11 (バーズコミックス スピカコレクション)

  • 幻冬舎コミックス
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344833623

感想・レビュー・書評

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  • 表紙の男の子「春義くん」をめぐる連作。
    春義くんは義母に虐待されていた団地住まいの男の子。
    春義くんはモテる。彼の育った環境、そのバックグラウンドが多かれ少なかれまわりの女性たちを惹きつけている(顔が良いってのももちろんあるけど)。
    でも最後、ほぼ強制的に春義くんをハッピーエンドにぶん投げるのは、春義くんの過去なんて何にも知らないあーぱーな子なんだよね。それが本当にそうだよな、って思う。
    春義くんのことが気になったり心配だったり、彼の過去を自分のことのように思い悩んだりするような人は、彼の本当の救いにはなり得ないだろうな、って。トラウマに囚われている自分のことなんて、考えもしない子が春義くんを救う。彼女といれば、春義くんは過去を生き直さないでもいい。純粋に未来に生きればいい。春義くんを解放してくれるのはそういう人だって、彼のことをずっと気にかけていたみっちゃんもそう思ったんだろうな。

  • なんだ、もう、すごくよかった。あとがきまでばっちりと。

  • 春義君をめぐる11の物語。
    主人公の春義君は多くを語らない。のに、彼の周りの11人の人間が彼の姿を明らかにしていく。

    虐待、自殺、異常性癖のDV女、トラウマ。
    題材は暗いんだけど、最後はナチュラルボーンバカ女にすべて持ってかれて明るくフィニッシュとなる。
    このバカ女こと白雪もいいし、虐待を知ってて心を痛めていたミキも好きだし、救世主おばはんこと英子さんもいい!

    いがわうみこって天才だな。

  • 養母からDVを受けた少年~青年を中心に据えて、時系列シャッフル、いろいろな人の視点から描かれる。
    特に印象深かったのは、52,53ページ。
    「響子さん帰ってこないね」
    「……はい」
    「よかったね」
    二者の表情。

    トラウマとは全然関係ないぱっぱらぱーな女の子が最後に来るのも、いい。

  • ビレバンで見かけて表紙買いした本。なかなか面白かった。
    人生には人との関わりが欠かせないし、自分のことを見ては苦しみを悲しんだり、幸せを喜んだりしてくれる他人が存在することが、ある意味での救いなのかもしれない。

  • 救世主ババアが良かった。すごく。

  • いろんな人からの視点で物語が繋がり合う。
    内容は大声で笑えるほど明るいものではないけれど、ひっそりとした暖かな物語です。

  • 本当天才だと思うんですけど。いがわうみこさん。
    フィーヤンからコンスタントに発売される漫画はどれも面白くて大好きで、一見冷めてみえる登場人物も根底にはあたたかいところが必ずある。

    読んでいる間、ずっと没頭してぞくぞくして、いろんな人から見たひとりの男の人生、気づいたら私も傍観者でお話の中から逃れられない感覚に陥った。

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