- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344022416
作品紹介・あらすじ
脚本家の鈴音は高校時代の友達・水絵と突然再会した。子連れの水絵は離婚して、リストラに遭ったことを打ち明け、1週間だけ泊めて欲しいと泣きつく。鈴音は戸惑いながらも受け入れた。だが、一緒に暮らし始めると、生活習慣の違いもあり、鈴音と水絵の関係が段々とギクシャクしてくる。マンションの鍵が壊されたり、鈴音が原因不明の体調不良を起こしたり、不審な出来事も次々と起こる。水絵の就職先はなかなか決まらない。約束の1週間を迎えようとしたとき、水絵の子供が高熱を出した。水絵は鈴音に居候を続けさせて欲しいと訴えるのだが……。人は人にどれほど優しくなれるのか。救いの手を差し伸べるのは善意からか、それとも偽善か。揺れる心が生む傑作ミステリー!
感想・レビュー・書評
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病める水絵のホラー感。
生理的に受け付けない
です・・・
櫛木さんの『侵蝕』を
彷彿とさせます。
転がりこんできた知人。
家に置いてあげて仕事
を見つけてあげて息子
の面倒まで・・・
その見返りに睡眠薬を
盛られ家探しされて、
あげくが逆恨みされて
罪悪感を植えつけられ。
そうやってつけこむ人
と、つけこまれる人の
関係式。
主人公の鈴音みたいに
おひとよしで、
言うべきことを言えず
なことがある私。
つけいる隙を与う以前、
そもそも水絵みたいな
人とは関わらんように
しよう、うん。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もしも、、、
10年前に会ったきり、新しい携帯電話の番号も教えていないので2年くらいは音信不通になっている高校時代の友人から
「夫から暴力を受けて離婚した。慰謝料も引越しで使いきってしまった。仕事もリストラされ、住む家も失った。頼れる親戚もいない。お願い。次の仕事が決まるまで子供と一緒に1週間だけ泊めて欲しい。」
と頼まれたらどうしますか?
私だったら、、、どうするだろ?
1週間だけ。幼い子供も連れている。
どうする?どうする?
独身で自宅マンションと、別に仕事部屋ももっている脚本家の鈴音は、嫌々ながらも水絵と7歳の耕太を受け入れる。
初日に水絵と耕太に買い置きの歯ブラシを2本渡す。次の日、「新しいの買ってきたの。だからこれ、どうもありがとう。」と水絵が手渡してきたのは、昨日使った歯ブラシの方だった。
…怖っ!
ん?どういう神経?
鈴音もどんどん水絵に対して違和感や嫌悪感を抱いていていくが、なかなか仕事が決まらない水絵に対して「出ていって」と強く言えない。
読んでいる間 ずっと嫌な気持ちにさせられる。
自分の良心が試されているような感じ。
また水絵が『罪悪感』を抱かせるのが上手い!
水絵と耕太を「これ以上は助けられない」と思うこちら側が悪なのか?と思わせるのが上手い!
本の紹介を読んだら これは心理サスペンスらしい。
でもね、最後まで読み切ったとき わたしには水絵の存在がホラーにしか思えなかった。
最初から最後までずーーーっと水絵にイライラさせられっぱなしだけど、それさえ我慢すれば1日でサクッと読み終えちゃいます。
『手を差し伸べるのは善意か、偽善か』 -
めっちゃ神経を逆撫でされた!不快さにため息まで出た。
シングルマザーが子供をつれて昔の知人を頼って居候する話。初めに感じた小さな違和感は最後まで解消されず。気持ちがささくれだつイヤな感じが見事に描かれている。 -
終始、いろんな意味でイライラする。
10年も会ってなかった友人の家に転がり込んで、しらっとしている水絵もイライラするが、それを断れない鈴音にもイライラする。
しかも、これと言う展開を迎えないまま、ラストに至る過程にもイライラ。
読後感がかなり悪い。 -
嫌なかんじと怖いかんじと、ヒロインに移入してしまう度合い、
移入しつつも「何しとんねん」って、ツっこみたくなるかんじと。
最後、種あかし的なことがあってもなお、ジワーっと怖くなるかんじ。
マジで故郷の同級生で、十数年会ってない、音信の無いようなヤツが
ふいに連絡してきたりとか、要注意だから。
ロクなことないなーーって思いを強くしました。
でも、このヒロインは悪いことばかりじゃなかった、とか思ってそう。
オススメです。 -
人を助けることと、助けられることは難しい…というのがよく分かる
一度助けられてしまうと、図々しくなってこれが当たり前と思ってしまう感覚、急に助けられなくなると冷たいやつだと思ってしまうというのは実際の生活でもあることかもしれない。
一方で、助ける側も難しい。
ずっと助け続けるわけにもいかないし、そこに責任が伴うと逃げてしまいたくなる。
助ける義理はないと割り切れないのがお人好しで、そこにつけ込まれてしまうこともある。 -
☆3.5。
えー、水絵が怖くて気持ち悪い。
結果何事もおこらなくてよかった。耕太くんがちゃんとした子で良かった。