茶聖

著者 :
  • 幻冬舎
3.75
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本棚登録 : 429
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (519ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344035690

感想・レビュー・書評

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  • 長かったですが、読み応えありました。茶室の中で繰り広げられる頭脳戦は、多くの人々の命が掛かっていて、利休自身の命も掛けているので必然と手に汗握りました。千利休が格好いいと感じてしまうほど、この作品に魅入りました。

  • 千利休は単なる芸術家ではなかった。信長、秀吉に仕え、茶の湯を通し、茶室での狭い空間で、秀吉とまさに自らの命をかけて、世の中を静謐に導くべく生き抜いた。
    利休らの茶人達の果たした役割は、本当に大きいものであった。現代での単純な文化的側面に留まらず、殺し合いを続ける武将達への、当時の人間の少ない良心だったのかもしれない。

  • 千利休の茶人人生を描く歴史小説。

    先に出版された「天下人の茶」で他者から描かれた千利休と豊臣秀吉の関係と茶事に対する姿勢を千利休本人視点でさらに深掘りしていると思います。
    「天下人の茶」を読んでいたので新しい発見はありませんでしたが、本人に語らせることでより明確に茶事と政との関係性とその将来展望がわかりました。
    漫画の「へうげもの」で知った丿貫の存在も大きく、嫡男紹安も詳しく描かれていて面白かったです。
    巻末の茶道具説明も勉強になりました。

  • 信長、秀吉の生涯と軌を一にしているので、主要な出来事を押さえるだけでもこのページ数になるのだろう。

    裏の実力者感が前面に出ている分、利休の人間的な苦悩などは感じ取れない。

  • 秀吉と利休の物語。通説などから大きな逸脱はない。
    秀吉の人物像、利休との関係性、利休の目的、秀吉の原動力、関係の破綻、死の理由、、
    秀吉は自分がどこまでいけるかという欲望に突き動かされる。
    利休は静謐を目的に行動する。キリスト教には反発、茶の湯への影響は描かず。
    表と裏、武を鎮める茶の湯。
    秀吉は茶の湯に興味を失う。能へ。
    互いが互いを必要とした関係が破綻、納得ずくの死。
    それがありきで死の理由がつくられた。
    意趣返しの切腹。

  • 個人的にはいわゆる歴史小説の作家の中では当代一と思っている人の利休ものとあれば手に取らざるを得まい、という感じで。歴史ものだと最近はあまり人が取り上げないニッチな人物や時代を取り上げる人が多い印象でこの作者も初期は後北条家ものが多かった気がするがここに来てかなり骨太にいわば手垢のついた人物を取り上げられているように思う。利休なんかもそうで特にその死にざまが異様なだけにいろんな解釈の作品がある中で果たしてどんなふうに描いているのかという興味があったのだが...いやもう流石ですという他ないですね、史実はこうだったのでは、とすら思わせられた。革命的な天才である信長が武士の世の次を見越していわば文化で世を統べようと思い立ったその推進役として、また信長の思想をいわば丸パクリした秀吉の別の顔として活躍し自らの理想に殉じた男としての利休を見事に描いている。見事でした。面白かった。

  • 正当な歴史物という感じ。

    視点も千利休一点、順を追って丁寧にかかれた印象。

    ただ、私が豊臣秀吉をあまり好きでないので読んでいてどうしても楽しみきれないっていう、もうただの個人的理由ですが、そんな気持ちを漂わせながらよみました

    2020.11.21
    116

  • 2020.11.09

  • 私が授業で習ったときの千利休て、もっとしたたかで策士だった記憶があるのだけど、凛としてて、一本気なとこがあるんだなーと興味深かった。

    後半に入り、秀吉との関係性が変わってゆく様、秀吉との間の取り方。流石最後のフィクサーと言われるだけあるわね。

  • 2020.9.12

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著者プロフィール

1960年神奈川県横浜市生まれ。私立浅野中学、浅野高校、早稲田大学卒業。日本IBM(株)入社後、おもに外資系日本企業の事業責任者を歴任。
著書に『戦国関東血風録 北条氏照・修羅往道』(叢文社)、『悲雲山中城 戦国関東血風録外伝』(叢文社)がある。
加入団体に『八王子城とオオタカを守る会』『八王子城の謎を探る会』『ちゃんばら集団剣遊会』『三浦一族研究会』等。
趣味 中世城郭遺構めぐり 全国合戦祭り参加 ボディビル エアーギター アマチュア・ウインドサーファーとしてソウル五輪国内予選に参加(8位) 「湘南百年祭記念選手権」優勝等各種レース入賞多数
*ご意見、ご感想等の連絡は下記のメールアドレスへ
jito54@hotmail.com

「2006年 『虚けの舞 織田信雄と北条氏規』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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