ぼくのブック・ウーマン

  • さ・え・ら書房
4.07
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本棚登録 : 169
感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784378041247

作品紹介・あらすじ

カルは、高い山の上に住んでいるので、学校へ通うことができません。もちろん図書館なんてないし、本を読みたいと思ったこともありませんでした。ある日、馬に乗った女の人が、カルの家に本を持ってやってきて…。今から、80年前のアメリカ。学校にかよえない不便な場所でくらしている子どもたちへ図書館の本を運びつづける人たちがいた。

感想・レビュー・書評

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  • 再読のまた再読。
    読み聞かせに不向きなためレビューを断念していたが、本にまつわる本として載せてみる。
    何度読んでも素晴らしい本で、ちょっぴり瞼の裏が熱くなる。

    山の上の一軒家に住む家族の長男・カル。
    まだ子どもだが、一家の働き手として誇りを持っている。
    ところが妹は本ばかり読んでいる。
    「にわとりのひっかいたあとみたいな文字」の、何が面白いのかカルには分からない。
    ある日、馬に乗ってひとりの女性がやってきた。
    「空気のように無料で」本を貸し出してくれるブック・ウーマン。
    やがてその人はどんな悪天候でもやってくるようになる。。。

    80年ほど前アメリカに実在した、1人の女性をモデルにしたお話だという。
    後書きによると、1930年代にルーズベルト大統領が提案した「雇用促進事業計画」により遠隔地・僻地に住むひとたちに本を届けるサービスが開始されたらしい。
    馬やラバに乗って険しい道を行き、2週間ごとに家々を本を持ってまわる。
    彼女たちは荷馬図書館員(馬で本を届ける人)と呼ばれていた。
    わずかな報酬でも誇りをもって働いたとあるが、私にもそれは良ーく分かる。
    綺麗ごとと笑われるかもしれないが、子どもたちに喜んでもらえばもうそれだけで何もいらない。これは本心だ。
    あの子たちが待っていると思うと、信じられないほど力が出る。
    私が特別なわけではない。
    「本を届ける」ことを始めたら、きっと皆さんもそうなるだろう。

    カルにも、それが伝わる日が来る。
    かたくなだった心を開き本を読むようになると、険しかった顔つきも変わっていく。
    語り手はカル自身なので、ブック・ウーマンの気持ちは書かれないが、どれほど嬉しかったかが分かる。本を読むカルの声、その眼差し、ページを繰る音まで聞こえそうだ。
    文字が読めること、本の世界を知ることの喜びが伝わってくる。
    貧しいながらも家族が精一杯感謝の気持ちを伝えようとする場面が特に好き。本を通して人の心が通い会う。
    ドローンで届けるようになっても、失われてほしくない部分だ。

    どんな環境でも等しく子どもには良い本に出会ってもらいたい、
    読書の喜びを知り、本からたくさんのことを学べるように。
    ブック・ウーマンのひたすらな願いと、それを受け取った少年・カル。
    彼の毎日に光を与えた活動は、きっとこれから先もカルの足元を照らすだろう。

    • nejidonさん
      夜型さん、こんにちは(^^♪
      お元気でお過ごしですか?
      12月に入ってからぐっと寒くなりましたね。
      同じテーマの本を読んでいるようでも...
      夜型さん、こんにちは(^^♪
      お元気でお過ごしですか?
      12月に入ってからぐっと寒くなりましたね。
      同じテーマの本を読んでいるようでも、合間に漫画を読んでいたりしますよ。
      もう、すごーく散漫な読書のしかたです。
      「本を届ける」って、いい言葉ですよね。
      思えばブクログも同じかな。
      どなたに届くかは分からないけど、届くようにと願って載せてます。
      ここでは誰もがみな、ブック・マンだったりウーマンだったりしますね。よきかな。
      2020/12/06
    • moyojiさん
      nejidonさん、こんばんは。なんだか素敵そうな本ですね。「自分が」本を読むことばっかり考えていたように思えて、少し情けなくなりました••...
      nejidonさん、こんばんは。なんだか素敵そうな本ですね。「自分が」本を読むことばっかり考えていたように思えて、少し情けなくなりました•••。子供の頃に家の近くにまで来ていたバスの「移動図書館」を思い出しました! ぜひ今度読んで見たいと思いました。
      2020/12/07
    • nejidonさん
      moyojiさん、こんにちは(^^♪
      フォローと「いいね」を下さり、ありがとうございます!
      おまけにコメントまでいただいて感謝でいっぱい...
      moyojiさん、こんにちは(^^♪
      フォローと「いいね」を下さり、ありがとうございます!
      おまけにコメントまでいただいて感謝でいっぱい!
      ああ、そう言えばこの本のブックウーマンは、移動図書館さながらですね。
      私の子どもの頃も、近所にやってくる図書館の車がありました。
      車が見えただけで嬉しくて、ぴょんぴょん跳ねて喜んだものです・(笑)
      あの気持ちをいつまでも忘れたくないですね。
      本が読めるって素晴らしい。こうしてブク友さんとお話まで出来るのですから!
      moyojiさん、ありがとうございました。
      2020/12/08
  • 移動図書館の誇るべき歴史、望みある未来(記事紹介) | カレントアウェアネス・ポータル
    https://current.ndl.go.jp/node/20634

    Heather Henson | Award-winning author of books for young people
    http://heatherhensonbooks.com/

    「ぼくのブック・ウーマン」さ・え・ら書房
    https://www.saela.co.jp/isbn/ISBN978-4-378-04124-7.htm

  • 80年前のアメリカ。学校にかよえない不便な場所でくらしている子どもたちへ図書館の本を運びつづける人たち。馬の移動図書館、荷馬図書館員で運び続けた人たちの思いが伝わる1冊。1冊がだれかのためになるならばと忍耐力と奉仕の精神が、今日の本との出会いにつながっていると思うと、すごいことだと思った。
    子どもの頃、移動図書館のバスの音楽が流れてくると、わくわくしたなあ~と。
    という思い出した。1時間という時間がすごく短くて、また次があるよ。はやく選びなさい。といわれ、どうしよ~。と迷った記憶も。大人になって、私は本を気軽に手にできる環境にいるけれど、もっといろんな方に、読める機会や方法、手段が増え、維持されなければいけないなと思いました。ブック・ウーマンの活動に改めて感謝。

  • 7月19日落合恵子さんのラジオ番組・絵本の紹介で取り上げられた「ぼくのブックウーマン」。
    いったい"ブック・ウーマン"ってどんな人?

    カルは、高い山の上に住んでいるので、学校へ通うことができません。もちろん図書館なんてないし、本を読みたいと思ったこともありませんでした。ある日、馬に乗った女の人が、カルの家に本を持ってやってきて…。今から、80年前のアメリカ。学校にかよえない不便な場所でくらしている子どもたちへ図書館の本を運びつづける人たちがいた。

  • アメリカに実在していた馬の移動図書館、荷馬図書館員をモデルにした絵本です。
    学校もない高地で暮らしている男の子カルは、字を読むことができずにいました。
    ある日、ズボン姿で馬に乗る女性が無料の本を届けます。
    本に興味の無かったカルは、その女性が何故大変な思いをして何度も届けてくれるのかが気になり始めます。
    図書館員、司書とはどうあるべきか、考えさせられる一冊。

  • ケンタッキーの高い山の上に住む子どもたちに、町の図書館から雨の日も風の日も、雪の日であっても馬に乗って二週間おきに「本」を届ける〝ブック・ウーマン〟の心あたたまるお話しです。すぐれた忍耐力と奉仕の精神で「読書の歓び」を運びつづけた誇り高き女性たち(Pack Horse Librarians 「荷馬図書館員」)を讃えています。この素晴らしい絵本の作者とイラストレーターが、読書に目覚めさせてくれた〝わたしのブック・ウーマン〟に捧げた、柳田邦男氏お薦め絵本の一冊です。

  • 子供時代、本は大切‼️

  • お話は単調。
     ど田舎のど辺境にゐる兄ちゃんが、妹の熱中する「鶏の足跡」が並ぶBOOKとやらを毛嫌ひしてゐると、ソレを運ぶおねいさんを乗せる馬が、ちょーかっけえので、感動してゐると、いつの間にか、といふもの。
     そんでもって、読者が、その馬とともに本を運ぶブックウーマンへ、ズギュゥウウウウウウンてなるのである。

  • 地道で厳しい仕事に与えられるのは、読書の喜びに輝く笑顔!こんな風に仕事に向かいあえたら、と胸が熱くなった。

  • 最初はみんなが不機嫌そうな顔しているのに、だんだんと表情が変わっていきます。ブック・ウーマンかっこいいです。

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