail/5032

    江戸のジャーナリスト 葛飾北斎 :千野境子 - 国土社
    https://www.kokudosha.co.jp/search/info.php?isbn=9784337187641

  • 北斎のことを知るのに良い本。
    作者の北斎への愛を感じます。愛があるぶん、どこまで公平な目で見ているのかは、勉強不足でまだわかりませんでした。

  • 一途な北斎の伝記的物語。北斎の絵を傍に再度読みたい。

  • 『感想』
    〇著者の葛飾北斎愛を感じる作品。事実をもとに良い解釈をして葛飾北斎を高めている。

    〇北斎の作品の説明があるが、肝心の作品写真がないから具体的にはわからない。北斎の作品を見たいという欲望にはかられるが、本を読みながら満たせないのがもったいない。

    〇歳を重ねてなお自分を高めようという意識を持っているところは素晴らしい。そして更なる高みに登るために長生きしたいと願うなんて。人は満足したら終わりなんだな。

    〇江戸のジャーナリストというのは言い過ぎでは。

  • 〇面白かった!北斎の姿や活躍ぶりが浮かび上がってくるよう。本文中に紹介されている作品を観にいきたくなる。とりあえずデジタルアーカイブで;
    北斎のまわりの人々も興味深い。日本と世界の情勢も書いているので、時代の空気も感じられた。
    晩年の様子をみると、人々に愛されていたのだなあと。
    ヤンキーな孫息子の行方が気になる。。
    あと、お栄さんの生涯も知りたい。

    北斎の生涯と仕事と北斎を巡る人々。

    ・2020、新パスポート→『富岳三十六景』
     2024、新千円札→『神奈川県警沖波裏側』
    ・90歳で亡くなるまで、生涯現役の絵師
     約三万点の総作品数。未発見、存在さえ知られていない作品もある。
    1・北斎を探る旅。
      小布施「北斎館」…ジャーナリストの目。鷹の目とアリの目。
    2・生い立ち・浮世絵師への道
      江戸:本所割下水→貸本屋のご存知→浮世絵師・勝川春朗(兄弟子のいじめに遭い、出奔する)→葛飾北斎
    3・家族と暮らしぶり
      結婚二回、二男四女。三女お栄の才能と暮らし。とんでもない孫。引っ越し魔安どゴミ屋敷。弊衣粗食。貧乏の理由。
    4・海外への好奇心
      中国、オランダ、琉球、朝鮮。
      シーボルト。
      西洋画法、西洋風風景画、プルシアン・ブルー
    5・北斎漫画
      「虫の目」
      『北斎漫画』とシーボルト
       … 『NIPPON』の『北斎漫画』、ライデンの今
      北斎と印象派、北斎とゴッホ
    4・生涯通しての現役絵師
      画狂老人卍
      横須賀での雲隠れ
      版画から肉筆画へ
      四度もの小布施行
      …高井鴻山が老年の北斎を迎える。人々も北斎に好意的。
      …東町祭屋台・上町祭屋台の天井絵←チーム北斎
    7・最晩年の日々
      絵手本『画本彩色通』←絵の指南書
      『地方測量之図』←おそらく絶筆
      『富士超龍図』
      北斎の死 お栄のその後
    8・北斎を復活させたロシア人
      帝政ロシアの海軍士官:セルゲイ・キターエフ
      プーキシン美術館の女性学芸員:ベアタ・ヴォロノワ
    巻末資料「年表 北斎とその時代 日本と世界の主な動き」 

  •  図書館の新着コーナーで手に取った。
     肩肘張らずに葛飾北斎について学べる良本だ。著者自身がジャーナリストであり現在も産経新聞客員論説委員を務めるという。
     北斎は1760年に現在の千葉県で生まれ90歳まで生き、ほぼ生涯現役で画狂老人卍として絵を描き続けたという。恥ずかしながら「富嶽三十六景」しか知らなかったが、「北斎漫画」を見てみると、その写実性が現代のいわゆる「漫画」に通ずるものがあり感慨深い。ただ、北斎の「漫画」は「気の向くまま漫ろに描いた絵」という意味とのこと。この絵を見た当時の西洋人の好奇心を引いたのも頷ける。
     新たな発見をくれた一冊だった。

  • 北斎の生涯について簡潔に追っており、北斎死後も、世界で受け入れられたことなどが紹介されている。

    基本的な北斎の情報の暮らしや絵師として、いろんな技法を試し取り入れたことは知っていたが、海外からの注文で絵を描いていたことや、孫に苦労させられたエピソード、ロシアで、ヨーロッパとは別経由で北斎について知られていたことなどが知ることができた。

    北斎の海外への関心の高さと、社会の風俗を描いていることから、著者は、北斎を江戸のジャーナリストと呼んでおり、ジャーナリストである著者の贔屓目と感じると同時に、北斎好きであることがよく伝わってきた。

  • 生き様を読むことで、いままで自分の中でただの歴史上の人物としか認識してない葛飾北斎が、妙にリアルにそして人間として自分の中に入ってくることを感じた。
    93回の引っ越しには驚いた。絵を描く以外には無頓着であること、別の偉人にもそんな特徴があった気がする。ひとつのことに没頭するうらやましさを感じた。

  • 第68回(2022年度)青少年読書感想文課題図書  
    小学校中学年の部

    「世界に誇る超有名人、浮世絵師・葛飾北斎とはどんな人物か。『富獄三十六景』がパスポートに、ビッグ・ウエーブこと『神奈川沖浪裏』が千円札に登場など、今も人気の北斎。情報の限られた江戸時代に、広く日本の外へも関心を向け情報収集し、90歳まで絵筆を執った超人北斎の、真の姿をあぶりだしたノンフィクション。」

  •      ―2023.03.12.読了

    小布施の「北斎館」へ、一度行ってみたいネ。

全29件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

産経新聞社でニューヨーク支局長、女性初の外信部長、論説委員長などを歴任、現在客員論説委員。東南アジア報道で1997年度ボーン上田記念国際記者賞受賞。児童書・YA向け図書に「アメリカ風だより」(第32回青少年読書感想文コンクール課題図書)『紅茶が動かした世界の話』(第23回読書感想がコンクール課題図書)『なぜ独裁はなくならないのか』(以上国土社) 一般向けに『インドネシア9.30クーデターの謎を解く』(草思社)など多数。

「2021年 『江戸のジャーナリスト 葛飾北斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

千野境子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×