タブレット・チルドレン

著者 :
  • さ・え・ら書房
3.53
  • (10)
  • (18)
  • (25)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 249
感想 : 21
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784378015590

作品紹介・あらすじ

GIGAスクール時代到来!
一人一台タブレットの校外学習で、あたえられた課題はなんと「子育て」!?
生徒二人がペアになり、タブレットの中でAI(人工知能)の子どもを育てるというものだった。
“漫画ラブ乙女”心夏(ここな)と、“孤高の少年”温斗(あつと)のペアがさずかったのは、“超毒舌小学生”マミだった………。

「いいよ、もう。お母さんには無理。」
胸にぐさりと刺さるマミの言葉。それは、心夏もよく母親に言うセリフだった……。
愛されたい、愛したいのに―――AIは容赦なく、ごまかしていた感情をあばく、あいまいな人間関係を揺さぶる!
はたして心夏たちの子育てのゆくえは? 母娘のつながりは築けるのか?
村上しいこが描く、今もう、すぐそこにある新次元の教育現場!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  生徒に配られたタブレット。最初の課題は、ペアを組んで子育てすること。
     紹介だけ読んでも、いまいち内容が想像できなかった。しかし読んでみると、これは今の学校で起きてることだとわかる。
     タブレットで取った写真を参考に絵を描く、委員会活動はチームズで、資料作りはパワーポイントで作成。小学生はこれを当たり前にやっている。
     子育ては、自分育て、私もこのアプリやってみたい。

  • 生徒2人がペアになりタブレットの中でAIの子どもを育てる
    タブレットの中だと自分の時間が空いてる時に接すれば良いだけだけど実際はそんなことないから子育てってもっと大変

    実際に取り入れられる未来があるかもしれないな

  • 2022
    意欲作だな

    藤原心夏(ここな)は中2
    漫画を描くのが好きなカースト制度では下の方の女子

    髙橋温斗(あつと)は孤独な少年
    トラック運転手の父と2人暮らし

    ある日担任の国語教師山北陽香(やまきたはるか)が、2人一組になりタブレットで「子育て」することを課題に出す

    心夏は温斗と組むことなり、タブチルの育成を始める
    割り当てられた「マミ」は超毒舌小学6年生
    心夏の妹ゆずと同じ年齢だが、弁が立つ
    というか毒舌
    「放置かよ。家出するぞ」
    そして「お母さん、わたしのこと、愛してる?」と聞いてくる
    マミの言葉は、本質的なところを突いてくる

    2人で協力しないといけないのだが、意思の疎通をはかることも難しい

    心夏の親友は美乃里(みのり)
    好きな人は品川光星(こうせい)
    クラスカースト上位グループを指揮するのはキリエ

    光星のペアは花野千咲
    美乃里のペアは
    キリエのペアはゲーマー佐々木晴琉(はる)

    心夏は光星くんをモデルに漫画を描く日々

    キリエと晴琉のペアのタブチルはゲームで亡くなる

    マミの毒舌はエスカレート
    温斗との関係もうまくいかず
    妹のゆずは鬱陶しい

    親の気持ちを体験しながら
    子どもの論理もあり
    タブレットの中の子どもから見せつけられる子どもの特性

    先生の立場
    親のクレーム

    リアルとトライの間でいろいろと考えさせてくれる作品だった

  • 藤原心夏(ここな)は漫画を描くのが好きなスクールカースト下位の中学2年生

    2人1組でアプリの中でAIの子どもを育てる、という課題が担任の山北先生から与えられる

    “タブチル”(タブレット・チルドレン)を開くと、ペアになったのはあこがれの白石くんではなく、同じくスクールカースト下位の高橋温斗(あつと)

    そして、授かったのは、超毒舌小学生のマミだった

    【お母さんのさっきの言葉は、嘘なの?】
    【いいよ、もう。お母さんには無理】
    【お母さん、もしかして、ばかなの】

    マミにばかにされ、温斗とは協力できず、現実の母や妹との確執に悩み、心夏の“子育て”は行き詰まってしまう

    《村上しいこが描く、今もう、すぐそこにある新次元の教育現場!》──帯の紹介文

    家族、友だち、そして自己の確立という中学生が直面する普遍的な課題をアプリの子育てという設定で描く村上しいこの意欲作・問題作、小学校高学年から

    「子どもには自分で考えなさいとか言うくせに、大人は自分で考えないよね。大事なことでも、どちらとも言えない、とか、どちらでもいい、とかでやりすごそうとする。」

    このことばを突きつけられる大人にも、いや大人にこそ読んでほしい一冊、2022年2月刊

  • 今どきありえなくはない話だよなぁ…と思いながら読んだ。私自身はこんな授業嫌だけど。笑
    AIが生活に自然に溶け込んだとき、自分のいる世界とシステム上の世界をどうやって区別するんだろう?むしろもう分けないことが普通なのか。まだまだその世界にはどっぷり浸かりたくはないなぁと思った。

  • 担任の先生の発案で、タブレットの中で子育てをすることに。
    ペアの相手と育てる子どもの性別や年齢はフタを開けるまでわからない。

    能天気漫画家志望少女・心夏は無口少年・温斗とペアになり、反抗期毒舌AI娘マミを育てることに。

    クラスの皆も四苦八苦しながら子育てをはじめるが、画面の外でも同級生同士ぶつかったり仲直りしたり。

    〇賑やかなAI 子育てと中学生の成長物語。村上しいこさんのお話で一番好きな作品になったかも!
    主人公たちが魅力的だ
    自分のお母さんやお父さんへの態度を振り返ってるところは子ども読者が、反対に子どもの気持ちを忘れかけてる大人読者にも。
    〇二人で育てることが要だけど、実際に取り組むのはやっぱ難しいかもなあ。心夏の意見がそうだなあと思った
    〇『白石くんが手放さないっ!笠地蔵編』が面白すぎて、危うく本編が吹き飛びかけた。

  • 私の好きな海外小説『フラワーベビー』にとてもよく似たお話だった。「フラワー(小麦粉)」ではなく、「タブレット」というところが今風だけど。
    『フラワーベビー』は一人で育てていたけれども、『タブレットチルドレン』は二人で子育てしている。自分が(タブレットで)子育てしてみて、初めて自分が普段親にしている行動が親を傷つけていることに気が付くというところや、子育ては夫婦で協力して行わなくてはいけないことに(こんなに若くして!)気が付くというところがよかったと思いました。

  • 中学生が「タブレットを使って子育て(AIアプリ)をする」という設定は昨今のICTを取り入れている教育のありようを反映しているように思います。
    しかしながら、物語の主題はAI(アプリ)での子育てを通して、人工知能とどのように付き合うか、というもので、中学生の成長物語としての作品でした。
    内容として、少し「薄い」感じもありました。
    小学生高学年向け、といった感じでしょうか。主人公は中学生ですが、中学生にとっては少し幼い物語かも知れません。

  • #中学生

  • 今を生きる中学生の成長物語。素材はタブレットとか、アプリなど最先端の情報社会の生産物。でも、AIが生成した子供を育てる過程でのキーワードは、やっぱり「愛」かな。大人にもオススメ。

全21件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

村上しいこ(むらかみしいこ)
三重県生まれ。
『うたうとは小さないのちひろいあげ』で第53回野間児童文芸賞受賞。おもな作品に「へんなともだち マンホーくん」シリーズ(たかいよしかず・絵)、「七転びダッシュ!」シリーズなど。
ホームページ
http://shiiko222.web.fc2.com/

「2023年 『防災室の日曜日 はんにんをつかまえろ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

村上しいこの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×