わたしたちは銀のフォークと薬を手にして

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 184
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344031234

感想・レビュー・書評

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  • 装丁と、タイトルにも惹かれていた1冊。とても良かった。巻末に花言葉が載っていて、もしかしてその花が使われてるのか?と思ったらより美しく感じた!こだわりがすごい。
    『The恋愛小説』といったときめきや、誰かと一緒に過ごす苦悩を感じれたり。もし好きになった人がエイズだったとしたら。夫が重大な病気になったら、自分はどうするだろうかと考えたり。
    知世のセリフにはグッときたな。
    「なに一つ特別じゃない私の話をいつまでも飽きずに聞いてくれて、真剣に心配したり、絶対に傷つける言葉を使わずにアドバイスをくれたり。旅行すれば、楽しくて、なにを食べても二人一緒なら美味しい。初めてだったよ。そんな人」
    私もこういう人に出会えた(と私は思っている)から、今ある幸せをものすごく噛み締めたくなった。
    病気だからってただ暗いだけの話ではなくて、旅先で美味しい料理に舌鼓をうったり、バーや居酒屋で美味しいお酒を飲んだりと、食欲も掻き立てられる素敵な小説だった。夫と旅行行って美味しい物食べたい。
    主人公の妹は確かにムカつく存在だけど、一皮むけた?後の妹はちょっと憎めなかったな。私は母のが嫌い(笑)

    • れにさん
      読了お疲れ様です!グルメ小説(?)としても良い小説ですよね。自分もこの小説は面白かった記憶があるのですが、改めて自分のレビュー見てみたら結構...
      読了お疲れ様です!グルメ小説(?)としても良い小説ですよね。自分もこの小説は面白かった記憶があるのですが、改めて自分のレビュー見てみたら結構辛辣なこと書いててビックリしました(笑)メンタル調子悪かったのかしら(・_・;)自分も旅行行きたい&美味しいもの食べたい…。
      2023/09/27
    • おもちさん
      >れにさん
      れにさんのレビューも読みました!(笑)私はガッツリ「恋愛小説読みたい!」っていう気分かつ精神安定してた時だったから気にならなかっ...
      >れにさん
      れにさんのレビューも読みました!(笑)私はガッツリ「恋愛小説読みたい!」っていう気分かつ精神安定してた時だったから気にならなかったですけど、エイズであること以外は完璧な年上彼氏ですし、友達にも恵まれてるしで心が荒んでる時に見たら「( ゚д゚)、ケッ」って思っちゃいそうw
      私は知世の姉妹で区別されてることへの悲しさも知夏の親からの期待に無意識に答えちゃうとこも分かっちゃうな〜って思っちゃいました。
      2023/09/27
  • 読み始めてすぐ、この作品好きだなって思った。そして幸せな気分のまま読了。ワーカホリック気味の知世が惹かれたのは、バツイチでだいぶ年上の椎名さん。彼から持病があることを告白され、戸惑い、悩み、怖れる。その感情表現が繊細で惹きつけられました。著者があとがきで書いているように誰かと楽しく食事をしたり、旅をすることってハードルが高い。一緒に焼き鳥を食べてビールを呑んで楽しいと思える人、何一つ特別なことなんてない自分と向き合ってくれる人の存在はとても貴重で、丸ごと受け入れて一緒に歩いて行けるって素晴らしいなあ。

  • 知世と椎名さんは、相手の気持ちを尊重する優しさや穏やかさ、気配りができるところなど似ている部分もあって、お互いが惹かれ合うのも納得できるなと思った。二人の物語を読んでいると、あたたかな気持ちになれた。

    知世も椎名さんも、一人で生きていくこともできたかもしれないが、二人で楽しい穏やかな時間を共有して、不安な部分も一緒に乗り越えて支え合っていくことで、一人だけでは感じられない幸せを感じている様子が素敵だった。

    食べ物や旅行の話もたくさんでてきて、食・旅好きには満足。

    知世の友人や妹の物語もところどころに散りばめられていて、色んな形態の悩みが転がっているんだなと考えさせられながら楽しく読めた一冊。

  • 恋愛だけじゃなくて、それぞれの生き方考え方……心静かに動かされる感じ。こういうのも好きだった。

  • 独身の人、結婚してる人、彼がいる人、、
    どんな人もそれぞれの悩みを抱えているんだなと。
    結婚することが「正解」じゃない、子供がいることが「幸せ」じゃない、はずなのに、どうしてもまわりを気にしたり、世間体を気にしたりして、がんじがらめになってしまう。
    自分の今の悩みとも重なって、少し答えが見つかった気がした。
    自分の幸せは、「まわりから見た幸せ」ではない。形にこだわる必要もない。
    一緒にいたい人と食べたいものを食べて、幸せと感じられる瞬間があること。

    食べ物の描写がとても美味しそう。季節ごとに、美味しいものを求めて食事に行きたいと思った。

  • もっとドロドロ系かなと思ってたら
    以外と温かな恋愛小説でした
    終わり方もいい感じでした

  • 久しぶりの島本理生。
    30代でワーカーホリックな知世と、年上バツイチで難病を抱える椎名との恋模様。
    美味しいものを一緒に食べ、旅行に行き、穏やかに過ぎていく感じがとても素敵でした。

  • 島本理生さんの本は何となく自分と合わない気がして読んだことがなかったんだけど、いいじゃない!と思った作品。
    わりと重めのテーマも含まれる恋愛小説なんだけど、序盤に引き込まれてしまいするっと読めた。

    30歳の頃の仕事観、何かあればすぐ集まって酒を飲む女友達、恋愛が始まりそうな時の高揚感…。あーー私にもこんな自由な時代があったよなーとセンチメンタルな気持ちになる。

    椎名さんとの酒と食のシーンがどれも美味しそうで、それがとにかく良い。

    自分の幸せは自分で決めるもの。最後にはみんな幸せになれ!と思わせてくれた。

    読後…、実写化するならイケオジな椎名さん役は誰が良いかなぁ…?っという妄想が楽しい。
    読んで良かった。おすすめです。

  • 好きでした!
    島本理生さんの描く、優しくてどこかはかないけれど、ちゃんと男らしい男性が毎回好きです。
    短いお話が連作で続いていて、最後まで読みやすい(^^)

  • 読み始めたら止まらなくて一気読みした作品。
    大人になって、思考がぐるぐる渦巻いて身動き取れなくなることが増える。
    もう勢いではいけなくて、むしろ不器用になってしまう。傷付きたくないし傷付けたくない。
    大人の恋は余計なものがいっぱいついて、不格好で、でもそんな不器用さもいいのかもなと思える作品だった。

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。03年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。18年『ファーストラヴ』で第159回直木賞を受賞。その他の著書に『ナラタージュ』『アンダスタンド・メイビー』『七緒のために』『よだかの片想い』『2020年の恋人たち』『星のように離れて雨のように散った』など多数。

「2022年 『夜はおしまい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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