趣都の誕生: 萌える都市アキハバラ

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344002876

作品紹介・あらすじ

趣味が都市を変える力を持ち始めた。

感想・レビュー・書評

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  • ハード/ソフト、個室/都市等の境目を完全にシームレス化する、読んで納得のオタク論・都市論。

  • ふむ

  • 15年とちょっと前の本で、秋葉原がいかにして家電やコンピュータの街からオタクの街に変わったかという話。

    なかなか読みごたえがある本だったと記憶する。あと、カラーページの20年ほど前の秋葉原の写真は歴史的に貴重。

  • 東2法経図・6F開架:726A/O38m//K

  • 【要約】


    【ノート】

  •  古本屋で発見し、タイトルに惹かれ入手、即読み。
    少々言い回しが・・見た目ごつさの割にあっさり風味の記述で、やや物足りず。単純に、懐かしアイテムの登場に喜びながら読んだ。色々思い出すものである。アキハバラを40年近く知るものとして、その変遷には大きな興味を持っているが、筆者の視点は若干表層的。都市論なのでオタクねたを掘り下げる必要はないが、ついついそっち方向のネタを求めてしまう。

  •  正直、テーマである「オタク趣味」と「建築」を結びつけることには、成功している気がしない。しかし、そこにいたるまでの考察の一つひとつはなかなかおもしろいものがある。(かなり牽強付会ではありますが)
     たとえば、2章「なぜパソコンマニアはアニメ絵の美少女を好むのか」では、「8色とか16色しか使えなかったような頃から、画面にアニメ絵の美少女を描こうとさまざまに工夫を凝らしてきた」ことに注目している。世界中にコンピュータオタクは同時発生的に出現しただろうに、なぜ日本ではパソコンと結びついたのだろう……とか、興味が尽きないポイントだ。ま、その結論(先端技術や、世界標準たるアメリカのシステムに対する征服欲)はバカバカしいが。だって、そのころ美少女を描くのにMSベーシックだのwindowsだのくされたシステム使わなかったもんよ……美少女ゲームは国民機<NEC-PC98>の文化です。
     また、オタクの部屋が「魔窟」化する現象に対する考察でも、「著者が男子高校生の個室に関して行った調査でも、部屋の電子機器の数量と清掃頻度には、負の相関が統計的に見受けられた」なんてウケる記述があったり。(これも結論はどうかとは思うけどね……)
     写真をもとに、渋谷の建築物がどんどん透明化する傾向にあり、反対に秋葉原ではどんどん窓がなくなり、巨大なアニメ美少女の一枚絵をつるし、外界と遮断される傾向にある……と論じるところなどはおもしろい。(その後、秋葉原にもガラス張りのビルが建ちましたが……)
     納得いくか行かないかはともかく、「オタク」の切り口として、新しい手法を開発したという点で(ばかばかしくもありつつ)興味深いと思う。

  • 都市形成と人格傾向との関係性と成り立ち。
    建築学から秋葉原を観る一冊。
    「萌える趣都」とは、言い得て妙。

  • アニメに関心があるのはもちろん、そして「まちの成り立ち」の本にも関心があるので手に取ってみました。
    他のアニメについての評論が書かれた本にもあった「日本のアニメキャラクター=性的」というのがこの本にも書かれていましたが、一番この本がコレについて分かりやすい説明だったと思います。
    また、秋葉原と渋谷との比較はなるほど~と思いました。電気街から始まり、なぜオタクの街へと変貌を遂げたかが本当に詳しく載っていたと思います(^_^)
    地理的な要因は全く関係なく街が形成されていったとあり衝撃を受けました。秋葉原侮りがたし、と本気で感じました(笑)

  •  ビジネスマンはオフィス街に集まる。例えば大手町は典型的なビスネスマンの街である。それは彼らの社会的な身分や役割によるものだ。ところが秋葉原全くことなる仕組みでその個性を獲得している。その現象を著者は個室空間の都市への延長の結果であると述べている。もっと大胆に侵食といってもいいかもしれない。秋葉原はその歴史上マイナーな人格の都市的な偏在をもたらしていた。具体的にはパソコン販売の導線の大本であったという点である。大手商業資本、広告代理店からコントロールされたくないという心情をもつオタクたちは必然的にマイノリティである。マイノリティかつ消費者である彼らのその特性ゆえに、秋葉原はこれまでと違ってコマーシャリスティックな大衆的な開発を再帰的に受け入れないものとなっていった。当初は決して意図したものではなく自然発生的に個性を獲得していった秋葉原という趣都を誕生させた。世界的には秋葉原があたかも大昔から連綿と続いてきた歴史あるアニメ・漫画好きの聖地であると認識されているが、実際には97年以降のことに過ぎない。この事実から考えられることはなにかというと、こういった物語をつくることが、海外の注目を日本に向けるための重要事項であるということだろう。たとえ後付の設定でも、それが幻想だとしても魅力あるものとして多くの人間に受容される方法論がいま求められている。

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著者プロフィール

1971年生まれ。明治大学国際日本学部准教授。2004年、ヴェネチア・ビエンナーレ第9回国際建築展日本館コミッショナーを務める。

「2014年 『アーカイブ立国宣言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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