不倫と南米 (幻冬舎文庫 よ 2-7 世界の旅 3)

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  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344404175

感想・レビュー・書評

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  • 短編集、さくさく読んだ。
    吉本ばななさんの旅行シリーズを知らなかった。
    南米の景色を見ながら物語を思いついたのかなって思ったから、その景色をイメージし辛いとなかなかのめり込むのも難しいよね。日本の四季は線で、南米はもっと濃いみたいなのが良かった

    恋愛とか結婚とか難しいけど、『私は、小さい時から身が細るような寂しさや、夕方の静けさや、秋の空の高さや、ひとりで歩く夜道が好きだった。彼の中にはそういう匂いがあった。それが彼と結婚した理由のひとつだった。』この文がとてもよかった。匂いとか感覚とか結婚して一緒に暮らすには切っても切り離せないんだろうな、と。

  • 物憂いような、気怠いような…

    不倫相手の妻から届いた「主人は死にました」という連絡の話がじわじわ気味が悪い。

  • 『人生はたくさんの事件の連続で、愛する人になにが起ころうとまわりはじぃっとみているしかない。実際身動きひとつとることもできない。気持ちがぐるぐる回ることだけが愛をしめす唯一の証拠だ』

    不倫と南米、まさにそのまま(笑)
    アルゼンチン、ブラジル…。
    この挿し絵が苦手だ、
    わたしの夢にでてくる白黒の世界みたいで。
    でも南米って明るさとこの種の暗さが共存してるかんじがする。

    この本は普段の吉本ばななとかちょっと違う気がする。
    そんなときがたまにある。
    それらはきまって海外取材をしてる作品だったりする。
    やはり影響をうけてきてるのかな

    写真もあって国々をまわりながら
    ストーリーを生み出すばななさんを想像したら
    尊敬したり、微笑ましい気持ちになったりした

  • 河合隼雄と吉本ばななの対談集「なるほどの対話」を読んで、読みたくなった本のうちのひとつ。

    どの短編も好きだったけど、特に好きだったのは、というか、グッとくる表現があったのは、「最後の日」だった。

    私がこわいのは、いつも人間の心の働きであり、運命とか自然の脅威のほうではなかった。(P44)

    もう一度あの気持ちがやってくるなら、嬉しいと思う。(P51)

    その光景に、胸がしめつけられた。(P56)

    それぞれとても短くて、詳しいことは書かれてない文章なんだけど…なんでだろう。
    その場面でそんなこと感じちゃうの?という意外性もあるんだけど、妙に共感できてしまう感じもするのが不思議。

    あと、最後の一文も。

    そして、幼い日には想像もつかなかったそんなことで、この年のこの日この夜、胸がしめつけられることが私の人生に生まれていたことが、ただとても嬉しく思えた。(P56)

    これからどんな困難なことに出会っても、こんな風に感じられる人間になれたら、もう、無敵な気がした。そして、今まで起きた辛いことも、こんな風に捉えられたら、前向きに生きていけそうな気がした。

  • 悲壮的、が心地よい人、新鮮。
    南米のエネルギー力、感じてみたい
    目的もなく街を歩く心地よさ 確かに東京の人は、みんな目的を持って歩いている気がする

  • ばななさんの本は何冊か読んでいる。この本は活字を追いながら内容が頭に入らなかった。悪い本じゃないと思うのに。

  • 世界の旅シリーズ3作目、めちゃくちゃ良かった…!最高!アルゼンチン、すごく行ってみたくなった。
    7編の短編集だけど、一つ一つの話が濃厚、どれもアルゼンチンの景色を織り込んでて自分も旅行してる気分になれる。
    ブエノスアイレス以外の都市も出てくるので、Googleで地図や写真を見ながら楽しめた。
    買ってよかった!やっぱり吉本ばなな好きだなぁ。

  • タイトルは不倫とあるけど、静かで爽やかで恋は恋だ
    もんなって思ってしまうようなお話だった。エピソー
    ドが1つずつ終わるごとに写真が挟んであって、フィ
    クションのかノンフィクションのかわからなくな
    るけど小説の雰囲気とその写真が合わさって残るのが
    凄い素敵だなって感じた。小説よりも紀行文のような
    ものでアルゼンチンに行きたくなるし、
    を飲んでみたい。でも吉本ばななの情緒溢れる雰囲気
    はマリカの永い夜のほうが出てる気がした。面白かっ
    た。すき。

  • 子供の頃にTSUGUMI読んだなぁ。で、大人になってから読むばなな。挿絵が素晴らしくて、BGMのようにストーリーを楽しんだ。さらっとね。話の中身は南米の距離感と同じくらいリアリティとは遠いので、そんな世界もあるかもな、にちょうど良い。

  • アルゼンチンを舞台にした短編集。
    ダラダラと繋げられた展開のない文章で、印象に残らない。
    現にあとがきに、この話のエピソードは。。。と解説されても、その話ってどんな内容だっけ?と思い出せないほど、話に特長がありませんでした。

    伝えたいことがアルゼンチンの温度感だけで、それ以外は伝わってこなかった。

    吉本さんはもう読まないと決めた。

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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