- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784393333525
作品紹介・あらすじ
戦後の政治的・社会的な転換点として語られる"1968年"――その背後では人々の感性のあり方にも大きな変化が訪れていた。本書では東京オリンピックや新宿フォークゲリラなどに着目し、戦後昭和の日本文化に生じた感性の変容を斬新な切り口で解き明かす。
感想・レビュー・書評
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2017.9.2市立図書館
戦前と戦後で対比されることも多いが、戦前の文化や空気は案外戦後にも残っており、それが「戦後」と理解される現代風になってきたターニングポイントは1968年ではないか、という話。テレビが当たり前の今の時代、「視覚」「見た目」目から入る情報がつねに意識の前面にでてあたりまえのように思っているが、耳から入る情報がもっと存在感を持つ時代があったという話。1925年のラジオ放送開始以来培われた講談調スポーツ実況中継はスポーツ以外のイベント、はては架空のイベントの実況中継という番組(架空実況放送:1957-1966)までうみだした、あるいはラジオの野球実況が好きな人が上京してきたときに球場に足を運んで実況抜きの試合のつまらなさにがっかりした、という顛末が興味深い。
いまやってる朝ドラ「ひよっこ」が東京オリンピックの1964年から1968年ぐらい、この本の論じる境界にドンピシャリの時代だな、と思いながら読んだ。ドラマの中でも、テレビはあってもまだ白黒が多数派で、でもラジオ主流の時代から(ラジオ工場が閉鎖されるエピソードを経て)テレビを家庭で楽しむ時代へ。
私自身、幼い頃からラジオをBGMに育ってきて、いまもテレビを見るよりラジオを聞く時間のほうが長いので、「聴覚が人々にもたらす想像力やそこに形作られる文化の孕んでいる底知れぬ危険性」のこと、もっとじっくり考えてみたくなってきた。
三分の一ぐらい読めたところで時間切れ返却。 -
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