スローフードの奇跡

  • 三修社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784384025101

作品紹介・あらすじ

いまこそ「食」を見直す。地球環境のために、子どもたちのために。世界を席巻したスローフード国際協会会長カルロ・ペトリーニが主張するスローフードの3つの基本原則「おいしい、きれい、ただしい」。各国で翻訳され、絶賛を浴びたスローフーディストのバイブルともいえる書。

感想・レビュー・書評

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  • スローフード協会創設者が、その理念を語ったもの。具体例より理論的な説明が多く、一つの理念を説明するためにその前提を解きほぐしているため、重複する内容も少なくないが、消費者を「共生産者」と定義し、農業から食卓までの過程を一つとして個々人の責任に訴えかける姿勢は、一貫していて理解しやすい。
    遺伝子組み換えの農作物に象徴される多国籍巨大企業のグローバルな戦略や、貧困対策として介入して始めた単一栽培で、結果的に生物多様性が失われ、土壌が汚染され、短期的には収入が増えても、長期的には他者依存の工業的農業に行きつかざるを得ない現状に警鐘を鳴らす。
    タイトル通り、Buono(おいしい), Pulito(きれい) e Giusto(正しい)の提唱だ。おいしいということが、環境にできるだけ負荷をかけず、生物多様性を攻撃せず、農業従事者の生活を守り、彼らと食べ手の距離をできるだけ近くして信頼関係を取り戻すことに集約されるべきものであること、それが”ガストロノモ”の義務だと。

    本が書かれてから既に18年。SDGsが巷の合言葉になっている時代だが、ウクライナやコロナ、鳥インフルなどさまざまな要因で物価が上がり続ける現状を見回すと、やはり「地域の小さな単位で、サステナブルに食べる」という目的地はまだまだ遠いのだろう。

  • 伝統的な作物が、先進国の為の作物にとって変わられるのは納得いかない。

  •  イタリアで発祥し、今や全世界に展開している「スローフード運動」。著者は「スローフード協会」の設立者で、まさにその提唱者に他ならない。
      「ガストロノモとは、ただ食べるのではなく、料理が供される前に素材がどのように育てられ、加工され、調理されたかを考え、共生産者としての自覚を強く持つ者である」。国際的に活躍する著者が、農業や市場の実体をルポし、「ブオーノ、プリート、ジュスト」食の品質を見極める。

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