メランコリック・リビドー (幻冬舎ルチル文庫 す 1-9)
- 幻冬舎コミックス (2009年4月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344815483
感想・レビュー・書評
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センチメンタル・セクスアリスのスピンオフ。時系列的に重なりあり。
こちらはこの作者さんに多めの自堕落クズと一途マジメ君CP。
これ系いつも「そいつやめときなよ」と思う…
すべてマジメ君の忍耐力にかかってる。いい話ですけどね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
他界してから年月が経ってるとはいえ、日和佐がコロッと弟に寝返った感がある。それとも弟の粘り勝ち?半分しか血が繋がってないから重たさは半分ってことなのかもしれないけど、それにしても兄の存在感が大きい。前作に続いてこのシリーズは案外重たいぞ…w
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スピンオフです。前作とは打って変わって、健気受けでしたね。すごく良かったです。 自分の亡き兄の元彼をずっと好きなんて、どんなけ切ないんだよ!しかも相手はロクデナシだし! と心配しながら読んでいたんですが、早く明が嫌いという子供じゃなくて、大人になりたいって思っている千夏史だけれど、最後はしっかり明を包み込む存在になってましたね。 もうあの別れの台詞は泣いちゃいましたよ!ホント思い通じて良かったな~って思った所に、ちゃんと強くなった千夏史のショートが甘くて良かったです♪
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セックス依存症って・・。だからって男でも女でもwelcomeな攻めを一途に思う弟くんも最後まで共感できるところがなかった。
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ふぅ。読みながらずっとしんどかったです。じくじくじくじくずっと胸が痛んで大泣きはしないけど涙が浮かびっぱなしで、泣くよりきつかった。テーマとしてはありがちかもしれないけど、描写かなぁ。まさしくメランコリックという雰囲気でした。死んだ兄の恋人を、ずっと好きだった弟と、恋人の本心が掴めないまま死なれてしまってずっと囚われ続けている男。想いなんて風化するんだよと笑って、囚われている事にすら無自覚で向き合わないで目を逸らし続けているうちに勝手に作りあげてしまったんですね。
恋人を亡くした人との話、というのが基本的に苦手なんですがあまり反発は覚えませんでした。読み終わってよくよく考えたら、やっぱり絆された以外の理由は見当たらない気がするんだけどそれでも。
兄の真実というのはなんとなく予想はつきました。明への気持ちを含め。どんな気持ちで「俺がいなくなったら」とかの話を聞いてたんだろうな。一度も好きだとも言われないまま。そう思うと切ない。でも家族の気持ちにも敏い子だったみたいだから、伝わってたんだと思いたい。
最後は明るかったです。続編ショートも。そうだよ、少しは痛い目みたらいいよね!ずっと哀しかったから気にとめてなかったけど明は普通にかなりの人でなしですよ。大分甘かったからまぁ許すけどもっと甘やかせばいい。ところで最後の部分でひとつ気になったんですが、そういう写真を見られたと思って、その写真への感想が「楽しそう」だったからあんなに切れたんですか…?とばっちりじゃ…チカシかわいそー…(笑)写真から滲み出る物に胸を痛めた上にあの仕打ち。
一応センチメンタルセクスアリスのスピンオフなんですが、全然。スピンオフと言わなくてもいい程に独立してます。そして断然こっちのが個人的には面白かったです。センチメンタルセクスアリスはテーマが全く違ってそんなにシリアスじゃないし。
センチメンタルセクスアリスは思わなかったけど、これは中の絵がなんかあんまり合ってない気がしました…。 -
「センチメンタル・セクスアリス」が大変気に入っていたので日和佐でのスピンオフも期待していました。
前作では、かなりタラシでいい加減で印象が悪かったんでどんな風に掘り下げてあるのかなと思ったら、結構重い過去があって胸にずっしりきました。
ストーリー自体は憧れの年上オトコの日和佐をずっと好きだった千夏史のピュアな視点で描かれているので、なかなか成就しない片想いに切なくなったり、甘酸っぱい気分にさせられたりします。
自転車置き場での回想シーンがいいです。読み終わってみると、学生時代の日和佐と由多夏の素直に恋と呼べなかった熱い気持ちがすごくよく表現されていて胸に迫ります。コインがね、泣けます。やられます。
そしてそういうのひっくるめて日和佐のことを好きになってしまった千夏史の「子供」と言われたくない臆病な想いが健気。
一方の日和佐は、だれかれかまうことなく寝ることで過去の恋を忘れようとしているけど、逃げているだけで決別しきっていません。
日和佐って、オトナかと思ってたらずい分ダメな奴だったのは、そのあたりに原因があったんですね。この作品で納得しました。
ちゃんと過去に向き合うことができて、やっと千夏史との恋愛にも踏み出せたラストはとてもよかったなぁとしみじみ感動できます。
やっぱり、こういうの書かせたら砂原センセはうまい。
Hシーンも最初と2回目では二人の距離がはっきり変化しているのが感じられます。はじめのは日和佐の苦しい気持ちが混じった言葉攻めだったんで、せつなかったけど。2度目のは甘かった。
この話だけ読むよりも、「センチメンタル・セクスアリス」とセットで読んだ方がおすすめです。 -
『センチメンタル・セクスアリス』の番外編
脇キャラの日和佐の話。
千夏史は9つ上の幼なじみ日和佐の事が好き。日和佐は男女構わずモテて大人のカメラマンで。
知り合った時「子供は嫌いだ」と言われたので大人になるのを密かに待っていたが20歳になったからと言って二人の関係は変わらず。
亡くなった兄・由多夏と付き合っていた日和佐、由多夏の代わりになりたい訳じゃない、でも…。
あ〜切なかった。そしてぐいぐい読ませた。
亡くなった人が居る話は閉鎖的でツラい。
それを乗り越える話だからもちろんいいのだけど。
千夏史も日和佐も亡くなった由多夏を越えることは出来なくて何か悶々としてる。死んだ人には勝てないよ。忘れるんじゃなくて昇華させなきゃいけないのよね。
『センチメンタル〜』をCDの安元さん目当てに聴いて、原作を読んだけど、読了後にどーんと響いたのはこちら。これCD化すればいいのに。切ない鳥海さん聴きたい。
Hシーンは二人の気持ちが通じあった後のがエロい。千夏史が何もしらなくて翻弄されるのがいい。今後はぜひ日和佐の手練手管にハフハフされるところを読みたい(笑)