なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか: 変わりゆく死刑基準と国民感情 (幻冬舎新書 も 6-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344982185

感想・レビュー・書評

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  • とても後味の悪い本。タイトルにある「なぜ」についてはほとんど語られることはなく、公平に語ることを装いつつ「死刑廃止こそが正義」ということを刷り込もうとするかのような書き方がとてもいやらしい。
    「読者に価値判断を任せる」と言うならば、死刑を是とする意見と非とする意見を等しく紹介して委ねるべきだと思うけれど、そうした姿勢を見てとることはできない。(例えば数百人という終身刑受刑者の「食う寝るところに住むところ」を、「人を殺したけれど自分は絶対に殺されない」という安全安心を、三度の食事と僅かとはいえ娯楽を、死ぬまで税金で面倒を見ることについて触れられることは無かった)
    死刑の存廃について考える上で今まで知らなかったことを教えてもらいもしたけれど、「看板に偽りあり」と言わざるを得ない本だったように思う。

  • 死刑囚の獄中記(ほとんどの重犯罪者は反省しないらしい)を読んだあとでは遺族の被害感情を満足させるためには死刑しかないのではないか。
    反省して罪と向き合う死刑囚が多くいると思えない以上、囚人の基本的人権を考慮したとしても、税金を投入して生かすことが馬鹿らしく感じる。
    ただ、死刑囚手記のサンプルが少ないため、もう少し読み込んでみたい。

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著者プロフィール

1959年東京都生まれ。東京大学法学部卒。東京地裁、大阪地裁などの裁判官を務め、現在は弁護士として活動。裁判官時代には、官民交流で、最高裁から民間企業に派遣され、1年間、三井住友海上火災保険に出向勤務した。著書に『司法殺人』(講談社)、『死刑と正義』(講談社現代新書)、『司法権力の内幕』(ちくま新書)、『教養としての冤罪論』(岩波書店)ほかがある。

「2015年 『虚構の法治国家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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