日本の街道ハンドブック

著者 :
  • 三省堂
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本棚登録 : 23
感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784385410517

感想・レビュー・書評

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  • タイトルの通り、日本の街道についてまとめられた一冊です。
    今まで特に気にも留めたことのなかった街道ですが、たくさん街道があり、驚きました。
    ほとんどが知らないものばかり。
    車に乗らないためか、身近な場所の道しかわかりませんでした。

    徳川幕府が五街道の整備を行ったということを、まずこの本で知りました。
    江戸時代には、お伊勢参りなど、民衆の間に空前の旅ブームが起こった時代だそうですが、やはり危険を伴うものだったため、旅は命がけだったとか。
    芭蕉は欧州の旅に出る時に、深川の芭蕉庵を処分し、近所の人と水杯を交わして旅立ったそうです。

    また、湯治をするには、7日間の滞在で大工の手間賃143日分のお金がかかり、なかなか簡単には行けなかったとのこと。
    人々は少しずつ貯金し、3~5年に一度、出かけたそうです。

    おかげ参りの時は、何をやっても許されたそうです。たとえ、でっちが奉公先の金を盗んでも、罪に問われなかったとのこと。
    それもなんだかすごい社会の状況ですね。

    「姫街道」なんてきれいな名前の道もあると知りました。
    これは浜松から御油までの東海道の脇道で女性の旅人の往来が多かったためそう言われるようになったそうです。

    今回の震災で壊滅的打撃を受けた「石巻街道」「水戸街道」もあり、感慨深く読みました。

    その他、関所や、海の道についても紹介されていましたが、一度にすべて頭に入れることはできないほどの情報量でした。

    歴史的発展の説明と共に街道の紹介がされますが、かなり淡々とした、起伏の少ない文章だという印象を受けます。
    近世都市史の専門家による監修です。
    次は、多少偏りがあっても、熱く語る街道マニア的な人の本を読むと、ぐっと頭に入りそうだと思いました。

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著者プロフィール

1933 年、東京市日本橋区生まれ。57 年東京教育大学卒業。64 年東京教育大学大学院博士課程単位取得退学。徳川林政史研究所主任研究員、信州大学教育学部助教授、東京学芸大学教育学部教授、立正大学文学部教授を経て、東京都江戸東京博物館館長。同館名誉館長、徳川林政史研究所名誉所長。主な著書に『大系日本の歴史〈10〉江戸と大坂』(小学館)、『江戸の盛り場・考─浅草・両国の聖と俗』(江戸東京ライブラリー)、『元禄人間模様 変動の時代を生きる』(角川選書)、『寛政改革の研究』(吉川弘文館)、『江戸社会史の研究』(弘文堂)。

「2022年 『江戸を知る――江戸学事始め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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