私がオバさんになったよ (幻冬舎文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344431133

作品紹介・あらすじ

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感想・レビュー・書評

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  • ラジオパーソナリティ、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんが、過去に対談し、もう一度話をしたいな、と思った人と改めて自由なテーマで対談した本。

    ジェーン・スーさんのラジオも著書も読んだことがなく、全く予備知識がない状態で本書を手に取ったが、なんとなく、既存の価値観に縛られない自由な生き方をしていて現代の世相をばっさり斬っていく強めの人なのかな、なんて勝手に想像していた。
    本書を読むと、はっきり自分の意見を述べるけれど、私と同じように世間の価値観と自分の価値観のずれに悩んだり迷ったりしているのがわかって勝手に親近感を覚えてしまった。

    本書でジェーン・スーさんが対談しているのは、光浦靖子さん、作家の山内マリコさん、脳科学者の中野信子さん、男性学を提唱する社会学者田中俊之さん、『逃げ恥』作者の海野つなみさん、ラップグループ「ライムスター」ラッパーの宇多丸さん、エッセイストの酒井順子さん、能町みね子さんの8名。少し年上の酒井さんを除くと、皆1970年から1980年生まれの世代である。
    ジェーン・スーさん自身は1973年生まれのいわゆるロスジェネ世代だ。この世代は、バブルや好景気の直接的な恩恵は受けていないものの、社会に出た時にはまだその残り香があり、バブルを経験した上の世代にも、不景気に直面した下の世代にもなんとなく共感できるところがあるように思う。
    ジェーン・スーさんの世代や性別を超えたフラットで素直な対応は、本人の資質によるところがあるのはもちろんだが、ロスジェネ世代ならではの共感性でもあるのかな、と思う。

    対談の内容は、テレビ世界でのジェンダーの話、地方と東京の話、男性の生きづらさの話、結婚と仕事の話など多岐にわたる。どの人との対談も面白かったが、光浦さんとの対談で話題になった、お笑いの世界が男性社会である、という話、山内マリコさんとの対談でジェーン・スーさんが口にした、東京出身の人が地元である東京で疎外感を覚える、という話が特に印象に残った。

    気軽に読めるけれど、さまざまなテーマについて深く考えさせられる興味深い本。ジェーン・スーさんや対談者の著書を読んでみたくなった。

  • ジェーン・スー『私がオバさんになったよ』をはじめ注目の3冊【おすすめ本】 | エンタメ | DAILY MORE
    https://more.hpplus.jp/odekake/entame/71431

    ジェーン・スーさん「私がオバさんになったよ」インタビュー 人生は折り返してからの方が楽しい|好書好日
    https://book.asahi.com/article/12277465

    女同士いがみ合いたくない【文庫化再掲】|私がオバさんになったよ|ジェーン・スー - 幻冬舎plus
    https://www.gentosha.jp/article/12472/

    私がオバさんになったよ | 株式会社 幻冬舎
    https://www.gentosha.co.jp/book/b12316.html

  • 「いいタイトルだなぁ」と以前から気になっており、「生きるとか死ぬとか父親とか」のドラマがとても好きでジェーン・スーさんに俄然興味が湧いたこともあり、文庫化を機に購入。今回がスーさん作品初読みだが、予想以上に面白かった!各界で活躍する8人との対談はなかなかに深く、「なるほど」の連続であった。スーさんは年齢が近いこともあり、共感できることばかり。各対談、引用したい箇所ばかりで、それだけでレビューが長文になりそうなので敢えてしないが、折り返した人生を送ることへの漠然とした不安の正体が、何となくわかった気がする。
    私自身ファンでもある酒井順子さん、能町みね子さんとの対談は勿論楽しく読めたのだが、興味深かったのは田中俊之さんによる「男性学」。自分が女だから、つい女の生きづらさばかりに目がいきがちだが、「男の生きづらさ」に対しても目を向けなければ、問題は解決しないんだよなと改めて気付かされた。海野つなみさんとの対談で触れていた「男の人たちは突き詰めたくない人が多い」という言葉も、ちょっとわかるなぁと…。
    文庫版あとがきまでが面白く、これまでスーさんの著書を読んでこなかったのが勿体なかったなと思うほど!深くて多岐に渡るテーマを語りつつも、時に軽やかでユーモラスで、何度も読み返したい対談集だ。


  • 面白そうなタイトルに惹かれて読んでみたが、ジェーンスーンさんを全く知らなかったので、いまいち内容が響いてこず。

    対談は内輪ネタが多いように感じた。
    特に「宇多丸さん」とは大学時代のサークル話に花を咲かせていたが、お二方とも初見の私にとっては置いてけぼり感満載だった。

  • 私はあまりジェーンスーさんを知らず、外国の方だと思っており、面白そうなタイトルの本を出されているが、何となく今まで読まずにいた。
    が、最近日本人だと知り、あえてジェーンスーと名乗っている人物像が気になり、予備知識ゼロで文庫本を購入。(44才の私にはタイトルもメチャメチャ突き刺さった!)

    やはり頭の良い方同士の対談なので、私には少し難しいかしら…?と思いつつ、読み進める。もしかしたら、途中で挫折しちゃうかもなー、なんて思っていたのに、気付いたら読了。

    普段あまり社会的なことやフェミニズムなんてあまり気にした事がなかったのに、少し考えるきっかけになった。男性学なんて、全く知らず、目からウロコ。読んで良かった…一生知らずに死んでいくところだった。

    今度はスーさんのエッセイ読んでみようかな。

  • ジェーン·スーさん一度読んでみたかった。
    2016年から2年間の対談をまとめた本。

    面白おかしい本だとタイトルから想像してたけど全然違ってた。フェミニズムと、さらにそこに追加してオバさん枠も上塗りされてる感じかなぁ。

    今って世の中LGBTQどれでもいんだよって聞きなれてきてるけど、この本では女の生き様に強くフォーカス当たってる。男とは、女とはみたいにね。対談相手はみんなバリキャリ(もう死語か)なんで相方の稼ぎでどーのじゃない自分の力で生き抜いてる人たちの頭の中が垣間見れて興味深い。

    専業主婦じゃない、専業主夫の家庭だと役割も立ち位置も完璧なまでに逆転。例えば稼ぐ女が今日はそとで食べて帰るとか急に言って在宅男に怒られたりw 今は熟年離婚で嫁に愛想つかされるのは仕事だけしてきた夫という構図だけど、これからはその逆もあり得るな。男女間もそうだけど、職業やその人の立ち位置で関係性はガラリと変わるし。

    女の敵は女という思想に異を唱えてる箇所はハッとさせられた。


  • タイトルに比して、ライトなエッセイではない。
    他の本でも思ったが、どうしてスーさんの本が流行るのかわからない。これは、ディスりではなく、一読しただけでは簡単に理解できないものが多く、これらの文章を多くの読み手が理解できるのだろうか、と。それとも、私の頭の回転が悪い、文章を読み解く能力が低いのだろうか。

    山内さんや、中野さんとの対談なんて、対談相手がそれこそ博学なので、読み手がそこまでついていけるってすごいなと思ってしまう。

    お二人の本を読んでみたいと思った。

    スーさんはどんな本を読んで、どんなふうに物事を考え、経験して来たのかなと思わせる。面白そう、と言うか、砕けててはっちゃけたイメージなのかと思っていたが、ものすごく深いし、自分は全然彼女の領域に追いつかない。哲学や脳科学、宗教の本なんかも手に取らなければ、自分にまだまだ色々未熟な面を感じる。

  • 内輪話メインの対談集でした。私は著者も含め、知っている方が一人もいなかったせいかあまり楽しめず。
    また、かなり古典派のフェミニストの思想をお持ちのようで年代的に珍しく思いました。

  • 気になっていた本が文庫になっていた。タイトルすごい。一定年齢以上に与えるインパクトとザワザワ。そして森高千里は全然オバさんになっていない。

    ジェーン・スーさんの対談集。ジャンルの違う同世代の8人。個人的には、中野信子さん山内マリコさんが特に印象に残った。ジェーン・スーさんの言語化能力にほれぼれする。人生折り返しの40代以降も楽しめるかもしれないと思えた。

  • 言葉選びのセンスが好みなのと頭の回転が速い方々の会話は聞いてて(読んでて)楽しい。面白かったです。
    ゆるく話されてるけど内容は全くゆるくない…堅苦しくないけど真剣な、バランスが良いです。
    中野信子さんのお話、説明とか例え話がとてもわかりやすくて。化城。意識より身体。日本は終わるんじゃなくて新しい日本になってる途中←ペシミストなのでこれは頭に置いておきたい言葉です。
    ほんと、どなたもそれぞれ興味深かったです。「パッカーン!」と全員どこかしらでなってます。
    あとやっぱり、本結構読んでらっしゃる、皆さん。「有閑倶楽部」は偉大です。
    スーさん原作のドラマを拝見してて、こちらが丁度図書館にあったので久々にスーさんの文章に触れましたが、更に好きになりました。他の著書も読みます。

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著者プロフィール

1973年、東京都出身。作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティー。『ジェーン・スー生活は踊る』(毎週月~木曜午前11時TBSラジオ)に出演中。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)で講談社エッセイ賞を受賞。著書に『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)、『生きるとか死ぬとか父親とか』(新潮社)、『これでもいいのだ』(中央公論新社)、『ひとまず上出来』(文藝春秋)、『きれいになりたい気がしてきた』(光文社)など。

「2022年 『OVER THE SUN 公式互助会本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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