ぼくたち、ロンリーハート・クラブ (おはなしプレゼント)

  • 小峰書店
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784338170048

作品紹介・あらすじ

世のなかには、手紙がひとつもこなくて、話す相手もいない、コドクな人がたくさんいます。トールとなかまたちは、「ロンリーハート・クラブ」をつくり、さびしい思いをしている人のために活動をはじめました!スウェーデン発、ほのぼのあったかストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙を見るとわかるように、小学校の高学年だと思われる仲良し4人組が、近所で「コドク」に暮らす人がいるのでは?と気づき、その寂しさをまぎらわせるのに自分たちで何かできないかとあれこれ考えて「ロンリーハート・クラブ」を結成し、計画を実行するというストーリー。

    でもまず、小学生だけでどうやって「コドク」な人を見つければいい?4人はまず外へとび出し「コドク」な人を探しはじめる。でも見知らぬ小学生からいきなり「あなたはコドクですか?」と言われれば、たいていの大人は怪訝に感じたり怒ったりすると思う。人はたとえ孤独だとしても、他人に真正面から「コドク?」と問われれば、否定したくなるのは当たり前。
    だったらどうしたらいい?それなら、大人自身から「ああ、実はコドクなんだよ」と語らせるような聞き方と話し方をすればいい。…

    こう書いてしまえば簡単なようだけれど、4人の行動は時には「オイオイ、ちゃんと結果のこと考えてる?」とか「ちょっと待て!他人に踏み込みすぎじゃない?」とか、実にハラハラするような展開もある。
    でも、子どもたちは悪気があってやっているんじゃない。それに気づいたコドクな大人は子どもたちに少しずつ心を開き、自分の孤独さを話し始める。そして最後にはそのような子どもと大人を神様がちゃんと見ていたかのように、ハッピーな展開が訪れる。

    最近では子どもたちに対して「うるさい」とか「何もわかってないくせに生意気だ」とか、その実際の中身をじっくり見ることをサボって無下にその言動を切り捨てる大人が目立つ。
    でも、いくらコドクで心が閉じかけようとしている大人だとしても、子どもの声や表情にじっくり向かい合える心の余裕さえ失っていなければ、この物語のように心を満たしてくれるものにいつかは出会えるはず。そう信じたい――そう感じられるような、いい話だった。

    大人の私も、小学生の時に“こち亀”で目にした、遊び回っている小学生がはずみで自転車ごと両さんにぶつかって来た時、両さんが言った名セリフ「ガキは元気で上等!」の精神を忘れないようにしている。

  • 小学校の国語の副読本のために書き下ろされた作品ということで、おっぱいもキスもでてきません。子どもたちはみんな優しいいい子たち。孤独をキーワードにしてつながる子どもと大人たち。なるほど、孤独って年代を超えて理解しあえる共通言語かも。年取ったときの副読本にしようかな。

  • トールは友達と四人で、孤独な人をなぐさめる会をつくった。まうは孤独な人を探しにいこう。薬屋の前にいた人にきいてみた。おじさんは孤独じゃないですか?

    (『キラキラ子どもブックガイド』玉川大学出版部より)

  • 孤独って何だろう?現実にしてみれば余計なお世話かもしれない。それを受け入れてくれた大人の懐の深さってことか。

  • 「外国の本っておもしろい! ~子どもの作文から生まれた翻訳書ガイドブック」の「1. 外国のくらし」で紹介されていた10冊のうちの1冊。

  • 孤独なひとを助けてあげようと思いつく4人組

    おせっかいな気がするけど
    見事孤独な男女をカップルにすることに成功する

    いい子たち

  • 大人の眼から見れば、なんておせっかいな子どもたち!ってことになるだろうが、ユーモアと子どもの無邪気さで押し切られてしまい、頭を掻きながらもしょうがないなぁ…って言わせてしまうストーリー。子どもたちの自由な発想と行動がふと羨ましく感じたりもする。

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著者プロフィール

スウェーデン、ストックホルム生まれ。現代スウェーデン児童文学を代表する作家。リンドグレーン賞などさまざまな賞を受賞していて、日本でも多数の作品が翻訳されている。著書に『おじいちゃんの口笛』(ほるぷ出版)、『シロクマたちのダンス』『夜行バスにのって』(偕成社)、『ちいさくなったパパ』(小峰書店)、『パパが宇宙を見せてくれた』(BL出版)などがある。

「2024年 『難民を理解する絵本(全2巻)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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