火災・盗難保険金は出ないのがフツー (幻冬舎新書 か 13-2)

著者 :
  • 幻冬舎
3.22
  • (0)
  • (2)
  • (7)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 43
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344985377

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 保健事故の被害者救済を専門とする弁護士による、保険金支払を渋る損保との戦いを描いた法律ドラマ。

    自分は損保に勤めているが、さすがに普通はここまでやらんだろという印象なので、余程被害者と損保の見解が食い違った事例を例に挙げているのだなと思った。だからこそ書籍として面白いわけなのだろうが。

    とはいえ、安心安全を提供する損保の存在意義を考えさせられたのは事実。金儲けのために払い渋ることは本当に考えていないのだが、とはいえホイホイ払っていると一部の保険金詐欺を起こす人たちにつけ込まれてしまうのもまた事実で、だからこそある程度性悪説で対応せざるを得ない部分もあるのだと思う(損保の性質に鑑みてそれでも第二種の誤りを犯す方が深刻なので、低額支払の場合は極めてスムーズに払うわけだが。)。
    一方で本書が指摘しているとおり、肝心な場面できつめの査定をした結果第二種の誤りを犯すことは保険や保険会社の威信を失ってしまうことになるわけで、これをテクノロジー等の活用によっていかに無くしていくかが、「体験」が重視される今の世の中における保険業界の大きな課題。

    保険金支払の部署の人に読んでもらって感想を聞きたい。

    とにかく、筆者が損保に親を殺されでもしたのかというくらい辛辣かつ過激な表現を使っていて、読み物として面白かった。笑

    【過激なテーマたち】
    「失火を放火とされる火災事故」
    「台風を地震災害にすりかえる風災事故」
    「監視カメラの映像が残っていても支払わない盗難事故」
    「損保はあなたの泣き寝入りを待っている」

  • 損害保険の保険金不払い事案について、保険加入者の代理人を務める弁護士による実例が紹介されている。これを読むと、保険に入って安心、なんてとても言えない。保険金を出させる戦略もあるが、そもそも保険の効用に疑問を持ってしまう。

  • 保険金が出ないことに対する裁判内容がいくつか紹介されている。
    リーガルドラマみたいな感じもあり、当事者ではない限りは楽しい。当事者になったときの心構えになるかも。

  • 東2法経図・6F開架:B1/11/536/K

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

●著者紹介
加茂隆康(かも・たかやす)弁護士・作家。2008年リーガル・サスペンス『死刑基準』(幻冬舎文庫)で作家デビュー。他に『審理炎上』(幻冬舎文庫)、エッセイ集『弁護士カモ君のちょっと休廷』(角川書店)、同『弁護士カモ君の事件グルメ』(ぎょうせい)、新書は『交通事故賠償』(中公新書)、『交通事故紛争』(文春新書)、『自動車保険金は出ないのがフツー』(幻冬舎新書)などある。デビュー作『死刑基準』は、2011年、WOWOWでドラマ化され、東映ビデオよりDVDとしてリリースされた。『審理炎上』は、ブックファーストの2016年「絶対読得宣言!」のイチオシ本「PUSH!1st.」に選定された。東京・汐留で加茂隆康法律事務所を経営。交通事故の専門家として、テレビ、ラジオの報道番組にたびたび出演、新聞でのコメントも多い。一方、刑事事件にも情熱を注ぎ、これまでに、強盗殺人や放火の事件など、100件近い弁護を手がける。


「2022年 『密告の件、Mへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

加茂隆康の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×