仕事なんか生きがいにするな 生きる意味を再び考える (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 79
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344984479

感想・レビュー・書評

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  • 健康なんだけど、ここ数年、本当に燃料切れという感覚を持っていて、不思議に思っていたのだが、この本に出会えて自分の状況が理解できたように思う。良かった。

  •  現代人は生きるために日々「仕事」をする。しかし、仕事や労働で忙しいあまり、多くの人々が疲弊しているのではないか。本書は、そんな疑問を持つ読者に向けて、精神科医の著者が答える。
     まず、著者は、現代人の消費活動は受動的であることを指摘する。言い換えると、多くの人々は、自分の内面に向き合わず、周囲の情報に翻弄されて、生活を満たすために、何か代わりとなるものに依存し、満足してる。これと関連して、現代思想(ポストモダン)の問題点を簡潔にまとめている。科学技術の発展、また、人間の理性を過剰に信頼した時代、目新しいものやよくわからない物事を良しとする風潮があった。とにかく差異性を求めたが、結局は何かを解決したわけではなかった。このように、試行錯誤したものの、依然として近代的価値観は残っている。
     では、労働を良しとする近代的価値観に、どのような対抗で打つべきか。そこで鍵となるのが、「即興」である。近代は、人間の理性、合理性を重視する。そのため、無駄なこと、非合理なことは悪いこととされる。ところが、著者はあえて、一見無駄で役に立たないことが実は大事だと唱える。効率や計画性を無視して、今すぐに思い浮かんだことを試してみる、そんな心構えが、今の生活が息苦しい人々に良いきっかけを与えるのではないだろうか。

  • こんなに引用が多かった本は、はじめてかもしれない。

    私たち現代人はいつでも有意義に過ごすべきだ
    と思い込んでいる、一種の「有意義病」にかかっている。
    常に価値を生むことを求められてきた私たちは「有意義」という呪縛の中でもがき続けていて、大切な「意味」を感じるような生き方を想像する余裕すらない状態に陥ってしまっている。

  • 生きる意味・生きがいを見つけるヒントを得たくて手に取ったが、どうだろう
    実践として、頭の前に心と身体がどう感じているかを大切にしていこうと思う…
    もう一度読みなおしてみようと思う

  • さすが泉谷閑示先生

  • 生きる意味を考えるきっかけとなった
    古典からの引用は、その原典を見ていない私としてはその真意をキチンと掴み取る事は出来ていない気がする

  • 一生手元に置いて読み直したいと思えるような、素晴らしい書籍だと感じました。仕事がどうして辛いと感じてしまうのか、世の中の状況や、過去の哲学者や文学者の言葉を用いて具体的に説明してくれています。
    会社で働くのが何となく辛い、虚しいというのが何故なのかがはっきり理解出来ました。タイトルから、仕事の自己啓発本かと思いますが、仕事だけでなく生きることについて考えさせて教えてくれる本です。

    何でも金に換算する消費社会の中で、効率と効果が崇拝されて、質は価値を失ってしまい、仕事のほとんどが単純労働化されてしまいました。こんな単純労働とすぐに消費されて消えていくものを作るために長い時間をかけて働いているのか‥、という違和感が虚しさとなってきます。

    効率や効果は仕事だけでなく、日常生活も支配していき、日々を味わい楽しむという感覚が消えてしまっているんですよね。

    書籍では、日常に遊びを取り戻すことを推奨しています。思考で考えて行動するよりも、身体の感じるままに行動してみる、それにより子供の頃に遊んだり探検したときに感じたようなワクワクが蘇ってきます。

    本当に素晴らしい本なので、働くことに違和感を感じている方、生きるのに虚しさを感じている方はぜひ読んでみてください。

  • you tubeの要約チャンネルで見て読みたくなった本。
    よくある一般論が書いてあるのかと思ったら、作者の先生がとてもよく研究しておられる内容でとても読みがいがあった。
    単なる精神論ではなく、根本的なものの考え方を教えてくれる。

  • 経済至上主義に傾倒しがちな現代において、仕事なんかを人生の中心にせず、もっと無駄を大切に自分らしく生きていいんだと背中を押してもらえた気分。
    引用がやや難解だったが、直後に著者による解説があるため抵抗なく読めた。
    日常を「小児」のように遊び、芸術的に観照生活を送りたいと思う。「意義」より「意味」を。

  • 古典を多く引用しながら、著者の哲学や芸術論を述べ、そこから人生を豊かにする生き方、遊び方を論じていく。
    色々吟味しながら生きてる方なんだなという印象を受ける一方、とにかく言いたいことを次々全部言っちゃったって感じもして、時々「これ、何の本だっけ?」って思った。ただ、それ自体がこの本で論じている"遊び"の中で書き殴った作品だとしたら、とても良いと思う。

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著者プロフィール

泉谷 閑示(いずみや・かんじ)
精神科医、思想家、作曲家、演出家。
1962年秋田県生まれ。東北大学医学部卒業。パリ・エコールノルマル音楽院留学。同時にパリ日本人学校教育相談員を務めた。現在、精神療法を専門とする泉谷クリニック(東京/広尾)院長。
大学・企業・学会・地方自治体・カルチャーセンター等での講義、講演のほか、国内外のTV・ラジオやインターネットメディアにも多数出演。また、舞台演出や作曲家としての活動も行ない、CD「忘れられし歌 Ariettes Oubliées」(KING RECORDS)、横手市民歌等の作品がある。
著著としては、『「普通」がいいという病』『反教育論 ~猿の思考から超猿の思考へ』(講談社現代新書)、『あなたの人生が変わる対話術』(講談社+α文庫)、『仕事なんか生きがいにするな ~生きる意味を再び考える』『「うつ」の効用 ~生まれ直しの哲学』(幻冬舎新書)、『「私」を生きるための言葉 ~日本語と個人主義』(研究社)、『「心=身体」の声を聴く』(青灯社)、『思考力を磨くための音楽学』(yamaha music media)などがある。

「2022年 『なぜ生きる意味が感じられないのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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