螢 (幻冬舎文庫 ま 3-2)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344410350

感想・レビュー・書評

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  • オカルトサークルの合宿で起こる殺人。曰く付きの洋館に、脱出不能、連絡不能のクローズドサークル。このいかにもな設定大好きです。
    さらに半年前にサークルメンバーが未逮捕の殺人鬼の被害にあっていた事件も絡んでくる。

    実際トリック自体は普通というか、ぶっ飛んだものではないけど、犯人がわかった瞬間の衝撃はすごい。うまく読者の先入観を利用している。物語が始まる前からすでに罠(二つあるうちの一つ!)にかかってたんだな…本当に先入観って怖い…

    もう一回読みたくなる!

  • 読み始めてすぐに作風が気に入ったのだが、犯人がわかるようなわからないようなむず痒さがあった。そのせいなのか早いペースで読んでしまった感じ。最後も誰なんだって疑問も残るけど面白い小説だった。

  • 癖の多い作者の作品の中では比較的誰にでも勧めやすい感じの内容かなという感じでした。

    ※以下かなりのネタバレ※


    諫早と長崎の視点を誤認させるというトリックがありますが、結構すぐ気づけることなのでこれはラストの『皆女だと知ってると思ってた千鶴が実は長崎以外からは男だと思われてた』という逆?叙述?トリックのようなものとの対比というか際立たせるためというかそういうためにあったのかなと思いました。
    新しい叙述トリックというか叙述トリックを揶揄しているのか…。

    ラストはさすがの麻耶雄嵩というかんじの居心地の悪い終わり方でした。

  • 結末ありきの話として、あまりにも不自然だったり読者に対しフェアでない書き方が多いと感じた。
    ある登場人物の台詞の少なさや、性別に関することなど結末を知った上で読むならともかく、初見では不自然さばかりが際立つ。
    エピローグは「えぇ…」ってなった。

  • 殺人事件の過去がある人里離れた「ファイアフライ館」で起きるクローズドサークルミステリー。

    どんでん返しも二重、三重に仕掛けられてはいるが、注意深く読むタイプなら気づけるよう、割とフェアに書かれています。

    著者の定番(?)の大崩壊がラストに発生して、もはやそれを読みたいがために本作を読み進めていたのではないかとすら思えてくる。

  • 麻耶雄嵩さんの本を、何故に手に取ってしまうのだろう?という不思議さがあります。推理小説?という分類になると思うのですが、自分自身、推理小説がそれほど好きではないはずなのに、、、不思議。いわゆる、本格推理、という分類に、なるのだろうか?どうか?

    この小説も、いわゆる、いわくありげな雰囲気のなかで、いわくありげな殺人事件があり、いわくありげな犯人と真相?がある、という感じなのかな?という読了感だったのですが、「誰が犯人か?」という事には興味を持つことができず、「何故に事件が起こったのか?」という所に一番の読書の醍醐味を求めるんだなあ、自分は。という感想があるので、

    ゴメン、、、読む本を間違えた。という感想しか、抱くことが、できなんだ。あかん。トリックのビックリさを、おお!凄い!というね、驚愕さを感じられなかった時点で、ああ、自分はこの作品を楽しむ読み方を、できなかったんだなあ、ゴメンナサイ、、、という。そういう思いで、読み終えたのでした。

  • あらすじ読んで、私好みな内容と思い読みました。
    ただちょっと違う・・・。

    素人探偵が次々謎を解いていくくだりは、最近名探偵物をよく読む身としてはなんとも不満。
    音楽家の殺人動機やジョージの殺人もいまいちしっくりこない。
    丁度よくの大雨が数日続くなんていうのも、なんか好まない。

    全体的に漂う違和感は、終盤で納得。
    ちょっと読める部分もありましたが。

    最後まで謎が残る部分は好き。
    ネットのネタバレサイト読んでも回収できない謎があるのは・・・、なんかもやもやします。

  • 初めて読んだ麻耶雄嵩作品なので思い出深い。
    ツッコミどころも多々あるが、とにかく終盤にかけての怒涛の展開と伏線の回収、ラストのラストで提示される麻耶らしいカタストロフィといい、盛り沢山なミステリだと思う。大好きな作品。

  • 【超ネタバレ!】諫早「が」という表現でひっかかったのと「体脂肪率は怖くて知らない」という表現で、超序盤で視点誤認トリックに気付いたが、性別誤認逆叙述トリックには全く気付かなかった。犯人特定の決め手にもなっているため必然性があり、これは新しい叙述だと思う。ただ大村を襲った犯人がスカートを着用してたことが謎。諫早に用意する暇はなかった筈では。謎が解けてあとはエピローグだなって思った瞬間に緞帳を下ろされたような凄いラスト。初麻耶向け作品らしいが、なかなか衝撃だった。

  • かなり序盤からあからさまな形で「叙述ミステリだな」とわかる感じで・・・意図されたものなんでしょうかね?それとも推理力皆無な自分でも気づけてしまうようなものなんでしょうか。
    まあ叙述ものとしては割と普通な感じ。それほど目新しいものもなくオーソドックスというか。

    つーかエピローグが書きたくての一冊なんでしょうかね?最後の「生存者」が誰か?というのが一番の推理どころなのかな?

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞。

「2023年 『化石少女と七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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