- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344039674
作品紹介・あらすじ
あの猫も、この猫も、俳句の中で生き続ける。「猫俳句大賞」に寄せられた約3万句から、猫が可愛くて仕方ない、よりすぐりの299句。ゲスト審査員 町田康氏・新井素子氏・角田光代氏「猫俳句大賞」に寄せられた約3万句から、よりすぐりの猫俳句をお届けします。ゲスト審査員 町田康氏・新井素子氏・角田光代氏イラスト 丹下京子氏猫をテーマにした俳句を募った「猫俳句大賞」。第一回〜第三回に寄せられた約3万句から、よりすぐった299句を書籍にまとめました。ゲスト審査員によるエッセイ「猫と俳句」も収録。ダービーやテレビの前に猫二匹 堀本裕樹・選春暑し猫の開きに手術あと 新井素子・選何してもほめられてゐる子猫かな 堀本裕樹・選去年今年猫は髭から眠るもの 角田光代・選
感想・レビュー・書評
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(2023/12/18読了)
図書館の短歌の書架を見ていて、隣の俳句の書架に見つけた本。猫に特化したということで、大の猫好きなので借りてみることにした。
短歌より少ない文字数で表現する。詠んで思い描く。猫が主人公の句も、猫が景色となってる句も。
途中で、猫と書かずに猫を表現してる句はあるのかな?(あったかな?)と思った時に、図らずしも審査員・角田光代さんが取り上げた句と出会う。(その句については特に何も)
読み慣れてきた最後の辺りの、心が動いた句を少し。
「満月を抱く形に猫看取る」
「春眠し猫は液体と思ふ」もうひとつ猫=液体の句「うららかや猫融点に達す昼」
「猫の字の苗の意味問う新学期」
審査員の言葉→"これもまた、何も気にせず書いている猫という字に、はっとしました。たしかに、なぜ苗? 気になって調べてしまいました。理由とされる説を読んで、猫という字が今までよりいっ そうしなやかにはかなく見えてきました。"
私も調べてみよう。 -
猫は魔性だなぁ、そう思う。
常日頃から思っている。
実家家族が、野良猫を飼い猫として遇するようになって、あっという間にその子をまさに猫かわいがりするようになった。父などは入院したときに病室へ、人間の家族のではなく猫の写真を持参して飾って励みにしていた。厳しく動物に心動かされる姿など見せたこともない父を、猫はすっかり籠絡していた。
猫俳句大賞へ寄せられた俳句から選りすぐった作品299句がこの本に収められている。
私は猫を飼ったことはないし、俳句も正直よくわかっていない。
ただこの句集のタイトル「猫は髭から眠るもの」にどうしようもなく惹きつけられた。よくわからないがものすごい説得力と引力だった。
一読して、ああ、猫はやっぱり魔性だ、と思った。
犬とは違う距離感で、態度で、眼射しで人間に寄り添ってくれる(寄り添ってくれないときもある)。
299句のどれもが、猫を見ている。情景、猫の立ち位置、人間の関わりかた、居場所、温度、季節も時間も生死すら問わないで、そこにある(あった)猫を見ている。猫への愛情があって、猫からの愛情は…ちょっとわからないが(あったらいいな)。
猫に夫あづけて旅へ柿紅葉(蘭歌)
何か、いいよね。猫に預けていれば安心だし。
※短歌ではないけれど定型詩との認識でカテゴリ「三十一音」に分類しました。