腐った翼: JAL消滅への60年

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 199
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344018495

感想・レビュー・書評

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  • 下手に処方箋を示していないのが良い。処方箋があったら誰も苦労しないのだから。
    しかし半官の会社は東電とイメージが被るなぁ。

  • JAL関連の本はいろいろあれど、これは時系列で財務面から迫った書。深く理解するには政界からの干渉の歴史を解説した本や労働者の立場からの本を読まないと全体像はつかめない

  • (欲しい!)

  • 「腐った翼―JAL消滅への60年」を読んだ。

     JALの組織体質がいかに不健全であったかを知ることが出来る作品。


     政財界との癒着、派閥争いや労働組合との調整不良による内部分裂、巨額の簿外債務の隠蔽、経営改善計画の先送り…

     危機感の欠如、責任の放棄。これは日本社会の縮図といえるかもしれない。


     巨大組織の腐敗は、いくら高学歴で「優秀」な人材が集まっても起こる。

     組織、そしてそれを構成する個人の倫理観について、今一度問うてみるべきではなかろうか。

  • なるほど、企業はこうやって衰退するのかという見本のような腐りっぷりである。政官が一体になって食い物にしたとしか思えない構図が明らかに。山崎豊子の『沈まぬ太陽』では英雄視されていた伊藤会長が、本書では現在の破綻に繋がる最悪の意思決定をしたことに。JALはもう少しまともになったら乗る予定。

  • 経営破たんした日本航空の歴史、そこに至った理由等を紐解いた内容は興味深く読むことができた。

  • 一時期書店から消えた本書が再び注目棚に登場。栄光のナショナルフラッグ鶴のマークのJALが還暦の60年目に落日を迎える。奢れるものひさしからず。2010/10/11

  • ひどい話。

  • 危機感のない経営陣。そのお家芸が内紛。国が守ってくれるから、赤字を隠しても大丈夫とでも思っていたのか。潰れて当然の企業に、税金投入を決める国の罪も責められるべきだ。

  • +++ ヒットしたフレーズ +++++++++++++++
    ●古いJALの社内には、戦後の空白期間に出遅れた分を取り戻し、世界の空に打って出るという気概が満ち溢れていた。企業に限らず組織は一つの目標に向かうとき、自然にまとまる。
    ・「伊藤さんは、それまで先鋭的な組合活動で左遷されてきた人をなぜか逆に取り立てた。左遷された人たちを重用すれば、その人たちは喜ぶでしょう。しかし、彼らはそれなりの理由があって左遷されている。そこを考えないので、やはりこの人事はおかしい、となっていった」
    ●権力奪取には批判がつきものだ。成功のカギはつまるところ、それでもなお、この人に経営を委ねるべきだという流れができるかどうか、だろう。求心力などと呼ばれるそのパワーや魅力があるかどうか、に尽きる。
    ●一概に外部委託がいけないというわけではないが、人間のすることだけにやる気や意識の問題を無視できない。とくに整備士には職人気質のプライドがある。

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著者プロフィール

森 功(もり・いさお) 
1961年、福岡県生まれ。ノンフィクション作家。岡山大学文学部卒業後、伊勢新聞社、「週刊新潮」編集部などを経て、2003年に独立。2008年、2009年に2年連続で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞」を受賞。2018年には『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』で大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞受賞。『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』『官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪』『ならずもの 井上雅博伝――ヤフーを作った男』『鬼才 伝説の編集人 齋藤十一』など著書多数。


「2022年 『国商 最後のフィクサー葛西敬之』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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