居酒屋お夏 春夏秋冬 山くじら (幻冬舎時代小説文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 80
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344430167

作品紹介・あらすじ

目黒行人坂にあるお夏の店は再建初日から大
賑わい。母の仇討ちを果たしたお夏の裏の顔
などつゆ知らず、常連が毎日店にやって来る。
調子に乗った客がいればお夏の毒舌が問答無
用で炸裂。そんなある日、強烈な個性を放つ
男が町に現れた。快活な振る舞いとは裏腹に
悲壮な決意があると見抜いたお夏。そこで案
じた一計とは? 人情酒場シリーズ新装開店。

感想・レビュー・書評

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  • 山くじら ー 居酒屋お夏シリーズの11作目「春夏秋冬」
    2020.08発行。字の大きさは…中。
    麦とろ、糠みそ、山くじら、めざしで茶漬けの短編4話。

    お夏は、母の仇・小椋市兵衛を討ち、火事で焼けた目黒行人坂を上りきった永峯町に「居酒屋お夏」を新装開店します。居酒屋お夏に集まって来る、常連客とのやり取りが楽しいです。

    【麦とろ】
    新装開店した居酒屋で清次が10才の時に思い出を話します。14才の「いた兄ィ(お夏)」と一緒に悪党を退治するため…、その道中で食べた麦とろが美味しくて涙を流す。

    【糠みそ】
    悪女の楊枝屋のお仲が、記憶を失った事にして、生まれ変わって良い女になるが…。いい女の芝居に疲れたお仲が、居酒屋の皆に謝罪し、自ら漬けた秋ナスの糠(ぬか)みそ漬けを…。お仲は、芝居と思って演じていたら、本当にいい女になっていた。

    【山くじら】
    足柄山からお夏の父・長右衛門の剣の弟弟子・黒沢団蔵が、お夏の居酒屋を訪ねて来ます。団蔵が山で食べている、山くじら(猪鍋)を馳走すると、常連客は…。江戸へ出て来た目的は、団蔵が、我が子と思って飼っていた犬の仇・枝野三哲を討つためで…。

    【めざしで茶漬け】
    笠縫いの梅次の女房・おしかは、夫が仕事をせず遊びだしたので、笠縫いを学び梅次より腕を上げる。梅次は、おしかが作る゛めざしで茶漬け゛が好きで、これさえ作ってくれればと言っていたが…。おしかは、梅次の…憂さを芝居を見ることで晴らすと、役者がおしかに惚れて…。

    【読後】
    テンポが良く、歯切れのよい物語です。
    お夏、清次、居酒屋の常連客が醸し出す雰囲気がいいです。
    なお、居酒屋お夏は、新シリーズが始まったのか…?
    それとも番外編なのか…? 
    2020.09.05読了

  • “居酒屋お夏シリーズ”が新装開店という事で、再始動。

    前シリーズのラストは、お夏と居酒屋が炎に包まれるところで終わったので、その後が気になっていたのですが、お夏も清次さんもお元気そうで何よりです。
    母親の敵討ちという目的が片付いたせいか、何となくお夏と清さんが明るくなった気がします。
    第一話「麦とろ」では、以前は寡黙だった清さんが昔語りをしちゃったりしていますし・・。
    収録されている四話とも、程よくほっこりする、ええ話で安心して読めます。
    なんにせよ、再開してくれて嬉しいですね。

  • お夏さんは、このままクソババァで過ごすのけしら?

  • 新シリーズの開幕は血生臭い場面がなく、清次の昔語りや相模屋長右衛門の兄弟弟子である団蔵など、人生をしみじみと味わうような内容が多かった。
    敵討は終わったので、このままの雰囲気が続けば良いと思う。

  • 新装開店。
    清次の過去話から。いた兄がお夏だったとは…読み返してしまった
    最後の話は、富之助におしかがついていかなかったのが残念な気もした。話的にはやはり元の旦那に行くのが定石とわかっちゃいるのだが
    ---
    ・世間ってのはねぇ、女の涙に弱い者も多いが、涙を見て怪しむ者も多いから、うっかり泣いてもいられないのさ(p.139)

  • 2022.06.28

  •  母の仇討ちを果たし、焼けた店を再建(龍五郎達常連が)、毒舌のくそ婆ァお夏とクールな料理人清次の人情酒場、新装開店! 岡本さとる 著「居酒屋お夏 春夏秋冬 山くじら」、2020.8発行。麦とろ、糠みそ、山くじら、めざしで茶漬けの4話。どれも味わい深く秀逸。特に糠みそのお仲、めざしで茶漬けのおしか、心に響くいい話です。

  • 202008/前作で終わったと思いきや新装開店?なシリーズ再開、面白いので読めるのは嬉しい。

  • まさかの新シリーズ開始!

    収録作品:麦とろ 糠みそ 山くじら めざしで茶漬け

  • いいなぁ、お夏みたいな人って憧れます。ちょっと怖いけど

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著者プロフィール

一九六一年、大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社九十周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に「浪華騒擾記」が入選。その後フリーとなり、「水戸黄門」「必殺仕事人」などのテレビ時代劇の脚本を手がける。二〇一〇年、『取次屋栄三』で小説家デビュー。他に「若鷹武芸帖」「八丁堀強妻物語」「仕立屋お竜」などのシリーズがある。

「2023年 『明日の夕餉 居酒屋お夏 春夏秋冬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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