みがわり

著者 :
  • 幻冬舎
2.94
  • (1)
  • (25)
  • (55)
  • (20)
  • (7)
本棚登録 : 426
感想 : 28
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344036970

作品紹介・あらすじ

つまらない筋書きを断固拒否する。
これはわたしの物語。わたしの人生。

駆け出し作家の律は、自分と瓜二つの亡き女性の伝記を書くことに。
だが辿り着いた真実によって、律は窮地に追い詰められていくーー。

予測不能のラストに向かって疾走する傑作長編



逃げ出そうとしたときにはもう遅かった。

新人賞を受賞したものの小説を一冊も刊行できていない律は、ファンを名乗る女性から姉の伝記執筆の依頼をうける。
だがその姉は亡くなっており、生前の姿形は律と瓜二つだったという。
取材を進めるうち明らかになる姉妹の確執、家族の秘密。
律が開けた扉は、パンドラの箱だったーー。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 書評『みがわり』伝記執筆を引き受けた作家を描く重層的な分身小説|NEWSポストセブン
    https://www.news-postseven.com/archives/20210212_1634157.html?DETAIL

    【書評】『みがわり』青山七恵著 二転、三転のどんでん返し - 産経ニュース
    https://www.sankei.com/life/news/201213/lif2012130019-n1.html

    青山七恵『みがわり』 - 幻冬舎plus
    https://www.gentosha.jp/store/ebook/detail/10520

  • 年始一発目の読書。これはかなり面白かった。なんだろ、何度も何度も物語の中で迷子になる、ふわふわと漂いながら着地点を探してる感じ。そう、わけわからないの。なのに最後のオチであーって思わず唸った。創作なのか、史実なのか、伝記ってその狭間を行き来するんだろうな、そして、それが本当にあった話かなんて、読者には関係なく、登場人物以外、書かれてることが事実になるんだろうなーと。怖いね。こういうのわたしは好きだけど嫌いな人も多いだろな

  • 意外過ぎる結末に私の思考が追い付けませんでした。監禁あたりまでは引き込まれていたのですが、なにせラストが…。芥川賞作家さんの世界観というものは凡人が処理できる思考回路の遥か斜め上をいくもんだと痛感しました。のちに私がこの小説を思い出すとしたら『お抱え作家』『海の幸スパゲッティ』のキーワード二択かと。ほかの方の感想も是非拝見してみたいです。

  • なんとも頭の処理能力が追いつかない作品だった。
    律の支離滅裂な行動とか、登場人物たちのひっちゃかめっちゃかな関係とか、途中いきなりホラーみたいになってるところとか、オチも??ハテナだったし、私には到底理解し難かったです。ごめんなさい。

  • 初めてこの作家の方の作品を読みました。
    意外な結末。そうゆうオチか〜、、と想像していた方向と違って複雑な気分です。
    小説、物語を書くということがキー。百合と梗子が贈りあう想いや二人の描く物語を私は理解しきることはできませんでしたが、読み始めると止まらない疾走感があることは間違いありません!

  • 結構分厚いのに、夢中でペロリと読んでしまった。
    主人公の律のポジティブさにしょっぱなから魅了されて、チャールストンが得意なってなんだよ!こんなヒロインみたことねーよ!と思いながら、それがとっても嬉しい。
    最後にきて、最初に感じた「こんなヒロインみたことねーよ!」の理由が分かり、そーやったかーと思った。

    読み終わってなんとなく判然としなくて、この物語で青山さんが伝えたかったことってなんなんだろうなって考えてみた。

    百合ちゃんが律を必要としたのは、百合ちゃんにも梗子さんにもなれる視点が必要だったからだと思う。
    人の人生はよく物語に例えられるけど、誰の物語として語るかで、その人物像は全然見え方が変わるんだ。
    だから、百合ちゃんのことも梗子のことも描こうとする視点をもてる人が必要だったんだろう。

    それから百合ちゃんと梗子にとっては、物語はこれからの人生が描かれているものでもあった。
    最後、紗羅は未来が描かれないと生きていけない檻のようなものから母を救い出そうとするけど、でも彼女はある母の姿を見てそれをやめる(ように感じた)。
    なんでかなと思った。
    その前で彼女が駅で言ってたことにとても共感したし、そうだそうだ!お母さん連れ出してやれ!と思ったから。
    それはやっぱり、自分の物語は自分で書くしかないんだよってことなんじゃないかなって、今は思う。
    物語中、あんなに律に書いて書いてと頼んだ梗子が、自分で筆をとっていたこと。
    そこにすごく意味があるんだと思う。
    やっぱり自分の物語を書けるのは、自分の人生に意味を与えられるのは自分でしかないんじゃないか。
    紗羅は母にだってそれができるって、たぶん気づいたんだと思う。
    汚くてもきちんとできてなくても、それでも自分で描く人生に一番価値があるんじゃないか。
    なんか、そんなことを伝えたくて書かれた物語なのかなと思った。

    にしても、私は物語中の律が愛しい。
    ほんとにかわいいヒロイン。

  • 新人賞をとって作家デビューしたものの、その後は絵本を一冊上梓しただけで本を出せないでいる主人公。
    彼女に近づいてきたのはある裕福な若奥様。
    「あなたは死んだ姉にそっくりなんです」
    主人公は若奥様に姉の伝記の執筆を依頼される。
    取材する中で藪の中のあれこれが立ちあらわれ、主人公は幻惑されていく。

  • 構想としては面白かったけど、肝心の内容がいまいち。
    姉妹の関係性やお互いの心をもっと丁寧に書けていたら面白かったと思うのに残念。

  • おもしろい。
    新人作家の悲喜劇を読んでいたはずが
    探偵小説になり
    ホラーになり
    最後は
    すっかり騙されていたことに脱力する。
    殺人とか誘拐とか強盗とか
    バイオレンスなどなくても
    読む人をはっと驚かせることはできるんだなー。

  • 面白いけど、これは賛否両論あるだろうな。小説家デビューしたもののほとんど本を出せていない新人作家の律。ある日「熱烈なファンである」という女性に出会い、妙なお願い事をされる。著者の青山さんが芥川賞作家というのは後で知ったけど、納得。ちょっと捻った文体で書かれる律の存在が秀逸。好奇心旺盛だが気まぐれ、向こうみずで後先考えない「アホちゃうか」と思ってしまう言動。だが素っ頓狂で妙に憎めない魅力がある。ラストはこういうのもアリかなとは思うけど、そんなには好きでない。でも時々ふふっと笑える文章が面白くてイッキ読み。

全28件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

二〇〇五年に「窓の灯」で文藝賞を受賞しデビュー。〇七年「ひとり日和」で芥川賞受賞。〇九年「かけら」で川端康成文学賞受賞。著書に『お別れの音』『わたしの彼氏』『あかりの湖畔』『すみれ』『快楽』『めぐり糸』『風』『はぐれんぼう』などがある。

「2023年 『みがわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

青山七恵の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×