狼煙を見よ: 東アジア反日武装戦線狼部隊 (現代教養文庫 1462 ベスト・ノンフィクション)

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  • 社会思想社
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784390114622

感想・レビュー・書評

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  • 先日、70年代の爆弾事件で指名手配されていた男性がなくなったというニュースをきっかけに読んでみた。

    作者は自作をノンフィクションというよりは「記録文学」と呼んでいたようだが、当事者の心の内と事件の概要が織り交ざって進んでいくのは物語のようで、読みやすかった。

    主人公である大道寺将司氏が獄中でも抵抗運動を続けて、2017年まで生きていたのを読後に知ったのも驚きだったが、彼の両親(特に母上)が一貫して自分の息子の考え方の根本を理解しょうとする姿勢にも驚かされた。

    そして自分たちが掲げる理想に身動きが取れなくなり流されて行く恐ろしさも、垣間見れた気がした。

    同士でありの氏の奥様でもあるあや子さんは今どうしているのだろう…

  • '70年代に発生した三菱重工などの爆破事件。なぜ普通の会社員が連続企業爆破を起こしたのか。テロリストの視点で描いた秀逸な作品。私が警視庁公安部を担当していた頃、この捜査に携わった捜査員たちは、幹部になっていた。当時の話を聞きたくて何度も取材に訪れ、何人かに捜査の裏側を明かしてもらったものだ。本書で知ったテロリストの論理と、自ら取材した捜査官の証言。この二つが、あの時代の本質を理解する大きな柱になった。
    (竹内明)

  • どうしてもこういうノンフィクションは政治的にならざるを得ないのだろうけど、
    著者の立ち位置がわりとはっきりしているので、ニュートラルに読めるです。

  • 名著!

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著者プロフィール

歌文集『豆腐屋の四季』でデビュー。豆腐屋を14年間続けた後、1970年、"模範青年"を脱皮して、作家宣言。生活(いのちき)の中の小さな詩を書き綴ったエッセイと、重厚な記録文学を書き続ける。「暗闇の思想」を提唱して豊前火力反対運動・環境権裁判を闘い、『草の根通信』を31年間発行、反戦・反核・反原発の闘いに邁進する。その闘いの原点は『豆腐屋の四季』にある。弱い人間の闘い方とは、局面負けたとしても、自分を信じ、仲間を信じ、未来を信じることである。3.11福島原発事故以後、若い世代にも「暗闇の思想」が読み直されている。「だれかの健康を害してしか成り立たぬような文化生活であるのならば、その文化生活をこそ問い直さねばならぬ」

「2012年 『暗闇に耐える思想 松下竜一講演録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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