ドラッグ食: あなたを蝕む食依存と快楽

著者 :
  • 春秋社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393710791

作品紹介・あらすじ

食はもはやドラッグになった。薬物のように依存しやすい「ドラッグ食(フード)」が蔓延し、世界中の人々の健康と暮らしが脅かしている。幼児でも口にする食品のドラッグ化の意味はあまりに重い。人はなぜ病気になるのか。食依存時代の食生活のあり方を探る。

感想・レビュー・書評

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  • ドラッグというと覚せい剤やらコカインやら、マリファナやらちょっと普通に生活していたら縁がなさそうなイメージですが…これらはハードドラッグ。

    怖いのマイルドドラッグと言われている甘味料や糖類、ジャンクフードに清涼飲料水、菓子パン、スイーツ、珈琲、酒類など。
    「自分へのご褒美!」「かわいい~!」「安いのにおいしい~」なんていう言い訳でハマってしまうと抜けられない恐ろしい食べ物たち。それらひっくるめて「ドラッグ食」

    「スナック菓子などは、食べたい~という欲求が出て、一旦食べ始めるとやめられなくなって過食する。だけどごはんやら肉やらでやめられない~と過食になることはほとんどない。たいがいは満腹になってやめることができる」っていう話がおもしろかったな~。
    お~言われてみればそうかも…

    あと、炭水化物を敵視している考え方(炭水化物ダイエットやら糖質制限として炭水化物を食べないという方法など)にも著者はチクリと言っている。

    と、同時に若い女性の「痩せ願望」の弊害も訴えている。

    怖かったのはオルトレキシア・ネルボーザという新しい摂食障害
    思い込みによって偏った食生活しかできなくというものだそうだけど、なんかわからないでもない。食品添加物とかなんやかんやに敏感になりすぎて「もう健康生活を送るにはこれしかない!」となってしまうのかも。

    マクロビにこだわりすぎる人とかもなかなかいい友達にはなれなそうな気がする…こだわりがすごすぎて怒られそうなんだもん…。

    バランスよく食べること…
    これって当たり前と思ってたけど現代ではかなり難しいことになりつつある。
    食品会社に忖度しない食育って今後の日本でちゃんとできるのかな~?どんどん難しくなっていくような気がする。

    この本、ちょっとだけ過ぎる…部分もあるので賛否両論らしいけど…なかなか興味深い本でした。

  • 怖いですね。

    幕内秀夫さん、長女の幼稚園へ講演にいらっしゃいました。
    すごく面白く大切なことを話して下さいました。

    その時は、砂糖と油を人は美味しいと感じると話されていました。

    子どもの食事は
    ご飯とみそ汁!
    だけで良いとも。
    その講演を聞いて、我が家の朝食は
    ご飯とみそ汁!と納豆か目玉焼きに。

    スナック菓子とスイーツも依存症になると。
    確かにそうかも。
    怖い。

    コーヒーは、私、依存症かもしれません。

  • 人が病気になるのは、生きるためではなく、快楽のために食べるから。
    この文言にドキリとさせられた。私は完全にチョコレート中毒だし、子供達は早くもジュースとお菓子大好き魔で砂糖中毒に片足を突っ込んでいる。私は、体に良いから食べるという情報過食性でもあるし、オルトレキシア(正しい食欲神経症)に近いものがある気がする。肥満や糖尿病が増えている沖縄の大変な状況は知らなかったので、家族がそうならないためにも、ご飯+味噌汁の生活を普通に思えるように、パンとお菓子、ジュースのない和食中心の食卓に切り替えようと決心した!

  • おもしろかった

  • インスタントラーメン、ペットボトルの甘い飲料、チョコレート、、、すべてうちの子供が好きなやつ〜。毎日それらを飲み喰いしてます。依存症になってしまったかも。せめて私はせっせと糖尿病の怖さや、食生活の大切さを折に触れ伝えるようにしていこう 90

  • 何故人は「マイルドドラッグ」であるジャンクフードをやめられないのか。薬物、酒、タバコと違い、入手しやすく、小さな子どもにもつい簡単に与えてしまいがちな、ジャンクフードの危険性を解説する一冊。
    どの成分が依存を生むのか、いつ頃日本に入って来たか、さらにはハマりやすい人はどんなタイプかなどが、分かりやすく述べられている。
    肥満&ジャンクフード大国である欧米の食べ物が、いかに依存しやすく危険であるかを再確認できる。
    とりあえず砂糖と油のタッグは怖い!

  • オルトレキシア・ネルボーザという単語が強く印象に残った。依存して良いものなんてこの世にないんだなぁと思いました。バランス良く食べるって案外難しいんですかね…

  • 食のドラッグ化

    子どもに好き嫌いが多い理由 セロリ、ピーマン、ネギ…→緑=成熟前と判断 まず目でしか判断できない
    苦い食べ物 珈琲、たばこ、お茶→わずかな量のアルカロイド(微量だが毒・大人には影響なし・子供影響大)
    ピーマン→子供にとってはとてつもなく苦い

    職場の菓子置き場 完全禁煙の影響→肥満や糖尿病が増える可能性あり

    たばこかスイーツ→どちらも依存
    スイーツ、ジャンクフードを子供の時から→アルコール、たばこよりも体に影響
    人間は何らかの一服を求める動物

    味噌汁の味でケンカ 1日6gにこだわらず自分で味を見るべき 夏で汗をかいたか?

    学校給食 ラーメン、ハンバーガーを食べさせながら地産地消、コメ消費拡大のために税金
    教育と農林水産省との縦割り行政の弊害

    アルコールとたばこのない女性が甘いお菓子をやめることは難しい 依存症あり

    日本の食パンはお菓子みたい パンに砂糖→保存性、防腐効果

    白砂糖→100%糖質
    異性化糖(ショ糖型液糖) ブドウ糖型果糖液糖 トウモロコシ→コーンスターチ→精製 大量生産可能

    ハンバーガー、ホットドッグ、ピザ、ドーナツ→パン食の国 ラーメンを食べる文化なし☆ラーメン、カレー→健康には良くない/欧米ではハンバーガー、ポテトと同じ扱いか?体に悪いなら食事として成立せず

    ×人類は穀物、イモ類を食べるべきではない→世界中で穀物、イモ類を食べない民族はいない

    ハード 大麻、覚せい剤
    ソフト アルコール、ニコチン、カフェイン、チョコレート
    マイルド スナック菓子、菓子パン、カップ麺、清涼飲料水→吸収スピードが速い・快楽が大きい

    アメリカ大手食品メーカー 脳波研究・何を食べれば病みつきになるか→ヘビーユーザー化

    和菓子バイキングはない→多く食べられない 精製糖と精製油脂→快楽へ

    ポテトチップス 穀物、イモ類を原料に精製糖、精製油脂、うま味調味料(アミノ酸と表示)、精製塩、風味の香料→病みつきへ

    スナック菓子 脂質量30% バラ肉、大トロ、ステーキと同じレベル→人間がおいしいと感じる目安
    ステーキよりも脂がのったものを間食、深夜に食している・サクサクした間食にごまかされがち 100円で手に入る

    ポテチ好きの女性は多い・チョコのエレガントさがないため公表できない・ポテチ女は耐え難い屈辱→食べた瞬間おいしいというより気持ちがいい→食べ終わると同時に後悔

    食べ始めた年代が障害にわたって大きく影響 脂質30%・精製された糖、塩→依存

    食育基本法で菓子メーカーの出前講座「1日〇gまでにしましょう」→一度袋を開ければ止まらない依存性あり

    芥川龍之介 180本たばこ 高倉健 50杯のコーヒー 倉本聰 北の国から・43万本のマイルドラーク

    依存症の共通点
    物質への依存(ドラッグ、アルコール、たばこ、食べ物)
    プロセスへの依存(ネット、ギャンブル、セックス、ゲーム)
    人間関係への依存(恋愛、カルト宗教、虐待)

    ボケ予防のための健康麻雀→脳に関する研究では、リスクを伴う方が快楽が大きくなる・金をかけたほうがボケ予防になる。

    スイーツ依存が原因で強盗、離婚、学業・仕事への支障はない→ハードルが低い☆安いので食いたければ食べてしまう依存症・仕事学業への影響も特になし→健康を害して初めて気づく!

    アスペルガー症候群 知的障害を伴わない広汎性発達障害の一種・コミュニケーションが苦手・空気が病的に読めない

  • 面白い!子供の頃からジャンクフードが身近にあった世代の人達は、風土の味・おふくろの味がわからないまま育ってしまうので、次の世代に味を引き継ぐことが出来ない。
    日本には給食のシステムがあり、素材の味や風土の味を食を通して学ぶことができる。それなのに、ポテトチップスやフレンチドックなどのジャンクフードが給食にならんでしまうこともあるという。味付けが濃くて、油と砂糖とうまみたっぷりのジャンクフードを、子供が好むからと与えてしまっては、せっかくの学びの場が生かされない。食の破壊は文化の破壊、精神も破壊し、あらゆるものが滅茶苦茶になってしまう。このまま食の破壊が続くのは恐ろしいこと。食の復活は日本の復活につながるはず。給食など、正しい食の復活にもっと力といれてもいいのではないか。
    強く共感しながら一気に読み進めました。

  • 極めて依存性が高く、経済的、家庭的な崩壊を伴うことが分かっていてもやめられないものといえば、「ドラッグ」「ギャンブル」などが挙げられます。いずれも手を出すと罰せられる、体が蝕まれる、といった高くつく代償を払うことになります。これらほど急激に人生を狂わさないものの、長年かけて気付きにくいやり方で着実に不健康にするもの、のお話。

    テーマは「食」に潜む依存性。たくみに脳を刺激し、本人の意思に関係なく脳に直接食欲をうながすようにつくられた調味料や、病みつきになる味に研究された高脂質・高糖質の菓子類やファーストフードといった、いわゆる「ジャンクフード」。これらはドラッグやギャンブルのような強い依存性もなければ、急激に命を危険にさらすということはなく、それでいて原因がつきとめにくいが、明らかに依存性があるとして「ドラッグフード」と著者は呼ぶ。

    ドラッグならばそれが手に入らないような環境におくという対策が取られますが、ドラッグフードはコンビニやスーパーなどで簡単に買えるため避けることが難しい。そのため幼少から食べる機会が多くなり少しずつ依存度を増すのだといいます。

    不健康になれば止めればいい、と普通はおもいますが、止めれないのが依存症。医学的に証明は難しいため、あなたはドラッグフード依存症ですと診断されることもない。

    食問題の多くの本でも指摘されていますが、味の研究において、試食してもらってから感想や評価を聞くという調査法はもう古く、直接脳波を調べて、その反応を分析する方法によってつくられた味は多くの人を虜にし、気分が悪くなること、不健康になることがわかっていても止められない。それは普通なら「これ以上いらない」と脳が指令を出すはずが、ぶどう糖果糖液糖などで採った糖質に対しては脳が反応しないといったことが原因だと言われています。

    栄養価が低く依存性の高いジャンクフードの普及で肥満や生活習慣病が増加していると判断した国の中には、ジャンクフードに対して課税する国も出てきているそうですが、ジャンクフードは安価にお腹が満たされるため、低所得層の多い国ではこの政策をとることが難しい。今のところ、自分で規制するしかないのが現状ですが、今後ますますドラッグフードによって健康を害する人が増えるだろうと警鐘を鳴らしています。

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著者プロフィール

ベストセラーとなった『粗食のすすめ』、全国の変わった給食を集めた『へんな給食』の著者。東京農業大学栄養学科卒業。管理栄養士。山梨県の長寿村を知って以来、伝統食と民間食養法の研究を行う。日本列島を歩いての縦断や横断、また四国横断、能登半島一周などを重ねた末に、“FOODは風土”を提唱。

「2012年 『乳がん患者の8割は朝、パンを食べている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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