- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344018693
作品紹介・あらすじ
10年前に逝った妻子への贖罪の想いを抱え、世間の片隅で密やかに生きる、日雇い労働者の日高。彼が身を寄せる「貴風荘」の家主・ハナさんが倒れたことから、その日常に波風がたち始める。ハナさんの命にまつわる親族たちの思惑、偶然知り合った若い母親による息子の虐待致死疑惑。ふたつの「死」に疑念を持った日高は、意志とは裏腹に、それぞれの人生に関わっていく。そして、「真実」に触れたとき、日高の心に訪れたのは…。ベストセラー『償い』の"ホームレス探偵"が、哀しき人々を取り巻く謎に迫る、感涙のミステリ。
感想・レビュー・書評
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『償い』の続編。
10年前に逝った妻子への贖罪の想いを抱え、世間の片隅で密やかに生きる日高。ホームレスから日雇い労働者となって、ハナさんという老齢の女性に気に入られ、彼女が家主の「貴風荘」に身を寄せている。
このハナさん、不動産経営に辣腕を振るっていたというから人を見る目もあったのでしょう。ほとんど無償で日高を住まわせてやっているし、他の住人にしても同じような扱いだとか。他の住人達と共に、つつましく穏やかな日々を送る日高。
ところがハナさんが倒れたことから、その日常に波風がたち始める。
ハナさんをめぐって巻き起こる遺産相続問題。
偶然知り合った若い姉妹による息子への虐待致死疑惑。
日高も巻き込まれ、それぞれの人生に関わっていく。
そしてラスト・・・なるほど「償い」からの「赦し」。
これを読まずして終わってちゃいけませんね~!
続編があることを知って読めてよかった~~!!!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
色々な出来事が起こって、この先どうなるんだろうと思いながらおもしろく読んだ。読みやすかったけれど、結局この話は何を伝えたかったのかなと思うと、よくわからない。主人公の過去も、大家さんの過去も、一美や冬美の過去も、みんな深掘りされていない感じがして、不完全燃焼気味。誰か一人にもっと焦点を当てて、その心理を描いてくれたらもっと良かった気がした。
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日高
医師
何だろう、一気に読んでしまいました。 -
生きることが償いではなかったのだろうか。
開放されることで赦されるのは、前作の流れを逆らうものに感じる。事件も広がりがイマイチで消化不良。 -
『償い』から10年後、日高はハナさんという老齢の女性が管理する離れで暮らしていた。
日雇いで得るわずかな稼ぐぎを元にした、つつましい暮らし。医者だった過去を隠していても、聡明さはそこはかとなく香っていた様子。
ハナさんの周囲でおこる遺産相続問題、偶然知り合った若い親子と姉妹に絡む殺人事件。
日高が動くことで、解決へと進んでいく。
償いの続編。
日高の思慮深さは健在です。
長く日高を苦しめていた、妻と子への償いの気持ちが報われるような最後に、ホッとしました。
もちろん、救急車、間に合ってますよね?
そう願います。 -
一言でいうと、全体的に暗くて、なんかパッとしない話でしたね。
なんか、読みやすいんだけど、その分話が淡々と進んでいく感じ。
つまんないわけではないけど、たいして面白いわけでもない。
この作者のファンの人でなければ、特におすすめはしません。 -
8月-13。3.0点。
ホームレス探偵、再び。
大家の老女が倒れ、同時に男児殺人事件にも巻き込まれ。
双方とも、裏がありそうで、自然と?巻き込まれていく。
まあまあ。そこそこ読ませるかな。ページ数が短い。 -
元医者の日高英介は、妻子を亡くした責任を自分に課し、
日雇い労働をしながら、ひっそりと暮らしていた。
あるとき、ハナという老婆が日高の人柄を認め、ハナが面倒を見ている
老人たちの介護をすることを条件に、ハナ所有のアパートにタダで住まわせてくれることになった。
その老人たちがしばらくして亡くなっても、日高はそのまま、
アパートに居させてもらっていた。
ハナはたまに日高に差し入れをくれたり、食事に誘ってくれたりしていたが、
一緒に食事をしていたある日、ハナが脳梗塞で倒れた。
その日ハナが倒れる前に話していた内容は、日高が始めて聞くことばかりで、
かつて日高が介護していた老人たちは、ハナの異母兄弟だったという。
どういう理由で本人たちに秘密にしていたのか謎を抱きつつ、
日高は親族であろうその老人たちの娘たちに連絡を入れた。
連絡をするうちに、ハナには実は息子がいたことが分かる。
ハナの遺産をめぐり、何かが起きるような気がした日高だった。
遺産騒動に巻き込まれながら日高はもう一件、幼児殺害事件にも関わってしまう。 -
結局日高は妻子に何をしたのかわからなかった。