ウツボカズラの甘い息 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 2479
感想 : 219
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  • Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344428027

作品紹介・あらすじ

鎌倉で起きた殺人事件の容疑者として逮捕された主婦の高村文絵。無実を訴えるが、鍵を握る女性は姿を消していて――。全ては文絵の虚言か、悪女の企みか? 戦慄の犯罪小説。

感想・レビュー・書評

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  • 普通の主婦であり母である文絵。
    娘時代はなかなかの美人だったのだが、家事と育児のストレスにより太ってしまい過食症と解離性障害を患っている
    夫ともうまく行っていない。
    そんな時、学生時代の同級生の加奈子に偶然再会する。
    加奈子は不幸な事故により顔に痣があるためサングラスをかけていた。
    加奈子から海外の高級化粧品の講師役と代理店の代表を引き受けることになる。
    もう、怪しいよ、やめときなーって話なんだけど
    それだけじゃなかった。
    えーとなるところがいくつもあって面白かった

  • ウツボカズラ。食虫植物。甘い蜜で虫を誘き寄せ、中に落ちた虫を食べて生きる。
    家事と育児に追われ自分を見失っていた文絵。中学の同級生に誘われ、半信半疑ながら生き生きとし始め、美しくなって行く様は見事だ。
    そして知らぬ間に、殺人者に仕立てられていく。その追い詰められかたも恐怖。しかしもっと衝撃的な事実が。この話の展開は誰が想像しただろう。
    後半は、どうしてなのか、誰なのか、結末が知りたくて一気に読んでしまった。
    ウツボカズラと重ねてこの話をかいたのか。またしても柚木ワールドに魅せられた。
    繰り返し読んだら、またそれぞれに違う印象を持つだろうな。ちょっとおいて、また読み返したくなる。

  • 作者読み。
    あらすじだけ見ると、またイヤミスにありがちな生活に疲れきった主婦が狂っていく話かと思いきや、ただの被害者?だった。一安心。ラストの種明かしが怒涛の勢いだった。

    一瞬、菜月が『パレートの誤算』の警察を目指した彼女かと思ったけど別人だった。

    足るを知る、当たり前を大切にする、がこの作品の言いたいことかな。

    個人的には想像力。
    冒頭の階段を降りる方法だったり、自分の心の中のインナーチャイルドを抱きしめることだったりを試してみたいのだけど、やっぱり難しい。

  • 犯人(犯行)が進んでいく過程の裏で事件を追っている刑事たちの話が同時に進行していく話である。
    話が進んでいくうちに犯人像が浮かんでくるが、果たしてこれが結末なのかと思って読み進めていくと、やはりもうひと捻りあった。
    最後まで読めないストーリーで面白かった。

  • 図書館本

    面白かったですね。
    他人になりすますことで金蔓とする。
    女という武器や、女ならではの執着、心の隙間に入り込む手法にむずむずしました。
    えええ!という意外さのあるストーリー。美人刑事 中川大活躍の物語が読みたい。
    秦の抱えている現実と心情が、もっとぐぐぐっと掘り下げられていたら良かったのかな??それじゃいつまで経っても物語が終わらないか笑笑

  • 思っていたより謎が深かった。

  • 事件の結論に辿り着けそうで辿り着けないもどかしさが読み応えに繋がった。母親だからこその苦悩が全くの他人事では無いなと感じ、辛かった。ページ数の割にすんなりと読み進められるのは自分が当事者のように没入しているからだと思った。

  • 刑事側の視点と、文絵側の視点で話が進んでいき、最後に一気に繋がっていく。
    ネットワークビジネスというところで、人間の弱いところにつけこむことで起きた事件ということろはあり得るなと思う。

  • 面白かったと思うけど、のめり込む程でもなかった。

  • 『狐狼の血』がおもしろかったので他の作品も、と。設定はよくあるミステリー系、「解離性障害」という主人公の別人格が犯人?というミスリードを誘う流れ。え、結局主人公が二重人格なの、別の人間なの、というのが最後の方までわからない描き方はさすがです。

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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