永遠の青に包まれて (リンクスロマンス)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344805651

感想・レビュー・書評

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  • 月和(27)×竹瑠(19)。近未来ながら時代劇のような、不思議なお話。5才の頃に攫われ、娼館出働いてきた竹瑠は、一晩の客、月和に身請けされ、共に旅をする。次第に月和に思いを寄せるようになる・・・。私のお気に入りは月和の兄・日和(美青年)×立翔(ヒゲオヤジ)のカップル。えぇ、気に入りました(笑)。

  • ●感想●</br>
    男娼の受・竹瑠(椛)×商人で27歳の攻・月和。</br>
    未来なんだけど、今の世界が崩れ退廃し過去が混じる不思議な時代設定。全体的に何となく中途半端な感じがするのですが。第一章が雑誌に掲載されてたのを読んでいたのですが・・・。ここまでなら、纏まったいい話だと思ったんです。只、書き加えた部分が捕らえどころがない気が。</br>

    <blockquote>
    「・・・それなら訊くけど、前に言ってた『自分の身を引き換えにしてもいい』ほど月和が好きな人って、どんな人?」</br>
    「・・・」</br>
    それは月和にとって予想外の内容であったに違いない。咄嗟に口ごもった彼は、どう答えたものかと悩んでいるようだった。</br>
    そして、逡巡と言う名の間をおいてから、月和は自身が選んだ言葉を告白する。</br>
    「・・・簡単に言えば、『竹瑠によく似てる』ということになるんだろうな」</br>
    「俺に・・・?」</br>
    月和は気恥ずかしさを感じているのかもしれない。少しだけ目を逸らす仕草は、彼なりの照れ隠しのように見えた。</br>
    「透き通るくらい肌が白くて、人目を引く容貌をしている。後はそうだな、綺麗な顔をして気丈なところもおまえにそっくりだ。」</br>
    竹瑠は月和の説明を聞き終えるなり、深く得心してしまう。</br>
    (−−ああ。だから俺を放っておけなかったのか。一番大事な人に俺が似すぎているから・・・)</br>
    竹瑠を身請けした理由は、これではっきりした。同時に、竹瑠の気分がどうしようもないほど沈んでいくのは何故だろう。</br>
    (駄目だ。なんだかよく分からないけど、本気で泣けそうだ)
    </blockquote>

    竹瑠も男娼のわりにスレてなくて、でもその分個性が無くて普通の子になってる。もっとスレてて気がキツい方が好みかな、月和に食ってかかるくらいの。従順すぎてコレじゃあ別に男娼から連れ出す・・・って設定でなくてもいいんでは?まあ、後の話で竹瑠が娼館に売られた経緯も絡んでくるので何とも言えませんが・・・。最初に売られる、と言う話を竹瑠から聞いただけに、月和の感情は同情かとも思ったんですが・・・いつから好きになったのかがどうも解らなくて。思いを寄せていた兄(日和)と似てるだけなら、もっとタチが悪いじゃないですか。
    恋人としてよりも『連れ』として相応しくなりたいと思う竹瑠の前向きさには共感。でも日和のようにならなくても竹瑠は竹瑠のままでいればいいと思うんですがね。
    <blockquote>
    「・・・そうですか、そんなことが・・・」</br>
    「でも、本当に俺が油断しただけで・・・」</br>
    「竹瑠君は何も悪くありませんよ」</br>
    小さく笑った後、日和はおもむろに執務室の引き出しの中に収められていた小型のナイフを手にしてみせた。そして、全員が注目する中で、日和は自身の頬にすっと鋭い切っ先を走らせたのだ。</br>
    「日和っ!」</br>
    「日和さん・・・ッ」</br>
    血の紅に対して真っ先に反応したのは、今まで沈黙を守っていた立翔であった。けれど、誰よりも悲痛な叫びを口にしながら日和に駆け寄った立翔に対して、その当人は白い肌を流れる血を拭いもせず、途轍もなく冷ややかに言い放ったのである。</br>
    「−−解りましたか、立翔?あなたは竹瑠君と月和にこれと同じ仕打ちをしたんですよ」</br>
    「・・・っ!」</br>
    日和の冷徹すぎる表情は、立翔の全身を強張らせたらしい。日和を見上げたまま息を飲む彼の指先は、日和の頬に触れることなくその場で固まっていた。</br>
    「立翔は今、大切なものを傷つけられた怒りを感じてますね。それは月和が味わった思いです。そして、あなたは大事なものを損なわれた悲しみも覚えていることでしょう。それは今の竹瑠くんが抱えている感情です」</br>
    「・・・」</br>
    「自分の軽薄な行為が、どれだけ二人を傷つけたか思い知ってください、立翔」</br>
    </blockquote>
    日和が竹瑠にキスした立翔を罰するのに、自分の顔に傷をつける行為がどうしても解せないのです。なんとなく”立翔が大事なのは日和の顔だけ”って意味にとれるのですよ。日和の行為で竹瑠と月和の心にも凄く傷を付けたことには気づかないのだろうか・・・とも。でも、そもそも竹瑠も上手に嘘を吐くことだって大事だぞ、っと。</br>
    </br>
    予想に反して立翔・受×日和・攻だそうで、意外だなぁ〜。でも組み敷かれる日和も想像できないかも・・・ってか怖そう。ホントにこの二人、ノベルス化するんですか!?想像できない分、楽しみです。こっちの二人の方が好みなんで。「ひげ受」って、私も初めてかも・・・。</br></br>

    ●あらすじ●</br>
    男娼としての人気に陰りが見える竹瑠は、酷い扱いを受ける場末の娼館に売られる運命だった。そんな竹瑠の前に、逞しい体躯に鋭い双眸を持つ男・月和が客として現れる。様々な場所を巡り、商売をする自由な月和に憧れを抱いた竹瑠は自らの境遇を正直に打ち明け懸命に奉仕する。月和の手で溺れるような快楽を初めて経験し、良い思い出になったと寂しく微笑む竹瑠。だが翌朝目覚めると、月和から共に旅をしようと言われ−−!?

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