- Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344039605
作品紹介・あらすじ
「自分と妻」の死後の出版を条件に
執念で綴られた赤裸々な自伝
弟・裕次郎や妻と息子たちへの愛と感謝。文学・政治への情熱と悔恨。
通り過ぎていった女たちへの思慕と感傷。拭いきれない人生への未練と死への畏れ……。
ここまで書くことの是非を、読者の審判にすべて委ねて男は旅立った。
奔放で美しいシルエットを戦後の日本に焼きつけた男が
迫りくる死を凝視して、どうしても残したかった我が人生の真実
感想・レビュー・書評
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<画>
著者が死んだ後に上梓するという明確な目的をもって書き上げていた作品で石原の推敲は何度も経ている原稿である、という主旨の事があとづけに書いてあった。僕はまずそのあとづけを読んでから本編に取り掛かった。
一体にこの本が世に出る時は自分はこの世にはいない、ということを前提にするとどういう本が書けるのだろう,という疑問への一つの答えがここにはあると思う。石原程に有名な作家政治家ともなるとこの本を読む人の数も多大になる事作品なのだろうけれど。
前半に「本書を書き始めたのは20年ほど前の事」と書いてある。石原65歳の頃とも書いてあるから亡くなった89歳から数えると24年前となるのだろうか。時々時制がどこにあるのかが釈然としないところもあるが気にしないで読み進めた方が良いと僕は判断した。どの道これ一冊で大作家名政治家石原慎太郎の全部が分かるわけもなく。
いづれにせよいつ本書を書き上げた,もしくは書き下ろした のかは分からないが、亡くなる何年か前には書き終えていたのだろう。そして機会あるごとに推敲し その後の出来事や変化に沿うやうに少しくの手直しを繰り返して来たのかもしれない。 結論は「死ぬのはつまらん」という事みたいだ。
読み終えて思う事。時間が掛かっても良いので死ぬまでに石原の著作を全部読んでみよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んでいて、モラルハザード的に
オイオイ!とツッコミを入れたくなる箇所が満載なのだけれど
「死ぬのはやはりつまらない」
この最後の言葉は好きだなぁ。
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作家の文章なので、グイグイとは読めたけれど、女性に関してはずいぶんとひどいことをして来た人だと思いました。イラチでワガママな人だったと思う。繰り返す語尾の「なんとかであるが」も、誰か直してあげる人はいなかったのかと思う。
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先輩「おい、今日は石原さんの送別会に行くぞ」会場にて著者が「え~、私の人生、振り返ると仕事に対しても女性に対しても、いろいろありました。思えば幼少期には・・・」とお話された内容を文章にした本。あ~そんなことがあったんだと思うこともありますが、ちょっと間延びする場面も。伝記のような逸話や教訓のような話をもう少し期待していましが。
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歳を取り病気をし、死を控えた人間の心情をみれた部分が興味深かった。包み隠さず自身を暴露する内容に、その男の生涯を垣間見れた。
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題からするに、昭和の漢の生きた方を押しつけたような堅い本かと思ったら全く違い、若者と呼ばれる自分でも勉強になる本だった。
石原慎太郎氏の他の著書も読むのが楽しみである! -
熱く語ると周りに引かれる事もあるけど、「太陽の季節」は本当に良いです。予約待ちしていた物がようやく入りましたが、入院する時に「過去にどんな女を抱いたか」とかはどうでも良いので手放しました。
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「自分(=石原慎太郎)と妻が死んだ後に出版することを条件として出された本
自身の不倫遍歴の話は、奥様の死後にしか出せない類ではあろうが、正直、私にとっては、あまり興味をひかない話。
これ以外は特に死後出版にするほどの内容はないが、「あの石原慎太郎ですら死を前にして悟ることもなく、悩みの中にいるんだな」
と知れたことは自分自身の死生観にも多少の影響を与えると思う。
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自叙伝を評価するのは憚れるが、心にささる内容ではなかった。