- Amazon.co.jp ・本 (519ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344035690
感想・レビュー・書評
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長かったですが、読み応えありました。茶室の中で繰り広げられる頭脳戦は、多くの人々の命が掛かっていて、利休自身の命も掛けているので必然と手に汗握りました。千利休が格好いいと感じてしまうほど、この作品に魅入りました。
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千利休は単なる芸術家ではなかった。信長、秀吉に仕え、茶の湯を通し、茶室での狭い空間で、秀吉とまさに自らの命をかけて、世の中を静謐に導くべく生き抜いた。
利休らの茶人達の果たした役割は、本当に大きいものであった。現代での単純な文化的側面に留まらず、殺し合いを続ける武将達への、当時の人間の少ない良心だったのかもしれない。 -
信長、秀吉の生涯と軌を一にしているので、主要な出来事を押さえるだけでもこのページ数になるのだろう。
裏の実力者感が前面に出ている分、利休の人間的な苦悩などは感じ取れない。 -
個人的にはいわゆる歴史小説の作家の中では当代一と思っている人の利休ものとあれば手に取らざるを得まい、という感じで。歴史ものだと最近はあまり人が取り上げないニッチな人物や時代を取り上げる人が多い印象でこの作者も初期は後北条家ものが多かった気がするがここに来てかなり骨太にいわば手垢のついた人物を取り上げられているように思う。利休なんかもそうで特にその死にざまが異様なだけにいろんな解釈の作品がある中で果たしてどんなふうに描いているのかという興味があったのだが...いやもう流石ですという他ないですね、史実はこうだったのでは、とすら思わせられた。革命的な天才である信長が武士の世の次を見越していわば文化で世を統べようと思い立ったその推進役として、また信長の思想をいわば丸パクリした秀吉の別の顔として活躍し自らの理想に殉じた男としての利休を見事に描いている。見事でした。面白かった。
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正当な歴史物という感じ。
視点も千利休一点、順を追って丁寧にかかれた印象。
ただ、私が豊臣秀吉をあまり好きでないので読んでいてどうしても楽しみきれないっていう、もうただの個人的理由ですが、そんな気持ちを漂わせながらよみました
2020.11.21
116 -
2020.11.09
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私が授業で習ったときの千利休て、もっとしたたかで策士だった記憶があるのだけど、凛としてて、一本気なとこがあるんだなーと興味深かった。
後半に入り、秀吉との関係性が変わってゆく様、秀吉との間の取り方。流石最後のフィクサーと言われるだけあるわね。 -
2020.9.12