- Amazon.co.jp ・本 (39ページ)
- / ISBN・EAN: 9784338274029
感想・レビュー・書評
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バランスや筆使いなど実践に役立つヒントがたくさん。書写の教科書に出てくる、習字の基本が紹介されている。
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1が書の魅力を知ってもらうためなら、この2は実際に筆で書いてみるための入門編。
でもいわゆるお習字と違って(今の学校で習う書道の事情は違うのかも?)、まず筆に慣れること、難しいことは考えずに描くことから。
自由に絵を描くように自分で絵文字を作ってみる。次は文字を書くのだけど花押(今でいうサイン)を作ってみる。一見遊んでいるようだけれど、戦国時代の武将の花押の紹介や昔から文字絵(へのへのもへじの類)があったようにみんな文字で遊んでた紹介があったりと、書道だからとかしこまらないように進めていく。
後半になって始めて書道っぽくなってきて、縦と横の筆づかいに起筆・送筆・収筆やハネ、ハライ、点といった筆運びの説明が始まる。次は文字として整えるコツ、横方向は平行で右肩上がりを等分割に、字の中心線を意識する、書き出しの部首でゆがんだときは残りの部分でバランスを取る挽回法などの基本的な注意点が紹介される中、筆順の意味といった何故そうなっているのかの理由も解説。意味もなく書き順覚えさせられてるわけじゃないって知るだけでも、やる気が変わってくると思う。
あとがき(?)で筆者の角田先生は、いわゆる学校書道のお手本がかっちりした楷書体だけであることに疑問を投げかけている。もっと自由にしなやかな筆書体や行書体があって良いのでは、と。確かにがちがちに緊張しても良いことないのは何事も同じ。でも自由に書けと言われると途方に暮れてしまう子もいるだろう(わたし自身がそうだった)から、学校教育ではその塩梅が難しいのだろう。お手本通りの学校と自由や個性を問う親との板挟みを思い出した。