- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784393360286
作品紹介・あらすじ
魚や野菜や果物の肌理を見る。人の黒眼と白眼の比率を見る。歩く人の脚の振れ具合を見る。異性を見る。曲がり角の向こうをのぞく。そのような時に知覚していることは、すべてレイアウトである-。絵画からリハビリテーションまで、その本質を光・余白・力のレイアウトとして描き切る、生態心理学=アフォーダンスの平易で画期的な実践への招待。
感想・レビュー・書評
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人間の行動も建築も周囲との関係性無しには論じることはできず、その関係性をレイアウトと言い、そのレイアウトを認知することをアフォーダンスと言う。
この観点でアートや建築を見る目も、更には自分の回りの日常を見る目すらも変えうる一冊だった
「デザインのデザイン/原研哉」、「誰のためのデザイン?/DAノーマン」に並ぶ名著だとおもうが、この本はデザイン論を超えている。
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『文献渉猟2007』より。
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レイアウトの法則―アートとアフォーダンス
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きめがある
・・周囲のどの表面にも細かな粒が満ちており、それがある秩序、つまり きめ をなしている
本書がレイアウトと呼ぶのは、このまだ肌理の性質を持つ周囲のことである。入れ子するレイアウト・・
知覚心理学者ジェームスギブソン
・・21世紀の心理学はアートが何かを掘り当てた・・
wikiより
アフォーダンス(affordance)とは、環境が動物に対して与える「意味」のことである。 アメリカの知覚心理学者ジェームズ・J・ギブソンによる造語であり、生態光学、生態心理学の基底的概念である。「 与える、提供する」という意味の英語 afford から造られた。
・・ところが、ずいぶんと前から、きめについて、レイアウトについて、アフォーダンスダンスについて、持続して探求している・・人々がいた。彼らはアーティストと呼ばれていた。世界には知覚心理学よりもはるかにレイアウトに詳しい人がいる。・・・アートすでにいくつものレイアウトの法則を知っている。 -
畠山直哉との対談。
知覚には「時間」がない。というのも、知覚する私たちは同時にあらゆる場所にいるから。一方、写真には時間が凝縮されたかたちで、ある。この指摘が最大の収穫だった。 -
アフォーダンスを勉強するために読んだ。おもしろい。動きの話と建築の話はぐいぐいくる。
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本のタイトルからハウツー的な内容を想像するかもしれませんが、アフォーダンスについて書かれた本です。視覚による認識の話や身体の動きなど興味深い内容で、クリエイティブの人にとっては良い刺激になると思います。
私の場合、いつも電車から見ている風景や、Photoshopでオブジェクト(レイヤー)を重ね合わせのような身近なことにも、いままでとは違った見方が出来るようになりました。
こちらのページでは、デザイナーの深澤直人氏も本書を紹介しています。
http://www.axisjiku.com/jp/2011/05/09/創造への繋がり-36%E3%80%80『レイアウトの法則』/評者/ -
本書で言う「レイアウト」という言葉は、デザイナーの使うそれよりも、よりマクロな意味。肌理(きめ)のレイアウト、自然のレイアウト…それらが層を織りなし自然界を構築している、と言った捉え方それ自体が美しく感じられた。
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認知心理学の側面から、絵画、建築、写真、グラフィックの分野を人間の感覚をもとに書かれた本。
なので今までの芸術論とは全く違った視点で描かれています。
周りの環境やモノから人間が無意識のうちに感じてしまう
感覚、モノの肌理、余白や光に注目することで
新たな視点からデザインやアートを分析しようと試みている。
芸術の分野ではあまり論じられることのない内容なので
とっつきにくいかもしれないが、これを読むと、
人間というのがいかに無意識の行為でできているかがよく分かる。 -
すごいおもしろかった。何度も読み返すと思う。