人間の本性 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344985599

感想・レビュー・書評

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  • 丹羽宇一郎さん(1939年愛知県生まれ)の著書をブクログに登録するのは、2冊目になる。
    1冊目は、『危機を突破する力 これからの日本人のための知恵』。

    この本は2019年刊行なので、著者が80歳になる少し前に書かれたものと思われる。

    p120~122に、「ストレスを減らそうとするな」という内容があり、興味深かった。

    引用すると、

    医者は「ストレスになるので、あまり細かいことに気を遣わないほうがいいですよ」といったりしますが、それは間違っています。細かいことに神経を使うのが、その人にとっての自然体なのです。
    「ストレスを感じやすい性格なんですね」といわれても、物事を敏感に感じやすい性格というだけのことですから、神経をもう少し太くして生きようなどど思わず、そのままで生きていけばいいのです。それが自然体です。
    ストレスを減らそうと努めることで自然体で生きられるのではなく、ストレスという言葉を自分のなかからなくせば、おのずと自然体になっていくのではないかと、ど素人の私は身勝手に思ったりしています。

  • 先月読んだ『人間の器』に続き、丹羽さんの本から元気を貰おうと手に取った。
    社長になっても黒塗りの車に乗らず電車で通勤し続け、浪費を控えるという謙虚さ、そして現状に満足せず学び続ける向上心など、丹羽さんの魅力的な人柄が垣間見える。「私の履歴書」の執筆を断り続けたエピソードは面白かった。
    いろいろと独自の視点から、批判や見解を述べられているのだが、全然嫌味に感じられず、飾らない、自然体の優しいお爺さんという雰囲気である。権力と実績を携えて説教したり、自慢するのではなく、社会的な肩書を外した「ただの人」を普段から意識されているのだなと思った。
    次は『死ぬほど読書』を是非読んでみたい。

  • 著者は、伊藤忠商事元会長で読書家でも知られる丹羽さんです。
    「動物」的な本能をもっている人間が、いかに倫理観を大切にして、安定的な社会生活を営むか、という「人間の生き方」を考察した本でした。
    ぜひぜひ読んでみて下さい。

  • 人間の本性を自覚すると共に今の自分が如何に未熟な存在なのかと言うことを改めて考えさせられる一冊。
    人間の頭と心の未熟さを知り、「知識のなさ」と「心の傲り」をも自覚していかなければならないところに自分はいるのだと、もっと自覚していかなければならないと思った。
    そして何をするにも人間は努力することから逃げては成長はないということを改めて学べた。

    また「きれいごと」を信じていない人が私の周りには多いが私は丹羽先生と同じ考え方で、「きれいごと」を信じていない人こそ、実は現実をきちんと見ていないような気がしていた。
    「きれいごと」はしかるべき行動と情熱を伴っていれば、必ず通用する。という言葉がこの本の中で一番胸に響いた言葉だった。

  • 生きていくうえ、仕事をするうえでのヒント集みたいな本だった。考え方を育てるのに良いかも。
    下記は参考になった考え方。
    短所は逆から見れば長所になる。たとえば、鈍感な人は細かいことにくよくよしないとか。この見方は、結構仕事で使えるかも。
    あと、2:6:2の法則で、働きアリ2、普通のアリが6、怠けアリが2で、怠けアリを除外しても、残ったアリから怠けアリが出てくるという話。だとすると、管理者の立場としては、働きアリや、普通のアリに力を入れるべきというのは、当然のことてはないかと思いました。
    損得勘定ではなく、楽しいかつまらないか、気持ちいいかよくないかといった価値観で行動を起こしてみる。become目標とbeing目標。become目標だけだと後が続かないという話。
    正直、誰かの役に立ちたいとかいう気持ちは全くなくて、早いとこ仕事やめてだらだらしたいんですが、金銭面でなかなかそれが許されない世知辛い世の中ですね。こうした知識や考え方を活かして、普通のアリをどうにかキープして、ぼちぼち仕事を続けていこうと思います。

  • 普遍的なテーマである「人間とは何か」について、著者自身の経験をもとに語られた本。

    人間はいつまでも未熟な生き物です。だからこそ、未熟であることを自覚して、少しでもより良い方向へ進めるよう努める必要があるのです。そのことを本書は教えてくれます。

  • 自分が強くなったと思った時点で終わりだと。心を強くするために鍛えるとは書いてあるが、常に努力し続けなければならないものだと思う。つまりは保守が必要。仕事も同じ。変化の激しいこのご時世、蓄積だけでは食っては行けない。そう思うと楽にはならないのだと覚悟する必要があるのか。

    ここで述べられていることはすべて正しいと思う。自然体で生きることが書かれている。自分の評価は常に2倍増しになっているというのは悲しい話だがこれも思い当たる。常に謙虚であり、正しく生きることで幸福になれる。

    そんな一方で昨日読んだ哲学の記事で、現代は余暇すらも充実を求めようとするところに心の病巣があるというのを読んでハッとしてしまった。あらゆることで結果を求め、自分を追い立てている。筆者はそんな感じで実業界を牽引していたのではと思ったりもするが、自然体こそ心の病巣を克服するとも思える。

  • 人間の本性を切り口に書かれた、丹羽宇一郎氏
    の著作では異色の一冊。良かったです。

    人間の獣の本能から目を背けず、いかに理性との
    バランスをとるか?

    わかっていても出来ない葛藤我々にありますが
    常に絶妙のバランス感覚で、王道を歩んできた
    丹羽氏の凄さを痛感します。

    随所に独特の処世訓も散りばめられており
    学びの多い一冊です。

  •  人は悩みがあるから生きていける
    この言葉を見て、胸がスッとしました。

    忘れられることがあるのも人間の大切な能力とあり
    確かにな〜っと考えさせられました

    自分の中にある汚い部分としっかり向き合い
    自分に正直な人間になりたいと思えました。

  • 人がもともと持っている「動物性」な部分と折り合いをつけながら生きてく必要あり。

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著者プロフィール

丹羽宇一郎(にわういちろう)
公益社団法人日本中国友好協会会長。一九三九年愛知県生まれ。元・中華人民共和国駐箚特命全権大使。名古屋大学法学部卒業後、伊藤忠商事(株)に入社。九八年に社長に就任すると、翌九九年には約四〇〇〇億円の不良資産を一括処理しながらも、二〇〇一年三月期決算で同社の史上最高益を計上し、世間を瞠目させた。〇四年会長就任。内閣府経済財政諮問会議議員、地方分権改革推進委員会委員長、日本郵政取締役、国際連合世界食糧計画(WFP)協会会長などを歴任ののち、一〇年に民間出身では初の駐中国大使に就任。現在、一般社団法人グローバルビジネス学会名誉会長、伊藤忠商事名誉理事。

「2023年 『仕事がなくなる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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