- Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
- / ISBN・EAN: 9784338202046
作品紹介・あらすじ
1974年8月7日、完成間近のニューヨーク・世界貿易センターのツイン・タワーの間を、綱渡りした男がいた!若き大道芸人・フィリップ・プティが地上400メートルの高さで繰り広げるパフォーマンス。いまはなきタワーの思い出として、人々の驚嘆と喜びを描いた迫力ある絵本。2004年コールデコット賞ボストングローブ・ホーンブック賞「絵本部門」受賞。
感想・レビュー・書評
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世界貿易センターのツインタワーの間に、夜、友人に手伝ってもらってこっそり綱を張り綱渡りをしたフィリップ・プティのお話。1974.8.7のこと。凄いな。最後は警官につかまって裁判にかけられたけど、判決は「公園で子どもたちのために綱渡りをすること」だって。粋だね。迫力のある絵。
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存在を知ってから6年、ようやく読めた。
こんなお話だったんだ。
色んな感情が入り混ざって言葉に出来ないや。 -
大道芸人フィリップ・プティの今は無きツイン・タワーでの前代未聞の綱渡りの顛末が描かれた絵本です。
故郷パリのノートルダム寺院で高所綱渡りを行った彼は、ニューヨークでも同じことを考えました。
建設作業員に変装して忍び込み綱を通し、そして夜が明けて…!
侵入を含む様々な違反があったはずですが、人々に与えた夢の方が罪を凌駕していたために裁判官の判決も前代未聞のものとなりました。
ツイン・タワーの破壊という大事件は記憶に残りますが、良い偉業も色褪せずに時空を超えるものです。 -
絵本のカテゴリーに入れてしまうと子供向けと思われそうで、そこが惜しくてたまらない。
お話し会用に、他図書館から借り受けた一冊。
手に届くまで待つこと十数日だったけど、待った甲斐もあったというもの。
大人の皆さんにもおすすめの作品です。
爆心地を「グランウンド・ゼロ」と呼ぶのは知っていたが、2001年の9.11の崩壊現場もそう呼ぶらしい。
なんともありがたくない呼び名だが、9.11を思うときはこの本を真っ先に思い起こすだろう。
今は無き、ニューヨークの世界貿易センタービルに綱を張り、地上400メートルの高さで綱渡りをした男の実話なんである。
1974年8月7日、フランスの大道芸人フィリップ・プティがそれを成し遂げた。
いや「成し遂げた」というのは妥当な表現とは言えない。
当時は建設中のビルディングであり、彼は夜間に忍び込んで(不法侵入)
友人たちと力を合わせて綱を張り(一度失敗しているから器物損壊罪かな)、夜明けから約一時間ものあいだ綱渡りをしている(騒乱罪?)。
一般常識の善悪の秤にかけたら、間違いなく悪の部類に入るのに、なぜこんなにも感動を呼ぶのだろう。
俯瞰する大きな見開きの挿絵が折込になっていて、横に、縦に、広がる。
ここだけでも、この本を読む価値がある。
フィリップになりきって綱渡りをする、なんという、強い訴求力の絵だろう。
世間一般の価値観でなく、困難があっても自分で考え決断し、夢を精一杯追い求めた。それを支える友人もいた。
感動を呼ぶのは、それが結果的に多くのひとに希望を与えたからに他ならない。
逮捕されたときの彼と、取り巻く人々の表情、「粋なはからい」をした裁判長の顔。
それらが、雄弁に物語っている。
彼のしたことは、まさに夢のような快挙なのだ。
この話は本人の自伝もあるし、ドキュメンタリー映画にもなっているらしい。
テロの標的になり多くの命が失われたたことで、とかくセンチメンタルに流れがちなセンタービルの懐旧。
だが、その上で鳥のように自由に舞った存在も確かにあったのだと、子どもたちに伝えてあげたい。
約12分。高学年くらいから。でも大人もぜひどうぞ。 -
2001年9月11日に同時多発テロの標的になり崩れ去ったニューヨークの世界貿易センタービル、その二つのタワービルに綱を張って綱渡りをしたフランス人男性の勇気と暴挙(!)を追憶の中に綴った美しい絵本。
最後のページで思わず涙が溢れてしまう。泣かずに読み聞かせをする自信がないので、子供たちに紹介したくても出来ないというジレンマに苦しんでいます。 -
この絵本大好きです。
こんなことが本当にあったなんて!と何度読んでも楽しいです。
歴史あるビルが悲惨な事件のために失われた…というこれもまた信じがたい事実ですが、9.11の事件がこの物語をはかなげなものにしているように思います。
4年生に読んでみたら、「ええー!ほんまなん?!」という驚きの声!9.11のことは意外と多くの子が知っていました。
季節…夏休み明け〜9月 綱渡りをしたのは8月
対象…4、5年生〜
内容…実話 ドキドキ わくわく -
9'00"
ニューヨーク世界貿易センタービルの間で
綱渡りをした大道芸人の話
折りたたまれた部分を開くと
遠近感がさらにあり
すごいことがよく分かる
最後にはビルはもう無い事も書かれているが
現代の子たちはテロの事を知らないので
説明が必用。
9月の読み聞かせでも使える。
高学年向き -
姪っ子に送った絵本シリーズ(備忘録)
「ここには、ぼくひとり。なんて幸せで、自由なんだろう」 -
忘れもしない、2001年アメリカ同時多発テロ事件により崩壊したニューヨーク世界貿易センターツインタワー。
このタワー間を綱渡りした人がいたとは。
感慨深げに読み終えた。 -
子どもには、わくわくする綱渡りのお話。
大人には、最後の二ページで9.11を思い出させるお話。