ゆりちかへ ママからの伝言 (幻冬舎文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (154ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344416376

感想・レビュー・書評

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  • ゆりちかちゃんをお腹に身ごもっている時
    脊髄ガンに襲われたテレニン晃子さんが
    将来、ゆりちかちゃんに伝えたかった数々の事と
    自らの闘病生活を綴った一冊。
     
    ゆりちかちゃんが、将来悩んだり、苦しんだり、不安になったりするであろう
    「ともだち」についてや「勉強」「恋」「お金」等々…
    晃子さんからゆりちかちゃんへの、愛情いっぱいのメッセージが詰まっていて
    私自身も、読んでハッとさせられました。
     
    その中でも
    「人間は一人で生まれてきて、一人で死んでいくんだから
    さびしいけど、最後は一人なの。
    だから、生きている間は、いっぱい好きな人と一緒にいて
    楽しい思いをするのよ」
    というメッセージに、心打たれました。
     
    ありきたり過ぎる感想で、自分のボキャブラリーの無さを痛感しますが
    一緒に過ごしたくても、過ごせない人がこの世の中には沢山いる。
    日々の小さな不満やイライラに時間を割くぐらいなら
    今、一緒に過ごせる大好きな人達を、精一杯大切にしよう。
    本ではなく、ゆりちかちゃんに直接伝えたかったであろう
    晃子さんの分まで。
     
    晃子さんのご冥福を、心からお祈りいたします。
    そして。
    ゆりちかちゃんが、幸せに暮らしていることを切に望みます。

  • 子供に対する優しさ、想い、一緒に過ごせない悔しさをありのままに伝えてくる。当たり前と思っている日常や家族に対しての感謝を抱かせてくれる。

  • 前にドラマをやっていたので(まだ見ていない)、それの原作も読んでみたいと思っていたのだが…こういうエッセイ風(?)で書いてあるものとは思わなかった。私はちょっとエッセイ風味が苦手なので流し読みになってしまった。
    ドラマも、ちゃんと見てみなければ…。

  • テレビドラマを見た後だったので、その印象に引きずられてしまっていたが、子どもへの想いが溢れるものだった。帰化された旦那様を心配に思う気持ちも滲み出ていて、本当に共感した。
    日々感謝して生きたい。

  • ガンにより他界した著者が、闘病中に出産した娘さんに向けた言葉を集めた本です。
    前半は娘に向けた教え、後半は闘病記。
    読んでいて苦しかったです。特に後半は。
    しかし夢中で読みました。

    娘さんへのメッセージは、一つ一つの言葉を吟味して読みました。
    なぜこの単語を使うのか。なぜその項目を娘に伝えたいのか。
    生きたいという力を言葉から感じました。

    狼狽し通常の状態ではない旦那様の様子が行間から読みとれました。
    苦しかったです。

    著者がなぜこの書をこの世に残したのか。
    哲学的に生について考える機会を得ました。
    その解は、自分の家族として新しい命が生じたとき、そして、自分自身の死が目前に迫ったときに得られるのだと思います。

    私は柚莉亜ちゃんに手紙を書こうと思います。

  • がんと闘いながら、まだ生まれたばかりの愛娘に対して
    「いつか母として娘に伝えたいこと」を綴った手記。
    娘へのメッセージと、闘病記(日記の転載)の二部構成。

    前半のメッセージ部分では、温かい文体から母の愛が滲みでている。
    語っている教育論も立派なので、若い女性が読むと勉強になりそう。

    後半の闘病記は、死に直面した人間の苦悩が生々しく綴られていて
    読むのにすごくエネルギーを使った。
    読みながら、「もし自分の身に起きたことだったら」と想像して
    いろんなことを考えさせられた。
    当たり前の幸せを大切にしたい、大切な人をちゃんと大切にしたいと心から思った。

  • 待望の妊娠がわかった後に、晃子は脊髄悪性腫瘍と宣告される。治療か出産か。彼女が選んだのは、子供の命だった。そんな彼女が娘に向けて綴る愛情にあふれた手記です。

    僕はこの本を読むまで彼女のことは不勉強で申し訳ない限りですが、まったく知りませんでした。しかしむしろ、何も知らない状態で読んだほうが結果としてはむしろこれでよかったのかもしれないと今では思っています。

    この本の前半部では自分の娘に友達や勉強のこと、おしゃれや恋愛、果てはセックスのことについてもつづられていて、最初はどうかなぁなんて思っていましたけれど、これはこれでいいのかなと思いました。そしてどのくだりも、自分の運命とこれからの人生を生きていく娘への惜しみない愛情にあふれていて、読んでいてとても好感が持てました。

    特に、おしゃれに関しての「いい靴をはくこと」には『足元を見る』という言葉のとおり、いい服を着ていても安い靴を履いているとあなどられるという彼女の指摘には僕も本当に思い出したくないほど過去にそういう目にあっているので、そのときのことを思い出してしまいました。中盤、後半部は夫のテレニン・レオニド氏との出会いと結婚までとそして別れ。闘病時につづった手記やテープに録音したメッセージが収録されています。

    自分の身に降りかかった過酷な運命と向き合い、夫と娘への限りない愛情を綴っているのです。僕は彼女の真摯な姿に感動いたしました。でも、最終的に彼女は36歳という若さで天国へと旅立ってしまうわけですが、最後までこの本を読んでいて、不思議とそんなウェットな気持ちにはなぜかなりませんでした。

    僕は全体を通してさらりと読んだのですが、これから子供を持つ方や今現在子供を育てている方々にぜひとも読んでいただきたいと思います。

  • 以前テレビで見て、いつか読みたいと思っていた本でしたが、文庫になっていたので購入。
    ママからゆりあちゃんへの部分と、ご本人の闘病日記の部分に別れていて、闘病日記の後半が特に読んでいて辛い。
    でも、決して読みづらい本ではなかったのもよかった。

  • 西日本新聞2011.02.25朝刊。

    《がんで2008年に亡くなったテレニン晃子さん(享年36)が、闘病中に娘・柚莉亜ちゃんへの思いをつづったベストセラー「ゆりちかへ ママからの伝言」が文庫化された。》

  • 図書館2階「闘病記文庫」コーナーにあります。 請求記号:916//がん//95

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