- Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344411647
感想・レビュー・書評
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合併したミズナミ銀行の男達の権力争いの話。いつまで経っても、合併して一つの銀行になっても前の銀行の派閥で物事を考える。そんな銀行を29歳の女性の目線で描かれている。そして、部長と不倫をしながら過ごしてしまっていた。
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現代日本の象徴、大企業内部の男社会の構図を、主人公の女性日未子目線で描いた作品。
社内政治や、合併前の出身企業による対立やしがらみ、そこで見える男性特有の?野心といった会社の様子が、女性の目を通して描かれていて、すーっと読めた。
さすがに現実にはこんなに色々起こらないだろう、というほど事件だらけではあることや、時折ロマンチックが過ぎる描写はあったけれど、全体通してすごく読みやすかったし、ヨガに関する部分は、一度立ち止まって自分を見直すべきことに気づかせてくれた。
全ての物事に意味があるから、その理由を考えなさい。そして全てを受け入れなさい。という教え、全ての宗教に通じる部分じゃないかな。 -
29歳女性。部長と不倫。
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合併によってできた巨大銀行で生きる女性の物語。
プロローグ
第一章 風のささやき
第二章 炎のゆらめき
第三章 街のきらめき
第四章 谷間のおののき
第五章 森のとまどい
第六章 水のやすらぎ
第七章 万物流転
合併によって誕生したミズナミ銀行に総合職として勤める日未子は、旧銀行同士の派閥争いに巻き込まれ、不倫相手の上司も、その権力闘争に身を投じていき、男性組織に嫌気がさしてくる。
自分の生き方を模索する日未子は幸せになるのか?
日未子が開き直るところがなんか腑に落ちない。
不倫していたからには、そういう結末でも仕方ないのではないかと。 -
合併してできたミズナミ銀行(モデルはみずほ銀行?)で繰り広げられる男たちの権力闘争を主人公であるアラサー女性行員の日未子視点で描いている。日未子の上司との不倫などを通したアラサー女性の生き方のようなこともテーマとなっている。
組織内での権力闘争の不毛さはよく感じられた。一方で、自業自得なことも多いのに、周りの男たちを責め、失望するばかりの主人公日見子には、正直あまり共感できなかった。ちょっと内容を盛り込みすぎという気もした。
ヨガの描写や、活き活きと働く新興銀行の女性部長の描写、パレスホテルのバーテンダーの描写などが印象に残った。 -
権力闘争のドロドロはなかなか面白い。しかし、出てくる男がほとんど駄目男。利洋は前半格好よく描かれているが、部下に手を付けて調子のいいことを言っているだけだし、今時自殺不安のある部下に対する対応さえ分かっていないのはありえない。谷川も谷川で、自分は散々部下を苛めていた癖に、立場が変わると一月も持たない。藪内も、少し上が見えてくるとすぐに欲を出して調子に乗り、復讐を言い訳にした自己利益の追求。人間らしいといえばそうなのかもしれないが、揃いも揃ってどうなのか。
では、日未子はというと、今まで見ようとしなかっただけなのに、悪いところが見えるとすぐに手のひら返しで嫌いになったり、擁護したりぶれまくりで、最後はやりたいようにやればいいや!と放置。男性が描く女性って、芯のない女性が多いな、とがっかりする。 -
人事闘争の描写もイマイチ。銀行のリアル感もイマイチ。恋愛もイマイチ。どれもイマイチ。
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29歳の主人公、ひみこを通じて合併銀行における男たちの権力争いを描く。それだけでなく、女性目線で仕事と家事の両立をするには、自分らしく生きるにはというテーマも含まれている。
ただ、テーマがぼやけすぎていて主張したいことが伝わりづらかった。 -
やはり江上剛は銀行ものだと脂が乗った印象。人物設定がよくわからないところはあるものの、アラサー女子の悩みであったり銀行特有の出世競争、そして楽天などを意識したネット企業との買収攻防戦の絵図など全体的にうまく描いている感じ。ただ半澤直樹を見ている時期だと勢いとか描写が甘いなぁとかそんな点で比較してしまう贅沢さが一方であるわけですが。