『君たちはどう生きるか』集中講義 こう読めば100倍おもしろい (幻冬舎新書)

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  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344985216

感想・レビュー・書評

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  • ・ザ・便乗本。
    ・カバー袖の著者略歴が胡散臭い……。
    ・確かに小林よしのりとの関係とか、90年代の動きとか、胡散臭いのは間違いない、というかそういう文脈のライター。
    ・しかし調べてみたら、「澁澤龍彦の時代 幼年皇帝と昭和の精神史」の著者だと知り、ちょっと嬉しい。
    ・で、実際読んでみたら、なかなか面白い。
    ・原作の作中人物を惣流・アスカ・ラングレーと譬えて、彼女が割愛された漫画版はダメだと出張(おじさんの敵キャラとして必要)。
    ・ギフト需要。
    ・よしりんや池上彰ら先人の絶賛にケチをつけていく。
    ・理想論 → 政治の次元 VS モラルの次元、と腑分け。
    ・西原理恵子「自由ってね、有料なんですよ」。
    ・評論は二次創作。
    ・読書会。→石原千秋が絶賛している。

  • 本の需要が、贈り物や人へのオススメとして存在してる。だから、漫画版では、子供向けではないところは排除された、と。なにそれ全く意味ないじゃん。

    下手に編集された本はテレビと変わりませんね、的な。

    まずは、漫画版ではない原書を読みたいと思います。

  • 大ベストセラー、マンガ版『君たちはどう生きるか』は、原作の凄みを全て削ぎ落としてしまった!かの名著は、友を裏切った少年を諭す道徳の教科書でも単純な反戦の書でもない。美少女ヒロインを陶酔させる戦争賛美の哲学が、マルクス主義と激突する現代思想対決?暴力支配を倒す政治ドラマ?丸山眞男も池上彰も誤読した原作者・吉野源三郎の「仕掛け」と裏メッセージを読み解いたとき、説教臭い古典は、いじめの解決、ポピュリズムの怖さまでを甘酸っぱい初恋に包んで訴えた現代エンタテインメントとして甦る。

    目次
    プロローグ 昭和純情篇(ヒロインが登場しないマンガ版、逝ってよし;ギフト需要―本は読むために買うものではない ほか)
    前篇 美少女・ナポレオン・唯物史観(1937年のボーイ・ミーツ・ガール;歴女かつ子さん、コペル君をいぢる ほか)
    後篇 正義が有料であること(道徳の成績評価がされる時代が到来した;卑怯者!卑怯者!卑怯者!―コペル君、自己嫌悪に沈む ほか)
    エピローグ 東亜回天篇(評論とは物語が描けない者による二次創作である;浦川妹に萌えろ!―無表情クール・キャラもちゃんといた ほか)

    著者等紹介
    浅羽通明[アサバミチアキ]
    1959年、神奈川県生まれ。「みえない大学本舗」主宰。著述業。81年、早稲田大学法学部卒業
    (大居雄一『身になる読書術』の紹介より)

  • 「道徳の次元」「政治の次元」「軍事の次元」で分析しているのは、わかりやすくはあるが、結局力がないものは発言しても意味はない、とも取れ、読んでいて気分は悪かった。モラルと社会科学的認識の統合の部分のみやや同意。最後の妄想アニメ原作案がバカバカしかったが、ちょっと面白かった。

  • 安定の浅羽評論。
    「批評は二次創作」説は押井守御大もどっかで言ってた筈(『TVをつけたらやっていた』)。
     その辺の『君たちは~』評を読み込み、それらのどの辺はよくて、どの辺が誤読であるかをエビデンス込みでコメントし、まづ「二大正義」があると言ふのを書く。その、マンガ版で削除されたかつ子さんの説くナニと、おじさんのいふソレは、発行当時どうも日本に入りかけてた二大潮流であったらしい。
     原作がラノベ的であると言ふのは、へー。
     相変はらず、小林よしのり先生の他、西原理恵子先生の本まで引用し、『君たちは~』の時代背景と他を開陳してゆくのは、まだ作者が元気な証拠であらう。

  • 東2法経図・6F開架 B1/11/520/K

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著者プロフィール

浅羽 通明(あさば・みちあき):1959年、神奈川県生まれ。「みえない大学本舗」主宰。著述業。81年、早稲田大学法学部卒業。著書に『ニセ学生マニュアル』三部作(徳間書店)、『大学で何を学ぶか』(幻冬舎文庫)、『『君たちはどう生きるか』集中講義』『右翼と左翼』(以上、幻冬舎新書)、『教養論ノート』(リーダーズノート新書)、『思想家志願』『天皇・反戦・日本』『昭和三十年代主義』(以上、幻冬舎)、『「反戦・脱原発リベラル」はなぜ敗北するのか』(ちくま新書)、『ナショナリズム』(ちくま文庫)、『野望としての教養』(時事通信社)、『教養としてのロースクール小論文』(早稲田経営出版)、『澁澤龍彦の時代』(青弓社)、『時間ループ物語論』(洋泉社)等がある。

「2021年 『星新一の思想 予見・冷笑・賢慮のひと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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