世界の独在論的存在構造: 哲学探究2 (哲学探究 2)

著者 :
  • 春秋社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393323793

作品紹介・あらすじ

まさにこのありありとある私ただひとつがある。それは端的な私であり、けっして記憶や性格でもなければ、一般的な意識や精神や魂と呼ばれるものでもないのだが、言葉で語ろうとすると簡単にたくさんある私のなかのひとつとなり、一般的な心というもののひとつの個別事例になって、見失われてしまうのだ。

この私という説明不可能な例外的存在者が現に存在してしまっている、という端的な驚きを起点につむぎだされる独創的思索の広大な射程。長い哲学の歴史のなかで見逃されてつづけてきた、しかし根本的な問題を発見し探究しつづける哲学者・永井均の最新の思索は、私・今・現実の不思議を新たにゼロから徹底的に考えぬく。仏教やインド思想の無我・真我を論じる付論を付す。

感想・レビュー・書評

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  • 脱字がちらほらあったのは、丁寧に読んでほしいという著者の配慮だったのであろうか。

    今までの著者の作品より、今回の作品は難しいように思えた。それは、誤解を解くのには仕方ないことだったのかもしれない。


    前回の哲学探究1が「存在と時間」という副題をつけることで、ハイデガーに偶然にも一致してしまっていたが、今回の哲学探究2は、実存と本質というテーマもあってか、サルトルに近い発想になっていたように思われる。しかし、サルトルを論じるのではなく、以前からあった永井哲学が、実は、実存の問題にもつながっていたということが、というより、実存の問題でしかなかったことが分かったような気がした。

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著者プロフィール

1951年生まれ. 専攻, 哲学・倫理学. 慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位所得. 現在, 日本大学文理学部教授.
著作に, 『〈私〉の存在の比類なさ』(勁草書房, のち講談社学術文庫),『転校生とブラックジャック──独在性をめぐるセミナー』(岩波書店, のち岩波現代文庫), 『倫理とは何か──猫のインサイトの挑戦』(産業図書, のちちくま学芸文庫), 『私・今・そして神──開闢の哲学』(講談社現代新書), 『西田幾多郎──〈絶対無〉とは何か』(NHK出版), 『なぜ意識は実在しないのか』(岩波書店), 『ウィトゲンシュタインの誤診──『青色本』を掘り崩す』(ナカニシヤ出版), 『哲学の密かな闘い』『哲学の賑やかな呟き』(ぷねうま舎), 『存在と時間──哲学探究1』(文藝春秋), 『世界の独在論的存在構造──哲学探究2』(春秋社)ほかがある.

「2022年 『独自成類的人間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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