銀の祝福が降る夜に (リンクスロマンス)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344844452

感想・レビュー・書評

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  • 大好きなアルベルトと一緒にいるために、嘘をつき続けなければいけないサーシャ。どんなに好きでも、本当のことを知られたら一緒にいられなくなる。そう思っているサーシャが悲しかった。その「秘密」はサーシャが悪いわけではないのに...。と。2人が一緒にいるところを見るのは、穏やかで幸せな気分になれるから、のんびりと散歩ができるくらい平和であって欲しい。と思った。

  • とっても好みだった。
    宮本れん先生は初読みでしたが、相性良かった。
    続編楽しみ。

  • ▼あらすじ
    きらめく銀髪と儚げな美貌を持つ天涯孤独の人狼は、その血統の稀少さ故、狼の血族であることを隠し、ひっそりと暮らしていた。働き口を探し町に出てきたところを、偶然居合わせた男に助けられ、その親切さに心惹かれる。しかしその後、彼が実はお忍びで町に出ていた国王であり、自らの家族を亡き者にした敵であると知ってしまい――?
    運命の恋に身を焦がす、身分差&宿命のロマンチックファンタジー!

    ***

    ストーリーの完全度:非常に高い
    トーン:せつない・あまあま
    エロ度:普通
    萌え度:非常に高い
    総合評価:★5.0

    長いこと積んでいたのを後悔した作品。宮本れん先生の作品は過去にも何冊か読みましたが、この作品が一番好きです。
    CP、ストーリー、雰囲気…どれを取っても素晴らしく、文句の付けようがありません。
    アルベルトは優しさと逞しさを兼ね備えた理想のスパダリ攻めだったし、サーシャは天使並みに良い子で理想の健気受けでした…!(T-T)
    アルベルトサイドのキャラクターも良い人ばかりで、取り分けフランシスとテオドルは会話が面白く、スピンオフを望んでしまうくらい魅力的なキャラでした。

    中世の北欧を舞台にしたという作品の雰囲気もどこかお伽話のようで凄く良かったですし、何よりストーリーに深みがあって本当に面白かったです。
    実はあらすじも禄に読まずに購入したので、サーシャの父親を殺したのがアルベルトだと明らかになったシーンはサーシャと同様にショックを受けるほど物語にのめり込んでました。
    しかも、アルベルトの弟もまた狼に殺されていて、二人とも大切な家族を目の前の相手によって失っているんです。(どちらも間接的にですが)

    本当は憎むべき相手だったと気が付いた時には既に惹かれ合ってしまっている状態で、一早くその事実に気が付いたサーシャが一人で思い悩むのですが…これが本当にせつない。
    サーシャ、めちゃくちゃ良い子なんですよ。アルベルトが自分の父親の命を奪った相手だと気が付いても、本気で憎んだり恨んだりするような事は一切ないんです。
    大切な家族を失ったという意味では、アルベルトもまた被害者な訳ですしね。それでも好きになった相手が父親の仇だったなんて複雑ですし、正体を隠している事への罪悪感もあって悩みながらもアルベルトに対する恋心は日々膨らんでいく一方…。

    そしていよいよサーシャの正体を知ったアルベルトは動揺し、酷い言葉でサーシャを詰るのですが…このシーンもめちゃくちゃ辛かった…。だって、私がアルベルトの立場だったらやっぱりショックだし、同じような言葉をサーシャにぶつけたと思うから…(T-T)
    それでもアルベルトの良いところは、冷静になってからちゃんと謝りに来るところなんですよ。

    だけど、この後の展開がまた辛くてですね…!サーシャとアルベルトがギクシャクする中、とある闖入者のせいでまたアルベルトが冷静さを失います。
    サーシャの件で臣下に理不尽な怒りをぶつけるアルベルトを見て、自分のせいだと責任を感じたサーシャは件の闖入者と一緒に城を抜け出します。
    まぁ、その闖入者というのがまた最低なクズ野郎で…サーシャは人の姿を保てなくなるほど心身共にボロボロになってしまうのですが、最後はちゃんとアルベルトが助けに来てくれます。

    紆余曲折を経て結ばれた二人ですが、アルベルトの国では狼って忌み嫌われた存在だし、禁忌とされる狼の子と国王の結婚なんて周りが許すのかな?と心配していたら、その辺もちゃんと考えられていて納得のいく結末でした。
    最後の方で明かされた「銀の祝福」というタイトルの意味も凄くロマンチックで素敵でしたし、読後感も良くて本当に心の底から読んで良かったと思える作品でした。何度でも読み返したい作品の一つです(*^^*)

  • とても読後感の良い、優しい気持ちになれるお話でした。

    主人公の美少年サーシャは人狼と人間の女性との間に生まれた、半分は狼の属性を持ちます。
    ある日、父は狼狩りで無残に殺され、残された母も後を追うように亡くなりました。
    人狼であることを知られていけないと森を出なかったものの、食料が尽きて町に出ることに。
    悪い男にだまされて売春宿に連れてゆかれましたが、そんな急難から助け出してくれたのが国王アルベルトでした。

    最初は二人ともお互いが何者であるか知らずに出会い、ひとめで強く惹かれ合った二人。
    サーシャは「国王の癒やし」として城で暮らすことになりますが、やがて、悲しい真実を知ります。
    それは愛する人の弟が遠い昔、狼に屠られたこと、更に弟を奪われたアルベルトが王として狼殲滅を命じたというものでした。
    アルベルトにとって自分は目の敵であり、また彼も自分にとっては父を殺した憎むべき敵であるー、残酷な現実がサーシャの前に立ち塞がります。

    晴れて両想いだと知り、結ばれた直後に知らされたあまりにも過酷な事実に、サーシャはもう自分は彼の側にはいられないとまで思い詰めるのですがー。

    読んでいて優しい気持ちになれるのは、アルベルトとサーシャの両人ともが常に自分より相手のことを考えているからでしょう。
    また、互いを想い合うカップルというのは割とどのお話でも見かけるのですが、この二人は自分たちだけでなく他の周囲の人たちのことも常に考えて行動しています。
    そういうところがとても好感度が高かったのだと思います。
    嫌みのないお話ではあるのですが、やはり、その分、ストーリー的には少し盛り上がりに欠けるかなという
    若干の物足りなさは感じたというのが正直な感想です。
    ラストは互いの恩讐も超えて晴れて心身共に結ばれた二人、良かったです。

    アズベルトのサーシャに向けた真摯な告白、求愛の言葉が心に残りました。
    「俺がおまえに触れたいように、おまえにも俺を欲しがってもらえたらそれだけで嬉しい。愛し方はひとつじゃない。上手下手もなければ、正しいやり方なんてものもないんだ。俺はただ、身も心もさらけ出してひとつになりたい。サーシャ、おまえと、、、、」
    「どうか傍にいてくれ。どこにも行かないでくれ。俺の人生にはおまえが必要なんだ、サーシャ」

     最後の二人の結婚式のシーン。
    「今日まで、本当にいろいろなことがあった。けれど、今なら言える。愛を取るためにする努力ほど尊いものはなく、愛のために捨てるものほど惜しくはないものはないと。」
    サーシャが亡き両親に心の中で語りかけるつぶやきも心に残りました。

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著者プロフィール

1月30日生まれ。水瓶座O型。旅行と宝塚歌劇鑑賞が趣味で推しを推しながら生きています。2013年に商業デビュー。

「2023年 『異世界召喚されましたが、推しの愛が重すぎます!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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