- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344827240
感想・レビュー・書評
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愛人ものの、甘めでシリアスなストーリーです。さらっと読むのには好都合。
大学院生の透里は、母親の入院がきっかけで預金が底をついていることを知り途方にくれてしまいます。
仕方なく透里は、母親の入院費や家賃を工面するために恥を忍んで、かつて1年だけ家族として暮らした敷島家の息子である海里の元へ会いに行くのですが。
透里の母親に問題あり、なんですよね。透里の母親と海里の父親は子連れ再婚同士だったのですが、1年ほどで母親は勝手に透里と二人で家を出てしまうのです。幼い海里はわけもわからずついて行きたいと言うのですが、騙されるような形で置き去りにされてしまいます。
そのことを後悔して後ろめたく思っている「兄」と、多分まだ引きずっているはずの「弟」
大人になった今も、そのわだかまりが二人の間に溝をつくっているわけなんです。とは言うものの、このストーリーのシリアスなんだけどアホらしくなってしまうくらいラブ満載。
視点が透里からというのがくせ者ですね。透里は苦労知らずで育てられたようで、かなり流され系で、恋愛に関してもオクテ。
だから、海里への接し方もとても不器用です。彼が自分のことをものすごく憎んでいると思い込んでいたりして、一生懸命愛人やってしまうところが、いじらしいし、かわいかったりします。
透里が想っているより、ずっと海里の方が想っているのがみえみえなんですが、そのことに透里がまるで気付いていない…という王道パターンです。
嫌いじゃないので、先が読めてしまってもつい読んでしまいます…
ちゃんと海里視点のショートも収録されているので、納得できてかゆいところに手が届いていました。
もうひとつのショートも王道イチャラブで、ごちそうさま!としか言いようがなかった…
突っ込みどころはいろいろあったけど、甘さを楽しむだけならまあこんなもんかな、と許容できました。
ただ、もう少しヒネリが欲しかった気もします。詳細をみるコメント0件をすべて表示