ファントムレター (幻冬舎ルチル文庫)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344824508

感想・レビュー・書評

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  • 幼馴染みはいいな。
    都会から田舎へ転校したことから始まる2カプの話。
    設定、対比が面白くて…あちこちに見落とせないアイテムが散りばめられている。
    小学生が見つけた手紙を私達は一緒に読む、訓の知らないこと 真頼も忘れたはずのこと。
    鬱陶しい季節からさわやかな季節へと移り変わる中で…手紙が過去と現在、大人と子供の世界を近づける…。
    都会はいつもどんより 雨空か夜なのに 田舎はひろびろして爽やかで、人目が鬱陶しい田舎であるのにも関わらず、その描写に惹き付けられる。変わるもの 変わらないもの…。相反するように思えるものが 近づいて重なっていく。
    故郷
    訓が「おまえが考えるほど、小ノ里は悪い町じゃないって。良くも悪くもない、ただの田舎だ」と言った。営業職でそつなく生きているようで 都会に馴染めないところもあり 真頼が故郷を完全に捨ててしまうことに寂しさを感じているところ、 訓も可愛いな。
    真頼にとっては…。
    「身を乗り出した梢野の目に飛び込んできたのは、…」P.278の情景がたまらない。
    コスモス おむすび おおさんしょううお 夏休み あおい空
    プロフィットロール ポルチーニのリゾット
    オサムに書いたサトルへの気持ち、 治に語った今の訓への気持ち。

    色々、妄想をかきたてられる話です。 山田親子とか。 これで山田が ポリポリ頭かきながら 赤くなってくれれば満足なんだけど。

    双葉ちゃんが好き。

  • 構成がとても良かったと思う。真頼と訓の恋はもう過去のものになってしまっていて、けどその恋の様子を当時の真頼が書いていた手紙で治と双葉が知って……。
    手紙の内容が本当にバカだなあ、という感じなんだけど、だからこそリアルに真頼の感情が伝わってくるというか。本当に良かった。
    真頼と訓はもちろんだけど、治と双葉がこれからどうなっていくのかとても気になる。

  • 面白い設定でしたね。大人と子供の恋愛が同時進行というか、大人の二人の過去を手紙で綴っているっていう所が面白いんだけれど、ちょっと読みづらかったかな?一番気になっていたのは何故、梢野が結婚したのか!だったのですが、物語のポイントにもなると思ったのですが、私的にえ~!!そこで出すのか・・・、という気持ちだったかな?もっとプラス方面に向かう形で出されるんだと期待してたので、マイナス方面に行っちゃったのがね~。

  • 大人になった二人の恋と、現在思春期進行中の少年二人の恋がうまく絡み合っていておもしろかったです。
    タイトルがファントムレターということで、本編にも手紙が出てくるのですが、最後の方は思わずうるっとしてしまいました。
    砂原さんが好きな方は読んで損はないと私は思いました!

  • あんまりBLぽくない話だったなぁと思いました。温度とか糖度は低め。話寄りだったかな。大人と子供の2組出てくるのですが子供の方がどきどきしたかもしれません。純粋だし。主人公が小学生の頃から日記のように書き続けていた手紙を偶然小学生が見つけてしまって、という形で2組同時進行。手紙の内容によって主人公達の過去を読者も知る形でした。手記ぽい感じというか、それで恋愛小説ぽさが薄かったのかも。
    田舎はね、やり辛いですよね。いつまで経っても過去の噂は消えないし。それでも上京してからはもっと何とかなったんじゃないのかなと思いました。10年勿体ない!臆病になって、ボタンを掛け直すタイミングを逃してしまったみたいな、そしてずるずる。そんな話でした。いつ、子供の気持ちを、真剣さを、一過性のものだと思うようになってしまうんでしょうね。自分だって、確かに子供の頃憤ったはずなのに。情熱を持ち続けるのも難しいと知ったからかな。
    小学生達は阿蘇が舞台なのですが、砂原さんって九州なのに何でこんな方言変なの…?と思ってたらあとがきで苦悩が書いてありました。いやそれにしても違和感ありすぎじゃ(笑)他県が持ってる印象合わせで書いたんだろうか。
    初めて見るレーターさんだったのですが表紙はいい感じだったのに中は…うーん。

  • うるうるです。切ないです。

  • 砂原ワールド全開の10年愛。29歳幼馴染みcpの訓×真頼と、小学生cpの治×双葉、そして幻の手紙が、時を越えてこの2組をつなげ合うというストーリー。はっとさせられる、巧みな構成です。
    都会と田舎という、環境のコントラストが生きているな~と思いました。田舎は長閑で自然があっていいけど、連帯感が強くすぐに噂は広まるし、虫が苦手な者には住みづらいという描写が、リアルで面白かった。それに比べ、都会は自由があるけど、群衆の中の孤独を痛切させられるのも共感。

    東京で真頼がシェフとして働いている店に通いつめる、広告代理店に勤めている訓。二人がどんな関係なのか気になるうちに、「手紙」によって徐々に明らかになっていきます。
    手紙というカタチはシンプルだけど、ちょっと古臭くてそれだけで懐かしい感じにさせられます。治と共に、拙くも心情あふれる手紙を読んでいくうちに、時間が逆行して昔に引き戻されて、訓と真頼がどんな学生時代を過ごしたのかわかってきて、胸がいっぱいになってしまいました。
    その後の女子がらみのところは、切ないし辛いし。

    大人になった真頼が、自分の本心を心に封じ込めて都会で生活する理由も切ないですが、訓も強気に出ることができず友人として接することしかできなかったのも分別ある大人になってしまったゆえだったんでしょうか。親との確執がハンパなかったのも伝わってきました…
    そんなぎくしゃくした大人cpが子供cpに助けられ?ていたのが、何といってもほのぼのでした。
    治と双葉がかわいくて、でもちょっと生意気でキュンキュンさせられました。よかったです。この小学生cpの今後には、ものすごく期待させられます。

    Hシーンは私的に好み。センセのは全体的にいつもツボなんですが、今回手紙の中で描かれていたのが、想像力に頼るしかなくて非常に煽られました…妄想大爆発。

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