月と手袋 新装 (江戸川乱歩文庫)

著者 :
  • 春陽堂書店
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本棚登録 : 251
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784394301080

感想・レビュー・書評

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  • 「月と手袋」完全犯罪を遂行できたはずの主人公と、その愛人。心理的に追い詰められて行く様子が痛々しい。明智探偵はとうとう登場しなかったけれど、その存在を知らしめるだけで影響大。

    「地獄風景」色彩的にもビジュアル的にも登場人物の姿を想像すればするほど美しい。耽美的とはまさにこのような…とその結末は鮮やかな何百人もの血に彩られ吐き気がするほど。これぞ江戸川乱歩。

    「モノグラム」不思議な味わい深い掌編。ドキドキさせておいてニヤリとしてまた胸が痛くなる。

    「日記帳」こちらも掌編。弟の日記と残された書簡によっての暗号解読。仕掛けられた真実に辛くなる。

  • <月と手袋>
    別に私が殺したわけじゃないのに私の心臓がバクバクした。
    追い詰められる恐怖をここまで書かれると明智氏にもうやめてあげて!と言いたくなってしまう。

    <地獄風景>
    パノラマ島奇談のパラレルバージョンのような話だった、かなぁ…。
    「ジロ楽園カーニバル祭」って言葉がギャグなのか本気なのか私には分かりかねた。
    こんなおぞましき風景が!っていうけど、その発想あなた発信ですからねって思った。というか、乱歩先生のは読みながら常にそう思ってる気がする。

    <モノグラム>
    こんなネタをここまで美しく儚く世知辛く、そして馬鹿馬鹿しくできるなんて、文豪ってやっぱりすごい。

    <日記帳>
    ずどんと来た。あまりにも私の性格によく似た人物が出てくるんだもん…そりゃ読み終わったら悶えるわい。
    ラストの一文は孤島の鬼をそこはかとなく思い出させて、余計に私をかき乱した。

  • 春陽堂から大正時代に刊行された江戸川乱歩中短編集を文庫で復刊したものです。本短編集には、"月と手袋(1955)""地獄風景(1931)""モノグラム(1926)""日記帳(1925)"の4篇を収録。明智小五郎が活躍する作品、乱歩の悪趣味が全開の作品、そして、乱歩作品としては一風変わったテイストでオチが秀逸な作品と収録作が少ないながら、なかなか良いです。今は深夜でも明かりが消えることがないので"月と手袋"みたいな作品は生み出されないだろうなと思いました。ここに収録されている作品で好きなのは"日記帳"。

  • '96.9読了。

    表題作の他は、
    「地獄風景」「モノグラム」「日記帳」
    お気に入りはモノグラム。

  • 中編「月と手袋」、長編「地獄風景」、短編「モノグラム」「日記帳」収録。新版が間もなくでる予定だが待ち切れずに旧版を読んだ [2015年8月現在]。

  • ☑月と手袋
    ☑地獄風景
    ☑モノグラム
    ☑日記帳

  • 乱歩は何度読んでも楽しい。春陽堂のこの表紙も素敵。

  • 江戸川乱歩作品はほとんど読んだが、たまに読み返したくなる。

    過去ログ。

  • この表紙の画家を選んだ人は、天才だな…

  • 明智小五郎と花田警部の二人羽織(笑)で
    事件を解決する表題作、他。
    「パノラマ島奇談」の劣化版のような(!)
    問題作「地獄風景」には無茶苦茶過ぎて笑うしかない。

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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