ネット帝国主義と日本の敗北: 搾取されるカネと文化 (幻冬舎新書 き 1-1)
- 幻冬舎 (2010年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344981577
作品紹介・あらすじ
今ネットの世界では、グーグル、アマゾンなどに代表される米国ネット企業だけが莫大な収益を上げ、一人勝ちしている。これらの企業は、オバマ政権の後押しも受け、その帝国主義的拡大をさらに押し進めている。一例であるグーグル・ブック検索の問題では、ヨーロッパ各国政府がグーグルの提示した和解案に反対の姿勢を明確に示し、国家の威信をかけた抵抗が始まった。このままでは、いつまでも毅然とした姿勢を示さず政策を間違い続ける日本だけが、カネと文化を搾取されてしまう。国益の観点からネットの危機的状況を初めてあぶり出す。
感想・レビュー・書評
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流通独占と無料経済による「文化とジャーナリズムの衰退」と「米国による世界支配」が、いかに危機的な状況であるかが解説されている。
ネット経済で一番利益を得ることができるのは「プラットフォーム」。プラットフォーム産業の利益が増えるに従って、コンテンツ産業の経営は悪化し、文化は衰退していく。さらにプラットフォームのほとんどが米国企業という・・
web上のメディアでは、こういったネット上の自由を否定するような考えは、既得権益扱いされてほとんど黙殺されてしまうので、この本に書かれている考えに触れることは重要。
ぼくのような一日の大半をネット上の社会で過ごしている人間にとって、「国益」なんていうのは古い考えかたじゃないかと思っていたけど、日本のコンテンツ産業が衰退するのは確かに悲しい。
まあ、いづれにせよ、ぼくら日本のweb業界の人間が頑張らなければということだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
○儲かっているのは、プラットフォーム
・プラットフォームは、米国企業が席巻
○フェアユース規定
○米国愛国者法
国歌の安全保障のためにはネット上の情報がいかに重要であるかを
ネットを作り出した米国地震が宣言したという意味で、エポック
メイキングな出来事
○米国の政治とカネ
オバマ旋風をまきおこした、オバマのHPは、フェイスブック共同創業者
のひとりである、クリス・ヒューズ氏が中心になって構築した。 -
本書の結論としては
・ネットの「タダ」文化によりジャーナリズムと文化が破壊される
・米国のITプラットホーム独占により日本の富を吸い上げてしまう。
ということが言いたいようです。
リアルとネットで常識が異なるので、ネット帝国主義に気づいている人が少ないというのは、言われてみればどうだと納得です。
でも、国産プラットフォームによる我々の利点はよくわかりませんでした。
ネット原理主義的でもなく、ネットを敵視する文化人でもない、新しい視点という意味では参考になりました。 -
ポジション・トークと言うか、分かるけどオマエがいうなよ感ビンビンというか…。
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文章が読みづらい・・・
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図書館
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よくありがちなインターネットやGoogle賛美の観点ではなく、マクロな国益の観点からインターネットの現状を批判的に捉えた良著。
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確かに私も米国ネット企業のプラットフォームばかり使っている…。
そういえば、ニコニコ動画の衰退をyoutubeと比べて悲しんでいる人をネットで見かけたりするけど、私もちょっと前はニコニコ動画をよく見ていたけど、最近はyoutubeのほうをよく見ている…。何でだろう…。youtubeって、開くとすぐトップページに自分の再生頻度の高い大好きな動画の羅列から始まって(しかもそれが関連動画も含めたミックスリストになってるし)、最近見た動画による関連動画や好みの新着動画や好みの今やってるライブ配信が特にページ移動しなくてもいっぱい表示されてるから、気になって再生しちゃうんだよね。ニコニコ動画は、自分の好きな動画をちょっと見ようかなと思う時に、youtubeよりも掘らないといけない感じがするかも。米国ネット企業って、シンプルで、もよおす感じの餌のみが目の前に撒かれている感じがすごいかも…?とちょっと思った。
あと、動画をブログとかSNSに貼る時「youtubeを貼る」みたいなyoutubeマークのボタンが編集画面にあるから、何も考えずにyoutubeでばかり動画を探していた…。
米国ネット企業なのかとか日本ネット企業なのかとかもうちょっと考えてネットを使ったほうが良いなと思った。 -
なるほどと納得させられる点がいくつもある.
ただ,おそらく意識してだと思うが,極論に近い書き方をしているところもあり,前提知識が十分な人にはそれもふまえて主張が大変よく理解できるのだが,そうでない人が鵜呑みにしてしまうとちょっと怖いところも.