作品紹介・あらすじ
オメガ=白銀、アルファ=山吹と呼ばれている日本の戦国時代。もとは普通の人間だったが、髪が白と黒の斑になる“陰陽白銀”となった操は、金で買われて山吹に嫁ぐ日を待っていた。そこへ現れた朱虎は、以前操が住んでいた小国を治めていた時藤家の嫡男。農民にも分け隔てなく優しかった朱虎は子供の頃の操の命の恩人だった。まさかここで再会できるなんて。喜ぶ操だったが、朱虎からは忘れられている上に自分は囲われの身。どうすることも出来ないと諦めていたら、朱虎がこっそり操の庵に忍んできて“夫婦ごっこ”をしようと言ってきてーー!?
感想・レビュー・書評
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時代物オメガバース。山吹至上主義の世界で、一度は嫡男になったものの山吹の弟が生まれたために廃嫡にされたイロナシの朱虎と、年頃になると白銀と判明する凡庸な陰陽白銀の操。
がむしゃらに前に進む朱虎の姿が力強く、でもその原動力となる出来事がとても腹立たしく切なくて。影綱も辛かったろうな。強くなければ嫌われると思っていた朱虎が、操に弱さを見せるシーンはもう胸にきます。短編で操が幼い朱虎を抱きしめるシーンもうるっとくる。操の願いでもあった。これからも仲睦まじく力強く進んでいって欲しいな。
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雨月さんのお話って受けも攻めもほんとーに努力するんだよね。ご都合主義的な展開がなくてつい応援したくなっちゃう。この作品もまた然りで、オメガバースの話なだけに「そんなこと言っても後でどんでん返しあるんじゃね?」とか疑って読んでたら、山吹がなんだってんだー!と2人を応援してた。こんなオメガバースならどんどん読みたいなぁ。
著者プロフィール
4月14日生まれのAB型。広島人。第66回花丸新人賞選考にて『プライスレス・ライフ』が選外佳作入選。花丸文庫「恋愛小説は書けない」にてデビュー。
「2019年 『白狼さまの恋ぐすり』 で使われていた紹介文から引用しています。」
雨月夜道の作品
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